小倉唯 ONLINE クリスマス ライブ 2020
～Winter Twinkle Magic～

皆さんをハッとさせたかった

──今年の7月に神奈川・パシフィコ横浜で行われた有観客ライブと、昨年のクリスマスイブに配信された初のオンラインライブを2本立てで収録した映像作品が発売されます。どちらもとてもコンセプチュアルなライブでしたね。

そうですね。どちらのライブもテーマがしっかりとあったので、そのテーマに沿う形でパフォーマンスも演出もこだわって表現しました。

──まずはオンラインライブ「Winter Twinkle Magic」について話を伺えればと思います。こちらは“Magic”をテーマにした公演でしたが、まず小倉さんの中にどのようなライブにしたいという思いがあったんですか？（参照：小倉唯、冬の魔法でクリスマスイブを彩る「大切な思い出になりました」）

初めての配信ライブということで、配信でしかできない演出やギミックを取り入れ、皆さんをハッとさせられるような仕掛けをしていきたいというところから、“Magic”をテーマにしました。サプライズ的な演出をふんだんにちりばめましたね。

──パフォーマンスする側としては、有観客ライブとどういう違いがありましたか？

ライブというよりは、音楽番組を撮っているような感覚に近かったです。お客さんがいなくて、目の前にはカメラだけ。あと、いつものライブのように一連の流れでずっとパフォーマンスしていたわけではなくて、衣装チェンジの時間が入ったり。普段のライブは2時間半ほどですが、オンラインライブの収録は丸1日くらいかかったんじゃないかな。

──感覚としては別物だったんですね。

そうですね、まったく別物でしたし、お客さんがいない中で自分の気持ちを保ち続けないといけないというのは大変でした。

──オンラインライブを通してずっと、まっすぐにカメラを見ながら歌う小倉さんの姿が印象的でした。カメラといいますか、カメラ越しにファンの方々をしっかり見つめながら歌っているような……。

カメラの先にファンの方々がいることを常に意識し、皆さんを驚かせたいという思いで歌っていました。距離が近いと思ってもらえるようなライブにしたかったので、カメラアングルを寄ってもらったりと、物理的な距離感も意識して撮影しました。

“ハニカムちゃん”の衣装

──全13曲の中にいろんな演出がギュッと詰み込まれたライブでしたが、セットリストはどういうふうに組み立てていったんですか？

確か、あのときはまだライブで披露できていない新曲がたくさん溜まっていたんですよ。「Look@Me♡」「ハピネス*センセーション」「瞳の国のアリス -Dance Music Edition-」、それから当時配信リリースしたばかりの「Very Merry Happy Christmas」。そういった意味では、確実にお披露目したい曲がすでに決まっていたので、残りの枠にどの曲を入れ込もうか、と考えていきました。冬の季節に合わせて「winter tale」は絶対歌いたい！というところで1曲目に置いてみたり。

──先ほどサプライズ的な演出をちりばめたとおっしゃっていましたが、2015年にミュージックビデオで着用していた衣装で「Honey♥Come!!」が披露されたのはまさに大きなサプライズでした。

衣装をたくさん見せたいという思いがあって。新規の衣装もありつつ、今まで着たことのある衣装も復活しているので、それも見どころの1つですね。「Honey♥Come!!」の衣装なんかは、本当にミュージックビデオの撮影以来で、6年ぶりに着たんです。自分の衣装なんだけど、なんだか“ハニカムちゃん”というアイドルの子の衣装を着たみたいな感覚でした（笑）。

──（笑）。違う人の衣装を着ているような感覚という？

なんて言うんですかね、シンデレラのドレスを着られた、みたいな感じかな（笑）。「ハニカムの衣装だー！」という客観的な気持ちで、ワクワクしながら衣装を身にまといました。

──サプライズといえば、「瞳の国のアリス -Dance Music Edition-」では数々のマジックを披露していました。ひよこを出したり、花を出したり、けっこう練習したんでしょうか？

かなり練習を重ねました。あれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないかとスタッフさんたちと話しながら、たくさんのマジック用品を買い漁って（笑）。段取りや流れを入念にリハーサルし本番に臨み、カメラに映ってないところでも、次のマジックを準備したりしていました。

──あの演出も配信だからこそできることだったんですね。

そうなんです。カメラに映ってないところでは、みんなけっこうドタバタしていたので（笑）。

──「Look@Me♡」では、バックスクリーンにファンの人からのメッセージが流れていましたね。

あの演出は、実は私がリクエストさせていただいたんです。ファンの方々から事前にコメントを募集して。皆さんの愛を背負って歌うことができたので楽しかったです。配信当日はコメントの演出に圧倒された方も多くいらっしゃったと伺いました。改めてどんなコメントが書かれていたのか見返すのも面白いかもしれないですね。自分のコメントが使われているかどうか、ぜひ探してみてほしいです。

──ライブ終盤のロックナンバーを連投する構成や演出にもこだわりを感じました。

ロックパートでは、カメラワークをカメラマンさんや監督さんと相談しながら決めました。「Destiny」ではハンドカメラで撮影している部分があるんですが、実はそこは現場で急遽追加して撮ることになったシーンで。私がカメラをつかんで離す場面なんかは、カメラマンさんと息を合わせながら、当日のテンション感もあり奇跡的に撮れたカットだったので、自分でもすごく気に入っています。今回は配信ライブということもあり、いつも以上に表情も意識してパフォーマンスしました。マジックをはじめ、いろんな仕掛けやこだわりも詰まっているので、ぜひ細かいところにも注目して観ていただきたいです。