ONE N' ONLY「YOUNG BLOOD」インタビュー|覚醒したダークヒーロー 無限の可能性に沸き立つYOUNG BLOOD

ONE N' ONLYが2月16日に1st EP「YOUNG BLOOD」をリリースした。

SNSを中心に、大きく人気と知名度を広げた2021年を経て、ワンエンが2022年最初の作品として世に放つ「YOUNG BLOOD」。表題曲はワイルドなサウンドが特徴のアッパーチューンで、リリックには無限の可能性に心と体を躍らせる6人の情熱が、勢いそのままに詰め込まれている。

表題曲のほかにも初披露時からファンの心をつかんだ「What's Your Favorite?」や、初めてメンバー全員で作詞に参加した「STARLIGHT ~未来ノトビラ~」など、注目の楽曲が収められた本作のリリースを記念し、音楽ナタリーではメンバーにインタビューを実施。作品に込めた熱い思いを聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬

ひさびさに「ザ・ワンエン」と言えるものを持ってきました

──ワンエンの2022年のスタートを飾る作品として、「YOUNG BLOOD」が完成しました。

HAYATO 2021年は配信リリースが多くて、TikTokで一緒に踊ってもらうために作った「Video Chat」だったり、ポルトガル語で歌う「L.O.C.A (PT-BR ver.)」だったり、いい意味でいつものワンエンとは違った一面を見せるものだったと思うんです。2022年1発目の作品として、ひさびさに「ザ・ワンエン」と言えるものを持ってきました。去年からの自分たちの勢いをさらに加速させたいという思いから、タイトル曲の「YOUNG BLOOD」はかなり強い楽曲になっているし、僕たちの思いがこもった作品になったと思います。

──その思い入れについて、具体的に教えてもらえますか?

HAYATO 皆さんに“円盤”で作品をお届けできるのが、「ON'O」(2020年4月リリース)以来、約2年ぶりなので。僕らの作品をひさびさに手に取っていただけることがうれしいんです。「ここは一発、勝負かけたいよね」という思いから、ワンエンらしい勢いのある楽曲で攻めていこうということになりました。

KENSHIN 去年はTikTokなどで注目していただけたこともあって、そのときどきの僕らに合った曲を配信していたんですけど、そうすることでほかのアーティストさんとは違う道を進むことができた感覚があるんです。自分たちだけの武器を持てたと思うので、ここでもう一発、「YOUNG BLOOD」で爆発的にいきたいなという思いはやっぱり強いですね。

──やっぱり、フィジカルリリースは感覚的に違うものがありますか?

HAYATO もちろん配信には配信のよさがありますけど、やっぱり形に残したいという思いもありますね。去年配信でリリースしてきた曲も1st EPの「YOUNG BLOOD」には収録されているので、そこもポイントかなと思います。

──皆さんの強い思いは今作のビジュアルにも表れているというか。先程撮影していても、すごいインパクトだなと思いました。

EIKU 衣装、すごい派手ですよね。

TETTA 中でもHAYATOのアウターがすごいね。水色のファーっていうのがめちゃくちゃ強い。

KENSHIN NAOYAくんのヒョウ柄も新鮮。あとREIくんの蛍光イエローも。

HAYATO 全体的にペイントやクラッシュ加工が施されているアイテムを取り入れているので、“YOUNG感”というか、やんちゃな雰囲気が出ていると思います。楽曲ともめちゃくちゃ合ってるので、いいなと思いますね。

HAYATO

HAYATO

NAOYA

NAOYA

今の僕たちにとって、共感できるフレーズばかり

──表題曲「YOUNG BLOOD」はすごくパワフルなヒップホップ調のトラックに強気な言葉が並んでいて、皆さんがおっしゃるようなワンエンの今の勢いがそのまま注ぎ込まれているように感じました。

REI メッセージがはっきりしていてわかりやすいですよね。今までも僕らは「I'M SWAG」や「Dark Knight」「Category」といったシングルの表題曲でメッセージ性の強い曲を出してきたけど、「YOUNG BLOOD」にもそれらと同じような力強さがあると思います。この曲だったら勝負ができるというか、ワンエンの曲だとしっかりわかってもらえる曲だなって。

KENSHIN 今回もJUNEさんが作詞してくださったんですけど、やっぱり僕たちの気持ちをすごくわかってくれているんだなと思いました。今の僕たちにとって、共感できるフレーズばかりで。

NAOYA もらった歌詞を読んだとき、僕は「ワンエンの勢いを見せてやれ」というようなメッセージをJUNEさんからもらったような気がしました。だから今は本当に、早くみんなに見てもらいたい、見せつけたい!という気持ちなんです。去年はいい意味で僕たちらしくない楽曲を発表することが多かったから、そこではできなかった表現を「YOUNG BLOOD」で思い切りかましたい!という思いがあります。

一同 そうだね。

──歌詞の中で、皆さんが特に共感したフレーズがあれば教えてもらえますか?

REI 僕は、自分が歌っている「Follow me follow me oh I'm pioneer pioneer」。「俺たちが先駆者だ、付いて来い」という強気な思いを歌っている部分なんですけど、J-POPとK-POPをかけ合わせた“JK-POP”を掲げてグループ名の通り唯一無二の楽曲を届けてきたという自負があるからこそ、こういう歌詞が出てきたと思うんです。SNSやYouTubeでもらう海外からのコメントでも「ほかの人たちとはやっていることが違う」と言ってもらうことが多いんですけど、そういう僕らの生き様みたいなものがメッセージとして強く残る部分だと思うので、歌っていても自然に強く気持ちが入りましたね。

REI

REI

──「Follow me」というフレーズはSNSでの「フォローする」という行動にもかかっていて、「おっ」となりました。

REI そうなんですよ。

KENSHIN 僕は「ブレーキはNo need」っていうところがめちゃくちゃワンエンらしくてワイルドだなと思います。「トップ獲るぞ!」という思いがすごく込められてると思います。あと、2番の僕のラップパートなんですけど「Meter 壊れるまで前進 この場所を隅々までPainting 熱気で」も、前向いて行くぞっていう思いが出ていてすごくパワフルだなと思う。

TETTA 歌い出しの「Spotlight下で騒ぐ Young blood」も、「自由に騒いで俺たちの世界を作っていこうぜ」みたいな雰囲気があって好きだな。あとは「走れば走るほど胸の炎は暴れ出す」というフレーズ。止まることなく前進していく今の自分たちを表しているし、踊っていても気持ちがより一層入るんですよ。

HeroよりVillain

EIKU 僕はサビを歌っているんですけど、サビの「あとはない Head up head up」が表している「上しか見ていない」というメッセージは自分たちがすごく共感できる部分だなと思っています。2022年、この曲でスタート切って走り続けていくぞと。歌いながら僕1人で踊る振りもあるんですけど、そこはすごく思いが乗って気持ちいいですし、みんなを圧倒できるくらいのパワーを伝えたいなって。

HAYATO 自分が特にいいなと思ったのは、KENSHINパートの「呼吸する間も無く変わる Trend setter 時代追わなくても話題Maker」ですね。今の音楽業界もそうだけど、本当にトレンドの移り変わりが早いなと身をもって感じるんです。だけど、俺らは時代を追わなくても話題が作れるよっていう……時の流れに対しても強気に言えちゃうような自信も、今のワンエンのムードと通じているよなって思います。ここは特に俺たちの強気な部分、意気込みが込められていると思う。

NAOYA 僕は、「HeroよりVillain」っていうところが自分たちらしいなと思います。昨年末に真っ白の天使みたいな衣装で「We Just Don't Care」を発表したと思ったら、一気に裏切っていくという(笑)。そのすぐあとに出てくる「この好き勝手な先駆者」の自信たっぷりな感じも僕たちらしくて、すごく好きですね。

──JUNEさんがONE N' ONLYをヴィラン(悪役)だと捉えているのが興味深いですし、これを受けた皆さん自身がどう思ったのかも気になっていました。ヴィランと呼ばれるほうがしっくり来る……?

NAOYA これまでにやってきた楽曲が、どうしても“ヴィラン寄り”だからね。

REI 「Dark Knight」や「Category」みたいな、ダークでエッジィな曲をこれまでやってきたから、っていう部分が大きいんだよね。

TETTA そうそう。だから表現しやすいし、イメージが湧きやすいんです。

TETTA

TETTA

EIKU

EIKU

歌い方も声質も、パートによってめちゃくちゃ変えてる

──ワンエンの強気なアティチュードが隅々まで込められた「YOUNG BLOOD」ですが、ラップパートの言葉の区切り方が独特だったり、歌唱の難易度が高いよなと感じました。

HAYATOKENSHIN そうなんです。

──リリックに込められた力強さや熱さをしっかりと歌に乗せつつ、この曲を歌いこなすのは純粋に技術の要ることなんじゃないかなと。

KENSHIN 僕は2番の「Meter壊れるまで前進」のパートに苦戦しました……。HAYATOの強いラップとは対照的に自分はメロウなラップをやることが多いんですけど、このパートみたいな激しいラップもやらせてもらえるようになって。ただ、1番の自分のパートとは歌い方が正反対なので、時間をかけて、何度も録り直しをしました。「YOUNG BLOOD」のメッセージをすごく伝えられる部分でもあると思うし、とにかく思いを込めてやりましたね。

KENSHIN

KENSHIN

HAYATO 僕らの曲の中で、ラップパートは特に“引っかかり”になってほしいという思いがあるから、抑揚やグルーヴの流れを細かく計算して歌っているんです。自分が特に意識したのは1番冒頭の「言葉をその耳にTang! tang! tang!」というフレーズ。「Tang! tang! tang!」の部分はトラックも一瞬オフになるので、インパクトを重視しましたね。その直後の「撃つ」の言い方も、銃を撃っている感じを表現したくて、タイトに歌ってみました。あと、ラストサビの「一度きりのLife」からはKENSHINが低音、僕が高音でラップしているんですけど、裏返るギリギリの声でやるとハマりがいいし、最近は高音ラップをやる人も増えてるので、そういうムーブメントも意識しました。なので、歌い方も声質も、パートによってめちゃくちゃ変えてるんですよ。かなり細かいところまでこだわっているので、じっくり聴いてもらえたらうれしいな。

NAOYA 僕は2人とは違って、強さよりも不気味さを意識したんです。自分のパートが2番の歌い出しなので、ガラッと雰囲気を変えたい思いもあって。最初は息を多めに発して、そこから一気にのぺーっとさせてみたり……すごくこだわりました。