音楽ナタリー Power Push - 小倉唯

今の私にできる“最高に刺激的なこと”

いざとなったら人間ってすごいパワーを発揮するなあ

──殺陣って初めてですよね?

初めてです。しかも本当は殺陣って長い時間かけて稽古するものらしいんですけど、時間がなくて。基礎的な型を1回教えていただいただけで、実際の殺陣の流れは撮影の当日知ったんです。その撮影のスケジュールもけっこうタイトだったから、いい意味で追い込まれていました。殺陣師さんに何回か模範を見せていただいたら、すぐに本番という流れだったので大変でしたけど、そういう弱音を吐いてるヒマすらなくて(笑)。

小倉唯「Future Strike」ミュージックビデオ撮影時の様子。

──でもその甲斐あってタフなMVが完成したし、公開時には大きな話題を呼びましたよね。

自分自身ビックリしています(笑)。基礎的な型を教わってから撮影までの間、パンチやキックの練習を繰り返してたんですけど、それを横で見ていたスタッフさんには必ず笑われてたんですよ。パンチやキックを撃つときは「ヤーッ!」とか「ハッ!」って掛け声を出すように、と言われてたんですけど、なんかそれが「にゃー!」って感じでかわいくなっちゃっていただけに、できあがったMVを観るたび「いざとなったら人間ってすごいパワーを発揮するもんなんだなあ」と思ってます(笑)。

小倉唯主催「『好きだよ』オーディション」

──で、このシングル最後のビックリがカップリング曲の「winter tale」です。

王道アイドルソングですもんね。

──ええ。「Future Strike」から続くのが、跳ねるピアノで盛り上げる本当にかわいらしいウィンターソングだったのはやっぱり意外でした。

ギャップがすごいですよね(笑)。「この曲歌ってるの誰?」「『Future Strike』を歌ってるのと同じ子?」って感じというか。

──そんな「Future Strike」の対極をいく曲のレコーディングはスムーズでした?

小倉唯

特に悩んだりすることはなかったですね。最近の私の曲では珍しく恋愛要素の盛り込まれた曲なんですけど……。

──確かに2つ前のシングル曲「Honey♥Come!!」も、前作「ハイタッチ☆メモリー」もある種“小倉唯”の決意表明、宣言ともとれる曲でしたもんね。

そうなんですよ。でも今回カップリング曲ではあるんですけど、恋愛要素があって、曲調もおっしゃる通り、すごくポップでキャッチーで。こういう曲はひさびさで、ある意味新鮮だったから、最初はトーンをどこにもっていけばいいのかわからなくて声がうわずっちゃったりもしたんですけど、歌い方の正解をつかんでからのレコーディングは早かったですね。

──ただこの曲にも「Future Strike」の英詞と同じく、新機軸が盛り込まれています。

サビの途中の「好きだよ」って歌詞をセリフっぽく歌うところですか?

──はい。

これは自分から提案したんです。

──じゃあ英語詞と違って予防線を張ることはなかった?

レコーディング直前に「なんで私はあのとき、こんな提案をしたんだろう?」って一瞬こっ恥ずかしくはなったけど(笑)、歌ってるときは楽しかったです。何十テイクも録って、あとから聴き比べる「『好きだよ』オーディション」を開いてみたりして(笑)。このCDに収録されているのは「好きだよ」界の勝者、エリートなので、そのへんも楽しんでもらえるといいなって思ってます。

今年手にした実を未来に生かしたい

──「Future Strike」って2016年最後のシングルですよね。というわけで、これを機に2016年という年を振り返ってみてもらえますか?

出たっ! そうですよね、そういう質問をされる季節なんですよね……。

──もう11月だし、今年を振り返ったり、来年の話をしたりしても鬼も笑わないかな、と(笑)。

もう終わるんですよねえ、今年……。始まった実感もなかったのに……。

──へっ!? もう10カ月以上経ってますけど、まだ2015年気分?

小倉唯

いやさすがに今が2016年であることはわかってるんですけど(笑)、2015年の年末からゆいかおりでツアーを回っていて、今年最初のお仕事がそのツアーの千秋楽だったので、年が明けたっていう実感がなくて(参照:ゆいかおり、正月のパシフィコでキュートに華麗に2016年の幕開ける)。で、春にはゆいかおりの武道館のライブがあって、夏にはソロでの1stツアーがあって……。

──ゆいかおり、小倉唯両名義でのCDのリリースもコンスタントにあって、毎シーンズいろんなアニメに出演なさっていた。

だから去年からの勢いのまま、本当にいろんなことを経験できた密度の濃い1年でした。その全部が自分の実になっていればいいなと思うし、その実が来年、再来年の私を形作ってくれればいいし、ちゃんと今年得たものを来年、再来年に生かさなきゃな、と思ってます。

ニューシングル「Future Strike」 / 2016年11月2日発売 / KING RECORDS
期間限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / KICM-91724
通常盤 [CD] / 1296円 / KICM-1725
CD収録曲
  1. Future Strike
  2. winter tale
  3. Future Strike(off vocal ver.)
  4. winter tale(off vocal ver.)
期間限定盤DVD収録内容
  • 「Future Strike」MUSIC VIDEO
  • MAKING

テレビアニメ「ViVid Strike!」

テレビアニメ「ViVid Strike!」

TOKYO MX:
毎週土曜日 24:30~25:00

MBS:
毎週土曜日 26:28~26:58

群馬テレビ:
毎週土曜日 24:30~25:00

とちぎテレビ:
毎週土曜日 24:30~25:00

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AT-X:毎週水曜日 24:30~25:00

小倉唯(オグラユイ)

1995年群馬県生まれの声優、アーティスト。2009年に14歳で声優デビューし、2011年「神様のメモ帳」のアリス役、「ロウきゅーぶ!」の袴田ひなた役で大きな注目を集め、以来、毎シーズン放映のアニメの主要キャラを演じるように。また2010年に石原夏織と結成したユニット・ゆいかおりでメジャーデビューを果たし、2011年には「ロウきゅーぶ!」の出演声優ユニット・RO-KYU-BU!で歌った楽曲の数々がスマッシュヒットを記録するなど、声優業と並行して積極的に音楽活動も展開している。2012年にはシングル「Raise」でソロデビュー。以降アニメ「変態王子と笑わない猫。」のエンディングテーマ「Baby Sweet Berry Love」や、「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」のエンディングテーマ「Charming Do!」など、話題のアニメのテーマソングを発表している。2015年3月にはソロデビュー3年目にして初のフルアルバム「Strawberry JAM」をリリースし、7月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで初のワンマンライブを開催した。2016年5月には通算6枚目のシングル「ハイタッチ☆メモリー」をリリース。7~8月には初のワンマンツアー「小倉唯 1st LIVE TOUR『High-Touch☆Summer』」を開催した。また10月には地元・群馬のみどり市観光大使に就任し、翌11月には自身もリンネ・ベルリネッタ役で出演するアニメ「ViVid Strike!」のオープニングテーマ「Future Strike」を発表するなど、多方面で活躍している。