できればカッコつけたいです

──カップリングは、どアッパーなダンスチューン「ガーリッシュエイジ」。肌合いこそ違えど、ある意味「Honey♥Come!!」と一緒。大人と子供の狭間の年齢、19歳の小倉さんに似合う曲なのかなって思ってるんですけど。

あっ、私は不思議な曲だなって思ってました。なんというか、中間というか。

──「中間」？

「オトナびたフリしたって トキメキ隠せないんだ」とか「ヨユウぶって ヨソイキみたいじゃ しっくりこない？」っていう気持ちには共感できるんです。「背伸びしてみたはいいけど、結局全然できてない」みたいなことは多々あるので（笑）。でも「私はこうはなれないなあ」っていう部分もあるから「わかる」と「わからない」の真ん中っていう意味で「中間だなあ」っていう気がしたんです。

──「こうはなれない」部分って？

この曲の女の子ほどクールでカッコよくはないというか……。「曖昧なライン 行ったり来たり 気分シダイ素直でしょ？」「トクベツな瞬間 思い切り楽しんでいさせてね」なんてカッコいいことは言えないかな、って（笑）。

──カッコつけようとは思わない？

いえ。できればカッコつけたいです（笑）。そうやって「こうはなれないなあ」「でもカッコいいなあ」って思ってたから、歌いづらいということもなかったですし、レコーディングも楽しかったですね。普段の私と、カッコつけたいと思って実際にカッコつけてる私とを行ったり来たりできて。

──あとこの手の高速ダンスチューンを歌うのっていかがでした？

それもすごく楽しかったです。小さい頃からいろんなダンスレッスンを受けていたし、踊ること自体好きだっていうのもあるから、こういうビートは大好きですし。それにこの曲みたいに歌詞のアクセントの置き方でリズムを作っていくのも新鮮でした。

──確かに具体的な状況説明や、それから助詞が極力カットされている、いい意味でブツ切りのフレーズが並ぶ歌詞だから、読んでいるだけでもなんか独特のリズムが生まれるんですよ。

そのリズムが面白くて（笑）。ダンスをやっている人間だからなのかもしれないんですけど、オケのリズムにはもちろん、言葉のリズムにも自然に乗れました。

──でもビートに煽られてノリノリでイエーイ！みたいなテンションでは歌っていない。だから「Honey♥Come!!」とは別の意味で温度感が面白いな、と思ったんですけど。

最初力を込めてノリノリで歌ってみたら、普段の私らしくも、カッコよくもならなくて（笑）。それでちょっとクールというかフラットに歌ってみたら、カッコつける余裕できたというか。ビートを刻みながらも、すごく冷静に声を出せている自分がいて。それでノリノリなんだけど、ちゃんと普段の私らしくもあるし、カッコつけてもいるしっていう曲になったんだと思います。

お風呂はとっても大事なものなんです

──先日リリースされたゆいかおりのシングル「Ring Ring Rainbow!!」がパートナーである石原（夏織）さんのお誕生日前日のリリースになったように、小倉さんは「Honey♥Come!!」リリースの3日後となる8月15日に20歳のお誕生日を迎えます。

はい。

──で、ゆいかおりのインタビュー（参照：ゆいかおり「Ring Ring Rainbow!!」インタビュー）のときに石原さんに聞いたことと同じ質問をしたいんですけど（笑）、「Honey♥Come!!」は小倉さんにとって19歳の集大成的な1枚ですか？ それとも来たるべき20歳に向けた1枚？

夏織ちゃんとは逆で10代のうちにこのシングルを残せてよかったなって思ってます。「Honey♥Come!!」みたいに皆さんへの思いを届けることもそうだし、「ガーリッシュエイジ」みたいに自分の声でリズムを作ることもそうなんですけど、19歳の私が今やりたいことやこだわりたいことがギュッと詰め込まれた1枚になっているので。それは「Honey♥Come!!」のMVもそうですし（参照：小倉唯、ミツバチルックで“ハニカム”の世界を歌い踊る新作MV）。

──パシフィコのライブでフル尺のMVを初公開してましたけど、すごくウケてましたよね。ミツバチの世界と花の世界を行ったり来たりする構成も面白かったし、あと入浴シーンもあったりして。

あはははは（笑）。「Honey♥Come!!」には「はにかむ」っていう意味と、この単語のわけ方の通り「ハニー・カム」「甘いものがやって来る」っていう意味のほかに、本当の「ハニカム」の意味、「蜂の巣構造」っていう意味もあるのかな？と思って。そこからミツバチちゃんとお花の妖精が実はお互いのことを好き合っていて、ミツバチちゃんはお花の妖精の気を引くために一生懸命ダンスをするし、お花の妖精は一生懸命自分磨きをするっていう設定を思い付いたんです。だからお風呂のシーンは自分磨きの一環っていう意味なんです。

──物語上の必然があっての風呂なんだ、と（笑）。

そうなんです。あのお風呂はお花の妖精にとって、とっても大事なものなんです（笑）。