夢を叶える集団と一緒に、みんなが夢だと思うことを実現したい

──年末に東京、大阪で開催されるドーム公演ではどんなことをしたいかなど、すでに考え始めてますか？

かしゆか　そうですね。セットリストとかはもう考えてます。

あ～ちゃん　演出とかについては、今はまだ夢だけを語っています（笑）。で、その夢がどのぐらい本当に実現できるものなのかを練っていただいてるところですね。例えばカンヌやヨーロッパツアーでやった衣装に模様をつけるプロジェクションマッピングって、機材から近くないとできないので、ライブハウスだからこその演出だったんですよね。それを世界に持って行かせてもらえたことはすごく光栄だったんですけど、ドームでやるのは難しかったり。その代わり国内ならいろいろ持ち込めるし、せっかく大きい会場なので夢を詰め込みたいです。

──それは楽しみですね。

あ～ちゃん　前回の東京ドームで「ジェニーはご機嫌ななめ」のときにリフトで高いところに上がったのも、すごくやりたいと思ってたことなんですよ。「あの大好きなアーティストが私の席のすぐそばまで来てくれた、すごくうれしかったあのときの私の思い……。もし同じように私に対して夢を抱いてくれる人がいるのなら、叶えたい」みたいな。あの日はそう思って高いところに上がらせてもらったんですよね。まあ、私の台だけ上がらないというハプニングがありながらも、2番を歌う頃にはちゃんと上がれたのでよかったです（笑）。

──そんなこともありましたね（笑）。

あ～ちゃん　ライブって夢が叶う場所でもあると思うんです。ステージでの夢はまだたくさんあるので、今回もそれをまた叶えていきたいですね。

──ICCでやっているライゾマティクス展で「Spring of Life」の衣装が並んでいるのを見たんですが、最初のPV撮影時の衣装には背中に大きな機械と太いケーブルが付いているのに、同じ年の紅白歌合戦の衣装はワイヤレスで、機械もコンパクトになって普通のドレスと見た目が変わらないんですよね。こんなスピードで進化しているのなら、きっと今回の演出は前回の東京ドーム公演とは比較にならないくらいすごいんだろうなと思いました。

あ～ちゃん　うん、そうですよね。「もう誰かに明かりで照らしてもらうんじゃなくて、自分で光っちゃおうよ、自分が光れたらカッコいいよね」みたいな話をしたって、普通に考えたらそんなの夢のまた夢みたいな話じゃないですか。なのにそれがもうできちゃっていて。せっかく夢のようなことを叶えてくれる集団と一緒にやらせてもらえてるので、みんなが夢だと思うようなことを実現、具現化したいですよね。

じゃあやりましょう

──それでは最後に、ドーム公演への意気込みを教えてください。

かしゆか　3年前の東京ドーム公演は1日だけだったけど、今回は4日間あるのでしっかりと楽しみたいですね。前回は緊張が全面に出てたし、「覚悟しなきゃいけない」みたいな気持ちをすごく背負い込んでたので。今度は「ライブって楽しいね」っていう感覚をもっとちゃんと楽しみたいなって思ってます。やっぱり私たちはお客さんとの一体感が楽しくてライブをやっているところがあるから、その感覚を忘れずに4日間ライブをやりたいです。

あ～ちゃん　意気込みかあ……。たくさん取材をしていただいて、どの方も「世界へ飛び立ってレベルアップしたPerfumeさん、次はどんなライブを展開してくれるんですか？」みたいな、なんかすごく大きいことを言ってくださるんですよ。でも実際のところは、うちら自身は全然変わってなくて。

──いやいや、そんなことはないと思いますけど（笑）。

あ～ちゃん　ふふふ（笑）。いや、本当にありがたいんですよ。ライブハウスですら単独でやれるなんて思ってもらえなかった、期待さえもしてもらえないのが当たり前の時期があったから、みんなから期待をしてもらえることが本当に幸せで。今は4DAYSのドーム公演をやれるだろうとみんなが期待してくれて、そこに来たいと思ってくれる人がたくさんいる。そんな状況になったのはすごくありがたいことで。これからもたくさんの人から期待してもらえるアーティストであり続けるためにも、みんなの中のPerfumeが更新できるライブになったらいいなって思います。

のっち　海外ツアーをやったり、いろんなところに広くPerfumeが進出してるぶん、私は逆にファンの方に深く楽しんでもらいたいなっていう気持ちが強くなってきてるんです。

──なるほど。

のっち　「ポイント」って、もともと今回のアルバムに収録される予定じゃなかったんですけど、私はすごく好きな曲なんですよ。やっぱり、私たちにとって日本は帰ってくる“ポイント”だし、その“ポイント”にいる人たちに楽しんでもらうために活動してるつもりなんです。この曲にはそういう思いが込められてる気がしてて。だからドームに来てくれる皆さんのことは、私たちの力をもって楽しませられないわけがないとも思ってます。

あ～ちゃん　「ポイント」があとから急に入ることになったのは、中田さんから「こんなにいい曲もあるよ！ 忘れないで！」って言われてるような感じだったよね。「あ、そうでしたね。でも実はこれ、ライブでは全然パフォーマンスしてないんですよ」みたいな（笑）。

のっち　じゃあやりましょう（笑）。

──おお！

のっち　だって今やらんと……。

あ～ちゃん　もうやるときないじゃろうね（笑）。いい加減やるじゃろうって、たぶんファンの人も思ってくれてるんじゃないかな（笑）。