音楽ナタリー Power Push - 大原櫻子

歌に演技に全力投球!10代最後の夏

大原櫻子が3rdシングル「真夏の太陽」をリリースする。

2015年上半期の彼女は、初めて作詞に挑戦した2ndシングル「瞳」とバラエティに富んだ楽曲群を詰め込んだ1stアルバム「HAPPY」のリリース、そして初の全国ツアー「1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSÖÖÖÖM!!!~」の開催などアーティストとして大きなステップアップを果した。また、音楽活動と並行して続けている女優業でも、現在放送中のフジテレビ系月9ドラマ「恋仲」に出演するなど、着実にキャリアを重ねている。

来年1月10日に二十歳の誕生日を迎える大原櫻子にとって10代最後となるこの夏。今回のインタビューでは、“音楽のこと”“女優のこと”、そして“二十歳を目前にした自分のこと”について、今のリアルな思いを語ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 須田卓馬

振れ幅は大きい方が楽しい

──まずはアーティストとして、この半年を振り返っていただけたらと。

大原櫻子

この上半期の活動を通して、応援してくださる方の層がけっこう変わったんですよ。今年1月にリリースした2ndシングル「瞳」がサッカーの応援ソング(第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌)になったこともあり、ライブに来てくださる男性の方が増えたんです。男性が増えると盛り上がり方がちょっと変わる感じもあるので、自分としてもライブの楽しみ方が変化したところもあって。あとは初のアルバム「HAPPY」をリリースできたこともすごく大きな出来事だったと思います。

──1stシングル「サンキュー。」リリース時のインタビュー(参照:大原櫻子「サンキュー。」インタビュー)で、今後どんな曲にトライしたいかという質問に対し、「なんでも歌ってみたいです!」と答えていましたよね。その思いがアルバムではしっかり具現化されていたように思います。

はい。同じようなジャンルは一切なく、毛色の違った曲ばかりを歌わせてもらうことができたので、シンガーとしてすごくいい経験になったなって。勉強にもなりましたね。

──その経験を経て、改めて大原櫻子として歌ってみたいものが明確になったりは?

アルバムには「ワンダフル・ワールド」というちょっと大人っぽい、背伸びをするような曲があって。そういう雰囲気は今後も挑戦していきたいなって思いましたね。と同時に、「のり巻きおにぎり」みたいな心がほっこりする曲も、もっともっと歌いたいなって。真逆なテイストではあるんですけど(笑)。

──そこはやっぱり1つのジャンルに固まるよりは、いろんなテイストを飲み込み、表現していきたい気持ちが強いんですね。

そうですね。振れ幅は大きい方が楽しいと思うし、自分の中の引き出しはたくさん持っていたほうがいいだろうなって。そうした上で、例えば自分の原点でもある「明日も」のような明るくて前向きな曲をまた歌うときに、きっとそれまでとは違った表情が生まれるんじゃないかなって思ったりもするんです。

「やっぱライブだな!」

──さまざまな楽曲を歌うことでの成長はきっとあるはずですもんね。そういう意味で言うと、この上半期だけでもご自身の成長を実感するところもあるのでは?

いい意味で自分を客観的に見られるようになってきた気がします。あとは初めてのツアーを通して、パフォーマンス的な部分でのお客さんとのコミュニケーションの仕方も、自分なりにつかめた感じがします。それを成長と受け取ってもらえたらうれしいんですけど。

──自分を客観的に見られるようになったというのは、「ソロアーティスト大原櫻子とはこうあるべき」というものを俯瞰で眺められるようになったということ?

それもあるかもしれないんですけど、なんていうか、ちょっと冷静になれるところが出てきたような気がするんですよ。今まではステージに出ると頭が真っ白になっちゃうことが多かったんですけど、今は落ち着いて、その場で生まれるコミュニケーションを大切にできるようになったというか。だからこそMCで思ったことをちゃんと言えるようにもなりました。その上で、まだまだだなって改めて思うところもありますけど。

──1stツアーを経て、ライブに関して思う今の課題ってどんなものですか?

大原櫻子

課題だらけです(笑)。この間aikoさんのライブを観させていただいたんですけど、お客さんとの距離感が絶妙なんですよ。そこで生まれる一体感のすごさは、やっぱりさすがだなって思いました。あと、いきものがかりさんのライブを観させていただいたときに感じたのは、ライブ全編を通してちゃんとエネルギーをコントロールされているなっていうことで。私の場合、うまくコントロールできずに、ライブの途中でへとーって息切れしちゃうこともあって。それじゃダメだなって思うんですよね。いろんな方のライブから学ばせていただいてます。

──生で歌を届けることへの意識はより高まっている感じですね。

はい。「やっぱライブだな!」って改めて思うようになりました。今までもいろんな方々に出会えるライブという場所はすごく大事にしてきましたけど、その気持ちがより強まってますね。とにかく楽しい場所なので。

──大原さんの場合、レコーディングもすごく楽しんでいる印象もありますけどね。

レコーディングはアットホームな感じでやらせていただいてるので、そっちももちろん楽しいです。ライブとはまた違う、モノ作りの楽しさっていうんですかね。自分の思い描く完成形に近付けていく喜びがあるので。私の理想にハマるものを作ってくださる亀田(誠治)さんとのやりとりも、どんどん楽しくなっています!

ニューシングル「真夏の太陽」 / 2015年7月22日発売 / Victor Entertainment
初回限定盤A [CD+DVD+フォトブック] / 1944円 / VIZL-860
初回限定盤B [CD+DVD] / 1620円 / VIZL-861
通常盤 [CD] / 1296円 / VICL-37117
CD収録曲
  1. 真夏の太陽
  2. Glorious morning
  3. My Way
  4. 真夏の太陽(instrumental)
  5. Glorious morning(instrumental)
  6. My Way(instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
  • 真夏の太陽(Music Video)
  • Glorious morning(Music Video)
  • メイキング
初回限定盤B DVD収録内容
  • My Way(Music Video)
  • Glorious morning(Live ver.)
ライブBlu-ray / DVD「1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSÖÖÖÖM!!!~」 / 2015年7月22日発売 / Victor Entertainment
[Blu-ray Disc] 4536円 / VIXL-155
[DVD] 4320円 / VIBL-789
収録内容
  1. Over The Rainbow
  2. 頑張ったっていいんじゃない
  3. 無敵のガールフレンド
  4. オレンジのハッピーハロウィン
  5. ワンダフル・ワールド
  6. 明日も
  7. ただ君のことが好きです
  8. のり巻きおにぎり
  9. 卒業
  10. READY GO!
  11. Happy Days
  12. ちっぽけな愛のうた
  13. サンキュー。
大原櫻子(オオハラサクラコ)

大原櫻子

1996年生まれ。映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場した3人組バンドMUSH&Co.のボーカルとして、2013年12月に劇中から飛び出しデビューシングル「明日も」をリリース。2014年3月から3カ月間、ニッポン放送「大原櫻子のオールナイトニッポン0」でレギュラーパーソナリティを務めたほか、7月期のフジテレビ系ドラマ「水球ヤンキース」でヒロインを演じるなど女優としても活躍の場を広げる。同年11月にソロ名義の1stシングル「サンキュー。」を発表。2015年1月発売の2ndシングル「瞳」は「第93回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌に採用された。同年3月に1stアルバム「HAPPY」を、6月に3rdシングル「真夏の太陽」とライブDVD / Blu-ray「1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSÖÖÖÖM!!!~」を発表。7月に3rdシングル「真夏の太陽」をリリース。また7月より放送中のフジテレビ系連続ドラマ「恋仲」に出演している。