ちゃんと“音楽的”に聞こえてくれる
──大橋さんには耳スピのフラッグシップ商品であるヘッドフォン「nwm ONE」と完全ワイヤレスイヤフォン「nwm DOTS」のほか、有線イヤフォン「nwm WIRED(3.5mm)」、ネックバンドタイプの新製品「nwm GO」も試していただきました。率直な感想を聞かせてください。
僕に一番フィットしたのは「nwm ONE」ですね。まず、装着感がすごくいい。見た目からして少しエッジーな肌触りなのかな?と思ったんですが、細かいところまできちんと保護されていて、着けていて違和感はまったくありません。耳とスピーカーの間に隙間があるので、耳が圧迫されないのもいいですね。きっと細かく調整されているからこその装着感なんだろうなと思います。デザインもシンプルなだけではなく「洒落てるな」という印象で、未来感もありますね。
──「nwm ONE」のスピーカー部分には、大小2つのドライバーが搭載されていて、大きいドライバーは低音、小さいドライバーは高音を担っています。さらにスピーカー自体の角度を変えることができ、耳の角度に合わせることでより聴きやすくなるのだとか。さきほど試聴していただきましたが、音質はいかがでしたか?
ちゃんと“音楽的”に聞こえてくれるのがありがたいなと思います。僕は音楽を作ってる人間なので、自分が作った楽曲がどんなふうに聞こえるかが気になるんですよ。制作しているときは、よりよく聞こえる環境を用意していて。どんな曲でもよく聞こえるというか……本当はダメなんですけどね(笑)。もっとフラットに聴いたほうがいいんですけど、自分のテンションをアゲた状態で作りたいので。ただ、リリース後にラジオで聴いたりすると「ちょっと音の作りが粗かったな……」と思うこともあります。
──どんな機材や環境で聴くかによって、曲の印象が変わる。当たり前ですが、ミュージシャンとしてはすごく大事なことですよね。
それを踏まえて言うと、「nwm ONE」には厳正なるジャッジをされている感じがあります。例えば、先ほどディアンジェロのアルバム「Voodoo」を「nwm ONE」で聴いてみたんですけど、このような名録音のアルバムを聴けば素晴らしさがちゃんとわかるし、「面白い音の作り方をしているな」という曲の場合、音の位相がしっかり感じられる。心地よく聴けると思います。
──録音のクオリティをフラットに体感できる、と。楽曲本来のよさを実感できそうですね。
自分のことで言えば、「nwm ONE」はミックスチェックなどでも使えそうです。制作のプロセスで言うと、まずラフにミックスした音源を聴いて、細かいところをチェックしていくんです。人の意見は当てにならないので(笑)、最後は自分で決めるしかないんですが、いろんな環境で聴いて「どんな状況でもカッコいい」というところに持っていくのが理想です。「nwm ONE」はかなりフラットに聴けるので、自分が目指すゴールに持っていきやすい気がします。
──なるほど。
オープンイヤーで周囲の音が自然に聞こえるというところでは、ステージやレコーディングで使える可能性もあります。これも人によって違うと思うんですが、自分の場合は演奏中に少しヘッドフォンをズラして、自分の生の声を聴くようにしているんです。「イヤモニやマイクを通して聞こえるのでは?」と思われるかもしれないですけど、それでは全然ダメで。空気を伝わって聴こえてくる自分の声が必要なんです。ライブでも周囲の音や生の空気感を感じながら演奏したいので、「nwm ONE」を現場で使ってみたら面白いかもしれないなと思いました。
──「nwm ONE」「nwm DOTS」のマイクに搭載されているNTTの特許技術「Magic Focus Voice」の印象はいかがですか? 話者を特定する「ビームフォーミング」、雑音を除去して音声だけを抽出する「スペクトルフィルター」の2つの技術のハイブリッド処理によって、雑音が多い環境でも使用者の声だけを抽出できるのだそうです。
便利ですよね。僕は静かな場所からしか電話しないですけど(笑)、相手が駅にいたりすると、周りの音がうるさくて、全然会話にならないじゃないですか。そういう状況でも聴き取りやすいというのは、すごくいいと思います。僕と電話する方はぜひ耳スピを使ってほしいですね(笑)。
──ちなみに、耳スピは斎藤工さんがアンバサダーとなり、CM出演することが決まっています。斎藤さんが大橋さんの楽曲のミュージックビデオを監督するなど、お二人は以前から交流がありますよね。
交流が始まったきっかけは、斎藤さんが僕の「HONEY」という曲をモチーフにしたショートフィルムを撮ってくれたことです。このCMの映像もそうですが、彼はどんな格好しても似合いますね(笑)。
これからの人生は共存がテーマ
──「nwm」は変化するライフスタイルの中で重要視されている、周囲の環境や人々との“共存(Co-being)”もコンセプトに掲げています。大橋さんもさまざまなミュージシャンとの共演やコラボレーションを重ねていますが、“共存”についてはどんなイメージをお持ちですか?
これからは共存しかないなと感じています。大橋トリオはどうやら“孤高の存在”という印象があるみたいで。それはたぶん、全部の楽器を自分で演奏することが理由だと思うんですよね。よくも悪くも自分1人で曲を作ることができてしまうので、人が関わることがあまりなかったんですよ、以前は。自分としても「そのほうがラクだな」と思っていた時期がありました。ただ40代半ばになった今、「音楽家として、今後どうしていくか?」と考えると「この先は1人では無理だな」と思うようになって。他者と関わることでいろんなアイデアや刺激を受け取り、音楽家としての幅を広げていくべきだなという結論にたどり着きました。だから、僕のこれからの人生は共存がテーマですね。
──大橋さん自身も変化の時期なんですね。社会的な観点でも、意見や立場の違いを乗り越え、共存を目指すのはとても大切なことだと思います。
大げさかもしれないですけど、その意識こそが世界平和の第一歩ですからね。これは若いときから思っていることなんですけど、とにかく笑おうと。難しい顔をして歩くのではなくて、耳スピでいい音楽と人の話を聞いて、笑って過ごしてほしいです。
──NTTは長い歴史の中で培ったコア技術を活用し、耳スピのような先進的な製品を生み出しています。このような取り組みや姿勢に対してどんな印象を持ちますか?
このような取り組みは大好物。今後の開発にはぜひ僕を呼んでいただきたいです(笑)。すでに素晴らしい製品だと思いますが、もっと伸びしろがあるような気もするので。
──最後に、大橋トリオとしての直近の活動について聞かせてください。3月と4月にファンクラブ限定ツアー、そして5月から7月にかけて全国ホールツアーが開催されますね。どのような内容になりそうですか?
FCツアーはドラム、ギター、僕の小編成で回ろうと思っています。ギターは初参加の高木大丈夫くん。彼は弦楽器をマルチで扱えるので、どんな演奏になるか楽しみですね。ホールツアーは昨年リリースしたアルバム「GOLD HOUR」を含めて、「今の大橋トリオはこうです」としっかり世界観を示す内容にしたいです。
公演情報
「CAFÉ PRETAPORTER」限定ライブツアー
詳細はこちら
オフィシャルファンクラブサイト「CAFÉ PRETAPORTER」
ohashiTrio HALL TOUR 2025
- 2025年5月30日(金)北海道 札幌市教育文化会館
- 2025年6月1日(日)宮城県 電力ホール
- 2025年6月13日(金)大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
- 2025年6月20日(金)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
- 2025年6月27日(金)石川県 金沢市文化ホール
- 2025年6月29日(日)広島県 NTTクレドホール
- 2025年7月11日(金)福岡県 福岡市民ホール 大ホール
- 2025年7月19日(土)東京都 NHKホール
プロフィール
大橋トリオ(オオハシトリオ)
2007年にアルバム「PRETAPORTER」でデビュー。シンガーソングライターとしてコンスタントに作品を発表する傍ら、テレビドラマ、CM、映画音楽の作家としても活躍しており、代表作には映画「余命1ヶ月の花嫁」「雷桜」「PとJK」の劇伴や、NHK土曜ドラマ「探偵ロマンス」の音楽などがある。近年は上白石萌音やlily(石田ゆり子)らの楽曲のプロデュースも担当。2025年3月からファンクラブツアー、5月からホールツアーを行う。
大橋トリオ ohashiTrio Official Website
nwm ONE
nwm DOTS
nwm WIRED(3.5mm)
nwm WIRED(USB Type-C)
nwm GO
※先行予約受付中。2025年3月18日(火)発売