音楽ナタリー Power Push - 小倉唯

今の私にできる“最高に刺激的なこと”

小倉唯の7枚目のシングル「Future Strike」がリリースされた。今作の表題曲は現在放送中のテレビアニメ「ViVid Strike!」のオープニングテーマ。架空の総合格闘技を通じて、数奇な運命を辿った2人の少女のすれ違いと友情を描くアニメに寄り添った攻めっ気の強いロックチューンだ。

小倉がシングル表題曲のジャンルにロックをセレクトするのは2012年のデビュー曲「Raise」以来。しかも彼女は今作のミュージックビデオでハードな殺陣を披露しており、公開時にはSNSを中心に大きな反響を呼んでいる。彼女曰く“刺激的な”この楽曲と映像はいかにして生まれたのか? 話を聞いた。

取材・文 / 成松哲

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ロックチューンを“たぐり寄せているのかもしれない”

──今回のシングル「Future Strike」にはいろんな意味でビックリしました。なので今回はそのいろんなビックリについてお話を聞かせてください。

はい。

──ではまず最初のビックリから。地元・群馬の凱旋公演を含めた1stソロツアーを終えて(参照:小倉唯1stツアー千秋楽、地元凱旋公演で「みんなと幸せを共感できました」)、小倉さんは次に何をするんだろう?と思っていたところに届いたのが、シングル表題曲としては2012年のデビュー曲「Raise」以来のロックチューンだったことには驚かされました。2ndシングル「Baby Sweet Berry Love」以降、シングル曲はかわいらしいナンバーが続いてましたし。

「今回こういう曲調にしよう」というのは、最初の打ち合わせのときに決めていたので、ロックな曲が届くんだろうな、という予想は立っていたんですけど、仮歌の音源を最初に聴いたときは私自身鳥肌が立ちました。「Raise」以上に強さを秘めた曲だったので、「すごくいい曲に出会えた」という衝撃プラス、「『Raise』のときから進化した小倉唯を見せなきゃいけない」「失敗できない」というプレッシャーがあって。

──ただ今の言葉の通り、そのロック系の楽曲を歌うことは小倉さんのアイデアでもあるわけですよね。

小倉唯

そうですね。どこかのタイミングでシングルの表題曲としてカッコいい曲に挑戦できるといいなと思っていたところに、格闘技を軸に据えたアニメである「ViVid Strike!」のオープニングテーマを、というお話をいただいたので「ここしかない」という感じで提案させていただきました。

──「ハードな曲を改めて歌ってみたいな」と思っていたら、ちゃんと「ViVid Strike!」というアクションアニメのテーマソングのお話が舞い込んできた。ある意味 “持っている”というか。

自分でもちょっと怖いです(笑)。

──あっ、自力でチャンスをたぐり寄せている感触はない?

「たぐり寄せているのかもしれない」くらいの感覚ですね。「こういう曲を歌えたらいいな」「こういうキャラクターを演じられたらいいな」と、なんとなくふわっとイメージを抱いているだけだったりするので。でもそうやって思ったり願ったりしていると叶うことが多いんですよね。ふわっとでもいいからイメージしておくことは大事なのかな?とは思ってます。

強い曲を歌うべき人と歌うための資格

──で「Future Strike」の次のビックリは歌詞です。小倉さんの過去のタイアップソングはどれもアニメの物語と同時に小倉唯の物語にも寄り添っていた。「城下町のダンデライオン」のエンディングテーマだった「Honey♥Come!!」だって、なんで“ハニカム”ってタイトルなのか?と言えば、作詞家の大森祥子さんがいつも“はにかんでる”小倉さんの姿から着想を得たからだったわけですし(参照:小倉唯「Honey♥Come!!」インタビュー)。

そうですね。

──でも「Future Strike」は小さい頃は常に一緒だった2人がなんらかの事情で離ればなれになって、年月を経たのち、あまり望ましくない形で再会すること、そしてその状況を打開することを歌っている。おそらく小倉さんの実体験には寄り添っていない、「ViVid Strike!」の物語や世界を紹介することに徹した“アニメソング”ですよね。

確かに「小倉唯ってこんな歌も歌うんだ!」と衝撃を受ける方もいるかもしれないし、実際、レコーディングのときは作品のことだけを思い浮かべて歌ってはいるんですけど、こういう強い曲って、歌う人間も強い意思を持っていないと表現しきれないと思うんですよ。

──そうかもしれませんね。そういう意味では小倉さん自身の強さを表明する曲でもある?

はい。私は「ViVid Strike!」に声優として出演していて、演じているリンネ(・ベルリネッタ)は強いファイターではあるんですけど、弱い部分があるからこそ強くいなきゃっていう強迫観念に囚われている女の子でもあって。そういう空回った強さだったり、弱さが見える強さだったり、切ない強さだったりっていうのは、自分の中に心当たりがないと表現できないものだと思うんです。だから歌詞の世界を表現するにあたってすごく悩んだとか、大変だったということはなかったですね。

ニューシングル「Future Strike」 / 2016年11月2日発売 / KING RECORDS
期間限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / KICM-91724
通常盤 [CD] / 1296円 / KICM-1725
CD収録曲
  1. Future Strike
  2. winter tale
  3. Future Strike(off vocal ver.)
  4. winter tale(off vocal ver.)
期間限定盤DVD収録内容
  • 「Future Strike」MUSIC VIDEO
  • MAKING

テレビアニメ「ViVid Strike!」

テレビアニメ「ViVid Strike!」

TOKYO MX:
毎週土曜日 24:30~25:00

MBS:
毎週土曜日 26:28~26:58

群馬テレビ:
毎週土曜日 24:30~25:00

とちぎテレビ:
毎週土曜日 24:30~25:00

BS11:毎週土曜日 24:30~25:00

AT-X:毎週水曜日 24:30~25:00

小倉唯(オグラユイ)

1995年群馬県生まれの声優、アーティスト。2009年に14歳で声優デビューし、2011年「神様のメモ帳」のアリス役、「ロウきゅーぶ!」の袴田ひなた役で大きな注目を集め、以来、毎シーズン放映のアニメの主要キャラを演じるように。また2010年に石原夏織と結成したユニット・ゆいかおりでメジャーデビューを果たし、2011年には「ロウきゅーぶ!」の出演声優ユニット・RO-KYU-BU!で歌った楽曲の数々がスマッシュヒットを記録するなど、声優業と並行して積極的に音楽活動も展開している。2012年にはシングル「Raise」でソロデビュー。以降アニメ「変態王子と笑わない猫。」のエンディングテーマ「Baby Sweet Berry Love」や、「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」のエンディングテーマ「Charming Do!」など、話題のアニメのテーマソングを発表している。2015年3月にはソロデビュー3年目にして初のフルアルバム「Strawberry JAM」をリリースし、7月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで初のワンマンライブを開催した。2016年5月には通算6枚目のシングル「ハイタッチ☆メモリー」をリリース。7~8月には初のワンマンツアー「小倉唯 1st LIVE TOUR『High-Touch☆Summer』」を開催した。また10月には地元・群馬のみどり市観光大使に就任し、翌11月には自身もリンネ・ベルリネッタ役で出演するアニメ「ViVid Strike!」のオープニングテーマ「Future Strike」を発表するなど、多方面で活躍している。