「ONE OK ROCK大好きです！」と言ってくれるのがいまだに信じられない

──今Takaさんが口にした「後退しない」というのは、これまでのONE OK ROCKの活動で実証されている部分でもありますね。バンドが後退しないように何を考えているか、具体的に教えていただけますか？

Taka　僕ら「ONE OK ROCKで何をしたいか」よりも「ONE OK ROCKが何をしたいか」を考えてるんです。自分がONE OK ROCKに入って何をするかっていうことではなく、ONE OK ROCKっていう1つのバンドが一体何をすべきか、が基準。そこがズレてると、みんな違う人間だからバラバラの方向に行ってしまうと思うんです。だからONE OK ROCKっていうバンドを客観的に見ながら、どういうことをすべきかって考えるようにしてます。

──常にバンドを客観的に見るように意識してるんですか？

Taka　というか、そうせざるを得ない部分もあるんです。だって、ONE OK ROCKの一員としてステージに立って、そこにお客さんが集まってくれることも、ドキュメンタリーに映ってるようにファンの方が外で「チケットないんです」とか「ONE OK ROCK大好きです！」とか言ってくれることも、いまだに信じられないんですよ。本当に実感がない、他人のことを見てる感じ。そのぐらいONE OK ROCKの中で物を考えてないっていう、不思議な感覚なんですよね。

──それは興味深いですね。

Taka　どうしても人間っていろんなことを成功させていくと「俺がここまでやったんだ」っていう自意識が芽生えると思うんですけど、僕らは逆に今の感覚がすごく良いと思うんです。だから横浜アリーナも「俺ががんばったからあそこに立てた」じゃないんですよ。

──というと、なぜONE OK ROCKは横浜アリーナに立てたのだと思いますか？

Taka　さっきの半分ずつ重なり合ってる話にも通じますけど、この4人が出会って、バンドをやれてるのは、本当に奇跡だと思うし。1人ひとり全員ががんばったからあそこに立てたとしか言いようがないですね。僕らはむしろこの考えのままでいたいっていうか、そういう状態でずっとバンドをやれたらいいなって思います。

ONE OK ROCKの強みは「この4人であること」

──日頃からバンドを外から見るよう心がけているという皆さんに、“ONE OK ROCKの強み”を伺いたいんですが。

Taka　やっぱりこの4人でやっていることですかね。言ってしまえば4人じゃないときも経験してるから、それはすごく感じます。

Toru　俺も、今の場所が自分の一番やりやすいところでもあるし、一番ストレートに突っ走れるところだし、ONE OK ROCKの音楽っていうのを作り上げていけるメンバーだと思うんです。それはもしかしたら強みかもしれないですね。単純にみんなで楽しめて、一生懸命できて、いいものが作れるっていうのはベストなんじゃないかなって。だから、そこから発信する音楽を聴いて、人に何か感じてもらえるのはすごいうれしいです。

Ryota　僕もこんなふうにストレスもなく、楽しい環境で好きに音楽を作れてるバンドってなかなかなさそうな気がする。周りのバンドからも「お前ら仲良すぎやろ」って言われるくらいだし、特徴なのかなって。ずっと毎日一緒にいるから、ある程度何考えてるのかもわかるんです。やっぱりその雰囲気が出てるのかもしれないですね。

──その絆の深さがあるからこそ、今までの曲ができたっていう部分も？

Ryota　仲悪かったらやっていけないと思うんで、今までの曲なんてないでしょうね（笑）。

Tomoya　それかめっちゃ暗くなってる。

Taka　いじけだして変な曲作ったりして。

Toru　歌詞ないとかな（笑）。

──Tomoyaさんはどうですか？

Tomoya　やっぱりみんながONE OK ROCKに対して100％の力で身を投げ出せるくらい本気を出してることだと思います。

──それはライブに来るお客さんにも少なからず伝わってると思います？

Tomoya　そうですね。ライブってすごくリアルなものだから、その楽しい雰囲気が出てると思うし、俺らの100％楽しんでる状況を見たらお客さんも楽しくなるんじゃないかなと。レコーディングとかではつらい時期もありますけど、全然苦ではないんですよね。それを乗り越えたときの達成感もあるし、全部ひっくるめて超楽しいです。