AIだからこそのアイデアもたくさんありそう
──今回、imaseさんにはAIを使って楽曲を分析し、その楽曲とマッチする動画の雰囲気の提案やTikTokのインフルエンサーとマッチングできるなどさまざまなサービスを展開している“AIマネージャーアプリ”「NORDER」を試してもらいました。実際にアプリを体験してみていかがですか?
デザインがカッコいいですし、すごく見やすくて使いやすいですね。Spotifyのアプリみたい。
──Spotifyと連携して、楽曲をAIで分析をすることもできます。
そうなんですね。せっかくなので、今「EGOIST」を分析してみますね。「キャッチーなメロディで、どこか切ないメロディとエモーショナルな歌詞が印象的な楽曲」と説明されていて、BPMまで出てきました。歌詞や楽曲のムードから、どんな映像に合わせると良いかも提案してくれます。さまざまなところから情報を集めるAIだからこそのアイデアもたくさんありそうですね。
──ほかの楽曲も試してみますか?
はい。MVがない「Rainy Driver」で試してみます。
──「メロウなサウンドと雨の日の切ない感情を巧みに表現した楽曲です」と解説が出ました。映像については「雨の日の街並み、夕焼け、静かなカフェなどさまざまなシーンに合うでしょう」と。
しっかり歌詞の世界観を拾ってくれてる。すごい!
──imaseさんの名前が世界的に広まったのは「NIGHT DANCER」がきっかけでしたが、この曲のヒットはTikTokでK-POPアーティストが踊ったことが大きいですよね。
はい。Stray Kidsさんが踊ってくださったのをきっかけに、国内外問わず多くの方が動画を投稿してくださって。日本では「NIGHT DANCER」のブームが一度落ち着いたタイミングだったのですが、ダンスをきっかけにまた多くの方に僕の曲を聴いていただけるようになりました。
──imaseさんのようにSNSで楽曲が広がることで、海外でブレイクして日本でも流行るようなケースもありますし、昔の曲が今後TikTokで再ブレイクするアーティストも出てきそうですよね。ほかにも「NORDER」では、CMタイアップやライブ出演の公募企画なども行っていて、事務所に所属していないアーティストでも売れるきっかけを作ることができます。
事務所やレーベルに所属しない個人でもそういったチャンスがもらえるのはすごいですね。
シンプルだけど一番難しい“拡散される楽曲”の方程式
──「NORDER」は、今後作る曲がより拡散される楽曲になるためのアドバイスもしてくれるのですが、imaseさんが思う“拡散される楽曲”はどんなものですか?
やっぱりメロディと歌詞の強さが重要だと思います。TikTokに限った話になるかもしれませんが、正直、今の自分たちの世代というか、若い人たちはそんなにアレンジを気にしていない気がするんです。そうなると、短い時間の中でどれだけキャッチーなメロディと歌詞を作れるかが重要。歌詞が振付に引っ張られることも多いですし、覚えて歌いやすいというのも大事なポイントだと思います。
──振付ができるインフルエンサーを触発させる歌詞とメロディができたら「NORDER」を活用するのもありかもしれませんね。
そうですね。拡散される曲でいうと、声質も重要で。声質、メロディ、歌詞の3つがうまくハマると、拡散されるのかなと。これがシンプルだけど一番難しいことなんですよね。
──imaseさんは今後どういった曲を作っていきたいですか?
いろいろなタイアップをいただけるようになって、それに合うさまざまなジャンルの曲を作っていますが、いつか、時代を問わずずっと聴いてもらえるような普遍性のある曲を作りたいと思っています。
──サウンド面で言うと、最初の頃は打ち込みの曲が多かったかと思いますが、最近はバンドサウンドの曲も増えましたよね。
打ち込みも生のバンドサウンドもそれぞれのよさがあるので、使い分けていきたいなと思っています。タイラー・ザ・クリエイターを筆頭に、最近海外だとパーカッシブな曲がトレンドなのかなと思っていて。僕もデジタルっぽさと生っぽさをミックスした曲を作りたいです。
──imaseさんは時代の先読みがうまいというか、流れをキャッチするのが得意な方だと思っていて。これから来そうなジャンルを教えてほしいです。
近年流行っていないジャンルのものが流行ると思うので、5年以内にユーロビートがくるのではないかなと。まだ日本の中では少しダサいというイメージが強いですが、海外ではおしゃれなユーロビートを作っているアーティストがいるんです。あとは、今のツーステップやUKガラージの流れに沿って、ボサノバ系がまた流行りそうな気がします。
──imaseさんが作るユーロビート、ぜひ聴いてみたいです。
ユーロビートは難しいですよ。だからDA PUMPさんの「U.S.A.」が流行ったのは本当にすごい。KARAさんのユーロビートの曲(「GO GO サマー!」)も昔流行りましたよね。そういった意味では日本人にも馴染みがあるジャンルなので、日本でも流行る可能性があると思います。僕が作って出すとしたらタイミングがかなり難しいですが(笑)。
──例えば平成ギャル文化を扱うドラマのタイアップ曲とか。
なるほど。オーダーに沿って曲を作るのが好きなので、機会があれば(笑)。これからもいろんな曲を作っていきたいです。
公演情報
imase Hall Tour 2025 "Remake"
- 2025年4月19日(土)千葉県 市川市文化会館
- 2025年4月27日(日)福岡県 福岡市民ホール 大ホール
- 2025年5月11日(日)広島県 広島文化学園HBGホール
- 2025年5月15日(木)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
- 2025年5月18日(日)大阪府 フェスティバルホール
- 2025年5月21日(水)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
- 2025年6月8日(日)宮城県 トークネットホール仙台 大ホール
- 2025年6月19日(木)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
- 2025年6月28日(土)岐阜県 土岐市文化プラザ サンホール
imase LIVE "Have a nice day" in NIPPON BUDOKAN
2025年7月25日(金)東京都 日本武道館
プロフィール
imase(イマセ)
岐阜出身、24歳の男性アーティスト。音楽活動開始からわずか1年でTikTokでオリジナル楽曲がバイラルヒット。2021年12月にメジャーデビューを果たした。2022年発表の「NIGHT DANCER」は韓国配信サイト・MelonでJ-POP初のTOP20入りを果たし、31カ国のSpotifyバイラルチャートでTOP50にランクイン。「第65回 輝く!日本レコード大賞」では優秀作品賞を受賞した。2023年に韓国で開催された「MMA 2023」「CCMA 2023」に日本人アーティストとして初出演、初受賞を果たすなど国内外で活躍の場を広げ続けている。2024年5月に1stアルバム「凡才」をリリース。6月から8月にかけて初のアジアツアー「imase 1st Asia Tour "Shiki"」、と11月にホールツアー「imase Hall Tour 2024 "Shiki-Sai"」を開催。2025年4月からは初の全国ホールツアー、7月には初の日本武道館公演の開催が控えている。
imase Official site|imase Official Fanclub「IMAZINE」