ナタリー PowerPush - →Pia-no-jaC←

初ベストアルバム発売記念 HIROカホン講座&曲作りセッション

勇気を出して来てくれた人を全力で楽しませる自信がある

──ピアノの斜め弾きのように、魅せる要素というのは→Pia-no-jaC←にとって重要なポイントですよね。

HAYATO そうですね。僕らの場合、ライブというよりはショーに近い感じなんで。僕らのライブのお客さんって子供から年配の方まで、年齢層も幅広いんですよね。初めてライブハウスに来る人やライブ自体を初めて体験する人も多いと思うので、そういう人たちにもわかりやすく「ライブって楽しいんだよ」「ライブハウスって怖いイメージがあるけど全然そんなことないんだよ」って伝えて、不安を全部取り除いて一緒に楽しみたいんです。

──なるほど。

HAYATO →Pia-no-jaC←の曲はインストゥルメンタルで歌詞がないので、パントマイムを取り入れたりして誰もが楽しめるパフォーマンスを目指してます。ライブのたびにビデオ撮影して、終わったあとにみんなでチェックしながら伝わりにくいところを修正して次のライブに臨んでいて。「もっと楽しんでもらうにはどうしたらいいんだろう?」ってことは常に考えてます。

──確かに→Pia-no-jaC←のライブは、初めて1人で行ったとしてもライブの流れや雰囲気に巻き込まれて楽しくなれるものだと思います。

HAYATO ずっと言い続けてるんですけど、本当にみんなに僕らのライブを観てほしいんです。→Pia-no-jaC←はライブユニットだと自負しているので、いろんな人たちにライブに来てほしい。1人でも全然怖くないし、勇気を出して来てくれた人を、僕らは全力で思いっきり楽しませる自信があるので、1人でも多くの人に観てもらいたいですね。

ベストアルバムはこれまで歩んできた道を記したもの

──そして、デビューから3年にして、初のベストアルバム「First Best」がリリースされます。たった3年で6枚ものオリジナルアルバムをリリースしてきたことにも改めて驚きますが、それ以上に→Pia-no-jaC←ってリリースとライブツアーを交互に、ものすごい数をこなしてるというイメージがあって。

インタビュー風景

HAYATO 僕らからすると、もう3年経ったんだっていう感じなんですけどね。本当に早かったですよ。よく周りから「CDのリリースペースが速いですね」って言われるんです、僕らはデビューしてからずっとこのペースなんで。アルバムを制作してリリースして、そのCDを引っ提げて各地をツアーして、そのツアーの合間に次のアルバムを制作して、ずっとそれを繰り返してきたんです。だから、気が付けばあっという間に3年経って、次はもうベストアルバム。このベストアルバムはこれまでの3年間、僕たちが歩んできた道を記したものなんです。

──今作は2枚組で、Disc1にはオリジナルアルバムからの楽曲、Disc 2にはオリジナルアルバム未収録のコラボ楽曲や、コンピレーションアルバムに提供してきた楽曲がまとめられています。最初からこういうコンセプトでまとめようと考えていたんですか?

HAYATO 今までの→Pia-no-jaC←を全部詰め込もうっていうのがテーマで。特にコラボ楽曲やコンピレーションアルバムの曲って、僕らの曲1曲だけのためにCDを買えないって人もいるんじゃないかと思って。そこまで惜しむことなく全部詰め込んだら、本当のベストアルバムになると思ったんです。Disc1の曲に関してはリリースしてきた時系列順になっているので、レコーディングやツアーを重ねることで成長した面もわかってもらえるかな。なので、シャッフルせずにまずは1回通して聴いてもらえたらと思います。

──確かに、曲を追うごとに→Pia-no-jaC←のオリジナリティがどんどん強く出てきてる気がしました。

HAYATO 毎回アルバムを作るときのテーマが、「絶対新しいことに挑戦しよう」ってことなんです。だから今までの僕らにはないジャンルやリズムパターンを取り入れて、それを→Pia-no-jaC←流に解釈していく。さらに、お客さんにもわかりやすく、ライブで一緒に盛り上がるにはどうしたらいいんだろうっていうことを考えながら曲を作ってます。

3年前と今の違いがわかる新録曲「Jack 2011」

──本作唯一の新録曲「Jack 2011」は、一発録りのような仕上がりが印象的です。

HAYATO オリジナル作品ならではのエフェクトは使っているけど、僕らのレコーディングって一発録りで。それは演奏の空気感、臨場感をそのまま届けたいって思いからなんです。今回新録した「Jack 2011」はほぼエフェクトをかけない、そのままの生音ですね。どれだけテンポが走ろうがお互いのグルーヴが崩れなければいいと思ったし、今の→Pia-no-jaC←の勢いを感じてほしかったんです。「Jack 2011」はビデオクリップも作ったんですけど、それを観てもらったらよりわかりやすいんじゃないかな。

HIRO 原曲は3年前にリリースした1stアルバム「First Contact」に収録されていた「Jack」という曲なんですけど、そのアルバムに入ってるテイクとは全然違うものになってます。

HAYATO デビューアルバムの「Jack」と、今回の「Jack 2011」を聴き比べてもらったら、3年前の僕らと今の僕らの違いもわかりますし、どうやってここまでたどり着いたのかもわかりやすいと思います。

ベストアルバム「First Best」 / 2011年9月7日発売 / 3000円(税込) / Peaceful Records / XQIJ-1005

  • ベストアルバム「First Best」 / Amazon.co.jp
DISC 1 [Original]
  1. 組曲『 』
  2. うさぎDASH
  3. 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」第4楽章 / ベートーベン
  4. 小フーガ ト短調 BWV 578 / J.S.バッハ
  5. 台風
  6. 花火 ~HANABI~
  7. Time Limit
  8. 美しく青きドナウ / ヨハン・シュトラウス
  9. 交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」第4楽章(First Best Ver.) / ドヴォルザーク
  10. 残月
  11. The Last Resort
  12. 輪舞曲 ~Rondo~
  13. 熊蜂の飛行 / リムスキー=コルサコフ
  14. ジ・エンターテイナー / スコット・ジョプリン
  15. Jack 2011
DISC 2 [Compilation&Collaboration]
  1. メインストリート・エレクトリカルパレード [ディズニーランドR] / 「Disney Rocks!」より
  2. ミッキーマウス・マーチ [ミッキーマウス・クラブ]&星に願いを [ピノキオ] / 「Disney Rocks!!」より
  3. さらば愛しきストレンジャー / 「NOT JAZZ!! BUT PE'Z!!!」より
  4. Typhoon (DAISHI DANCE Remix) / 「PIANO project.」より
  5. Pulse of the earth / 「PIANO project.」より
  6. 夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2 / 「JAMMIN' with CHOPIN」より
  7. More SQ: クロノ・トリガー 風の憧憬 / 「More SQ」より
  8. Love SQ: ビッグブリッヂの死闘~妖星乱舞~片翼の天使 / 「Love SQ」より

ピアノスコア「→Pia-no-jaC← First Best」 / 2011年9月7日発売 / 2100円(税込) / シンコーミュージック・エンタテイメント / ISBN: 978-4401025084

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  • ピアノスコア「→Pia-no-jaC← First Best」

ピアノスコア「→Pia-no-jaC← Collaboration」 / 2011年9月7日発売 / 2100円(税込) / シンコーミュージック・エンタテイメント / ISBN: 978-4401025091

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  • ピアノスコア「→Pia-no-jaC← Collaboration」
→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)

ピアノのHAYATO、カホンのHIROにより2005年4月に結成されたインストゥルメンタルユニット。鍵盤を中心にしたシンプルな楽器編成ながら、ジャズともクラシックとも異なるエネルギッシュでオリエンタルなサウンドが、リスナーに強烈なインパクトを与えている。2008年の1stアルバム「First Contact」を皮切りに2年間で5枚のアルバムを立て続けに発表し、合計で45万枚のセールスを突破。国内外のフェス出演を含む、年間250本以上のライブを精力的に敢行している。2010年夏にはDAISHI DANCEとのコラボアルバム「PIANO project.」をリリース。さらに、同年8月発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。2011年1月には、クリエイティブディレクターの箭内道彦が手掛けるシューズブランド「ピーエフフライヤーズ」のCMソングに、アルバム「EAT A CLASSIC 3」の収録曲「ジ・エンターテイナー」を提供。同年4月からスタートした全国ツアー「Travellin' Band Tour 2011」のファイナル公演では、渋谷C.C.Lemonホールでのワンマンライブも実現した。なおユニット名は、左からピアノ、右からカホンと読むことができる。