ナタリー PowerPush - →Pia-no-jaC←

初ベストアルバム発売記念 HIROカホン講座&曲作りセッション

カホンの叩き方基本編

──では、今日からでもカホンを叩けるように、HIROさんから手ほどきを受けたいと思います。最初に基本的な叩き方を教えてください。

HIROのカホン講座

まず、真ん中を叩くと低い音が出ます。そこから端に行くにつれ、音がどんどん高くなっていきます。カホンはそれを使い分けて叩く楽器なんです。叩き方なんですけど、打楽器というのは基本的に力を抜いて叩くといい音が鳴るんです。カホンの場合は自分の腰よりも低い位置に打点があるから、どうしても力を入れて叩いてしまうんですね。どうやって力を抜くかというと、端の打面を叩くときは上のネジで留めてある部分を叩くと、力を抜いて叩きやすいんです。で、真ん中の打面はちょっと前のめりになりつつ、厚いところを力を抜いて叩いてあげると低い音が出やすいですね。この2つさえ覚えれば基本的なリズムが叩けます。

──今の話を聞いただけで「あ、いけるんじゃないか」って気がしてきました。

僕も初めそうでしたよ。本当に叩き方も何もわからない状態だったけど、「こう叩けば8ビートに近くなるんだな」っていうのを見つけてからはいろんな人とセッションして、今に至る感じで。どんな楽器とも合わせやすいし、しかもアコースティック楽器に非常に合う。そうやって、いろんな人と一緒に演奏して楽しむのが一番ですね。

──基本的な叩き方から発展して、いろいろバリエーションを付けていくにはどうすればいいですか?

HIROのカホン講座

8ビートを例に挙げると、最初はテンポをゆっくり、そこからどんどん速くしていって、さらに上の真ん中を叩いてあげると高くて細かな音が出る。そこをうまく使いながら手数を増やしていきます。で、カホンの側面も叩くんです。さらに、足も使います。このほかにも、ブラシを使うとハイハットに近い音が鳴ります。

──ドラムやパーカッションみたいなサウンドを、カホン1つで表現できるんですね。

できますね。打面は1つですが、叩く場所を変えるだけで全然違う音が鳴ります。

──しかも、思ってたよりも大きな音が出ますよね。

一番強く叩くとものすごい音が出ますよ。ストリートで遠くのほうでバンドが演奏してても、それにも負けないぐらいの生音を出せますし。

カホンの叩き方応用編

──→Pia-no-jaC←のステージを観ると、「あ、こんなこともできるんだ」ってカホンの可能性を強く感じます。

本当になんでもできる楽器だと思うんです。ブラシも最初はどう使っていいか全然わかんなかったんですけど、叩いてみたらいい音が鳴ったので使うようになったんです。ほかにもタンバリンやシェイカーも使えますし。

──自由度が高いんですね。

HIROのカホン講座

自由度も高いし受け皿も本当に広い楽器なんで、ドラムで使ってる奏法も使えますし、パーカッションのテクニックも取り入れやすいんです。

──なるほど。ちなみに→Pia-no-jaC←の曲をコピーする際に、オススメなのはどの曲ですか?

今度新録した「Jack 2011」はどうですかね? 曲の最初はカホンから始まるんですけど、その叩き方が結構面白くて、ゆっくり叩くと非常にシンプルなんです。1回ずつ、右手で真ん中を叩いて左手で上の端っこを叩く。そのあとに2回ずつ右右、左左で、真ん中を2回叩いて、側面を2回叩く。これを繰り返してビートを作ってるんですけど、テンポを速くして叩くとすごく臨場感あふれるリズムになるんですよ。面白いと思うんで、ぜひトライしてほしいと思います。

──今回学んだことから発展させて、自分流のバリエーションを加えた叩き方を見つけるのもいいかもしれませんね?

そうですね。生まれてからまだ新しい楽器なので、いろんな可能性が広がっているし、いろんなチャレンジもできると思います。そして、今僕が叩いているのは特別に作ってもらったライブ仕様のカホンなんですけど、今度HIROモデルのカホンの発売が決定しまして。僕のいろんなこだわりが採用されたモデルなんです。ボディと打面の間に隙間が空いているから、アタック音が普通のカホンよりも大きく出せたり、普通のカホンでは後ろに空いている穴がHIROモデルだと側面に空いてるので後ろも打面になったり。特にこのモデルは左右2つ穴で音の抜けが良いし。とにかくいろんなこだわりが詰まったカホンに仕上がってます。

──じゃあ、これから→Pia-no-jaC←をコピーしてみたい人にはうってつけですね。

はい。初心者から上級者まで、いろんな人にオススメのカホンになってますので、ぜひチェックしてみてください。

ベストアルバム「First Best」 / 2011年9月7日発売 / 3000円(税込) / Peaceful Records / XQIJ-1005

  • ベストアルバム「First Best」 / Amazon.co.jp
DISC 1 [Original]
  1. 組曲『 』
  2. うさぎDASH
  3. 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」第4楽章 / ベートーベン
  4. 小フーガ ト短調 BWV 578 / J.S.バッハ
  5. 台風
  6. 花火 ~HANABI~
  7. Time Limit
  8. 美しく青きドナウ / ヨハン・シュトラウス
  9. 交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」第4楽章(First Best Ver.) / ドヴォルザーク
  10. 残月
  11. The Last Resort
  12. 輪舞曲 ~Rondo~
  13. 熊蜂の飛行 / リムスキー=コルサコフ
  14. ジ・エンターテイナー / スコット・ジョプリン
  15. Jack 2011
DISC 2 [Compilation&Collaboration]
  1. メインストリート・エレクトリカルパレード [ディズニーランドR] / 「Disney Rocks!」より
  2. ミッキーマウス・マーチ [ミッキーマウス・クラブ]&星に願いを [ピノキオ] / 「Disney Rocks!!」より
  3. さらば愛しきストレンジャー / 「NOT JAZZ!! BUT PE'Z!!!」より
  4. Typhoon (DAISHI DANCE Remix) / 「PIANO project.」より
  5. Pulse of the earth / 「PIANO project.」より
  6. 夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2 / 「JAMMIN' with CHOPIN」より
  7. More SQ: クロノ・トリガー 風の憧憬 / 「More SQ」より
  8. Love SQ: ビッグブリッヂの死闘~妖星乱舞~片翼の天使 / 「Love SQ」より

ピアノスコア「→Pia-no-jaC← First Best」 / 2011年9月7日発売 / 2100円(税込) / シンコーミュージック・エンタテイメント / ISBN: 978-4401025084

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  • ピアノスコア「→Pia-no-jaC← First Best」

ピアノスコア「→Pia-no-jaC← Collaboration」 / 2011年9月7日発売 / 2100円(税込) / シンコーミュージック・エンタテイメント / ISBN: 978-4401025091

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  • ピアノスコア「→Pia-no-jaC← Collaboration」
→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)

ピアノのHAYATO、カホンのHIROにより2005年4月に結成されたインストゥルメンタルユニット。鍵盤を中心にしたシンプルな楽器編成ながら、ジャズともクラシックとも異なるエネルギッシュでオリエンタルなサウンドが、リスナーに強烈なインパクトを与えている。2008年の1stアルバム「First Contact」を皮切りに2年間で5枚のアルバムを立て続けに発表し、合計で45万枚のセールスを突破。国内外のフェス出演を含む、年間250本以上のライブを精力的に敢行している。2010年夏にはDAISHI DANCEとのコラボアルバム「PIANO project.」をリリース。さらに、同年8月発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。2011年1月には、クリエイティブディレクターの箭内道彦が手掛けるシューズブランド「ピーエフフライヤーズ」のCMソングに、アルバム「EAT A CLASSIC 3」の収録曲「ジ・エンターテイナー」を提供。同年4月からスタートした全国ツアー「Travellin' Band Tour 2011」のファイナル公演では、渋谷C.C.Lemonホールでのワンマンライブも実現した。なおユニット名は、左からピアノ、右からカホンと読むことができる。