──続いては和田ラヂヲさん。さすがのコメントです。
ハヤシ この人選の振り幅、いいっすねえ。
フミ 「二日目のテクノ」! ははは(笑)、最高!
ナカムラ なるほどなあ。うまい。
──どういうお付き合いなんですか?
ハヤシ もともと僕が大ファンで。「和田ラヂヲのここにいます」を全巻初版で買ってるくらい好きなんです。で、愛媛でライブやったときに、和田さんが愛媛に住んでいるのを知ってたから……直接メールしたんだっけ?
フミ そう、まったく面識はないんだけど、とりあえず声だけかけてみようって、一方的に送ったんだよね。当時はSNSもないから、ホームページに掲載されているメールアドレスに「初めまして」って送って。
──「POLYSICSと申します」みたいな?
フミ そうそう、そんな感じ。そしたら本当に来てくれた。
ハヤシ うれしかったよー。打ち上げも来てくれて。それ以降、和田さんが仕事で東京に来たときに連絡をもらって飲みに行ったり、あとは毎回愛媛でライブやるときは来てくれたり。来れないときも、最近はTwitterで「今日POLYSICSのライブが○○であります。みんな行きましょう」って宣伝をしてくれる(笑)。
ヤノ 優しいっすねー。
──「一日中テクノ」ってじわじわ来ますよね。
ナカムラ なんか文章から絵が浮かんでくる感じ。一文一文がひとコマのマンガになって見えてきますよね(笑)。
──「二日目のテクノ」のコマは、ハッとしてる女の子がいる感じ(笑)。
フミ 「……角が取れてる!」みたいな。あはははは!(笑)
ハヤシ うれしいな。こんなに仲良くしていただけるなんて思ってなかった。あとそういえばヤノの誕生日のとき、和田さんケーキ持って来てくれたよね。
ヤノ ああ、そうでしたね。それも松山のときだ。
フミ あと、徳島だっけ? 地元からちょっと離れたところまで、わざわざ車で来てくれて。遠征までしてくれた。
ハヤシ いや、それね、俺がライブがあるって電話しちゃったの。「遠いなあ」「ですよね?」みたいなやりとりがありつつも来てくれて。そしたらそのあとブログで「ハヤシくんから『四国だから』という理由で誘われたけど、ハヤシくんはさすが、土地勘がわかっていない」って書かれてた(笑)。
一同 ははは(笑)。
──そして最後、AA=上田剛士さんです。
上田剛士(AA=)
- POLYSICS「In The Sync」キャッチコピー
-
PUNKS NOT DEAD
POLYSICSはいつも「騒がしい」、もちろん良い意味で。
僕に言われたくは無いだろうが。
その中でも新作は「テンションすごい」と思った。一気に突き抜けるこの感じはきっと、一気に突き抜ける様に作り上げたのではないかな。
いつも僕は「POLYSICSはただのピコピコしてるバンドじゃないよ、実はロック、いやパンクだよ」と言ってるんだけど、新作のスピード感やテンションは正にそのもの。
ニューウェーブやテクノがパンクと根本を同じとするものである事を、彼らはずっと(無意識にも)体現してるバンドだと思う。
音楽に限らず横並びの物が多いと感じる現代、「異端」であることの意味は大きいのです。 - The Vocoders「1st V」キャッチコピー
-
TECHNO POP IS NOT DEAD
The Vocoders、これ絶対にサイドプロジェクトとして気楽にやってないよね? 絶対に本気(マジ)。
なんとなくサイドプロジェクトとして遊び半分で始めたのかと思っていたけれど、絶対に違います。
飛び出してくる音色の一つ一つから、自分たちが愛した音への愛とリスペクトにあふれているPOLYSICSの別の姿が浮かび上がってくる。 そしてハヤシ君の頭の中がよーく見える気がする。
とてもイイ!
The Vocodersやってるの絶対にすごく楽しいはず。
ハヤシ おおー。これはちょっと……ホロリと来るね。
ヤノ このキャッチコピーがもう、剛士さんっぽいですよね。熱い。
ハヤシ (何度も読み返しながら)いや、ホントに……うれしい。ちゃんと剛士さんには伝わってるんだなと思うコメントばっかり。
フミ なんか、兄のようだね。お兄ちゃんが「大丈夫だよヒロユキ、わかってるよ、俺は」って言ってくれてる感じ(笑)。
──交流はいつからあるんですか。
ハヤシ 震災後、AA=AiDで無料配信された「We're not alone」っていう曲。あれに参加して、初めてちゃんとお話をして。昔ね、THE MAD CAPSULE MARKETS時代に挨拶をしたことはあるんだけど、そのときはおっかない人だと思ってたから「対バンしたいです!」とだけ言って走り去ったっていう。
──え、返事も聞かずに?
ハヤシ そう、一方的に思いを伝えて走り去った(笑)。でもそのあとマッドも活動休止しちゃったから、あんまり会う機会もなかったんですけど。でもAA=AiDのときに直接連絡が来て、ちゃんと電話で話して。
──怖いイメージがあるけど、ものすごく紳士な方ですよね。
フミ そう。びっくりした。あのステージ上とのギャップ。
ヤノ あの音とのギャップ。俺、マッドを昔コピーしてたので。本物とお会いできるなんてうれしい限りだった。でもマッド時代から歪みの部分とメロディの部分は特徴的でしたよね。そこはマッドの色だったし、AA=になっても剛士さんのエッセンスはずっと色濃く反映されていて。
──ポリもそうだけど、剛士さんも本当にブレないですよね。感覚とか好きなものが変わらない。
フミ 「これがいいと思ってるから、これでいいのだ」っていう感じだよね。
ナカムラ 僕が初めてポリに入ったライブも観に来てくれて。いざ初対面でお会いすると、なんか、キャラクターは違うんだけど、ハヤシさんと話してる感覚と通じ合うものがありましたね。また今の体制で対バンしてみたいな。
──ぜひ観たいですね。今、AA=は対バンライブのときに必ず相手の曲を1曲カバーするんですけど、それってポリとの対バンから始まったらしいですよ。
フミ あのときからなんだ。AA=で「Lucky Star」やってくれたもんね。「あれっ? これはもしかして……」みたいな。
ハヤシ あれ、うれしかったよねえ。しかもポリのカバーって、覚えるだけじゃなくて打ち込みもいちから作らなきゃいけないじゃん。「普通そこまでしますか」って思ったな。いやあ、ありがたい!
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違いはうるさいか、そんなにうるさくないか
和田ラヂヲ(マンガ家)
一日中テクノ
目覚めた時から眠るまで聴ける音楽は数少ないが、あんな感じやこんな感じのギューンギューンからピコピコまでの波状サウンドが詰まったアルバム。24時間テクノ。POLYSICSは生活の一部だ。
二日目のテクノ
まず思い出したのは二日目のカレーだ。角が取れ、ほどよく全てが溶け込んだやさしい感じ。初期のテクノPOPを思わせる心地よいサウンド。これもPOLYSICSの醍醐味で素敵だ。