もっさの思い描いたメロディと歌詞の裏側

──「明日にだって」はもっささんがメロディと歌詞を手がけたんですよね？

藤田　今までライブで演奏していた「行方不明」という曲があったんですけど、もっさがアルバムのためにメロと歌詞を作り直してこの曲になりました。

もっさ　「行方不明」は、朝日さんがメロディを作って、私は歌詞だけ書いてたんです。で、作り直すときにいろいろあって、メロも私がやることになりまして。

朝日　もっさが「メロディ変えたい」って言い出したんじゃないか（笑）。

もっさ　言いましたけど……「私が変えていいの？」って感じでした。

タケイ　制作中にもっさがずっと「人が作ったメロディに歌詞乗せるの難しいなー」って言ってたんですよ。

藤田　「なら作ったらええやん」って任せたんだったよね。

朝日　メンバーみんなで作ることも必要だろうから、なんの注文も付けずにもっさに任せました。俺からアドバイスをもらえると思ってたらしいんですけど、何も言いませんでした（笑）。

もっさ　「ここをこうしてほしいんだ」とかあるのかなと思って待ってたんですけど、録音する日まで朝日さんからは何もなくて、「ああ、マジで何もないんだ」と。

朝日　ほかの人の考えたメロが自分で作ったオケに乗っているのがすごく新鮮でした。あと「ゆうな」だともっさの弾き語りを俺が聞いてブラッシュアップして、バンドバージョンを作りました。できるだけもっさの意図を汲み取ろうと思いながら。

──アルバムの後半は「ゆうな」を含めエモーショナルな曲が続くので、聴いていてぐっと引き込まれる流れになっていました。

藤田　「オシャレ大作戦」のインパクトがどうしても強かったので、どうやってアルバムの流れを作るかをけっこう考えました。曲順は私が決めたんですけど、6曲目の「がっかりされたくないな」から一気に流れを変えたくて、あれこれ考えた結果がこの順番です。

朝日　そんな悩んでたんやな。俺は曲順に一切関わってなかったから初めて知ったわ。

藤田　朝日がおらんときにめっちゃ口出したもん（笑）。

もっさ　「ゆうな」から「遠吠えのサンセット」の流れがすごく好き。

藤田　車でアルバムをずっと流してたんですけど、「夏の雷鳴」で終わって、リピートしてまた「レイニーレイニー」になる感じもすごく自然なので、全曲を通して楽しんでいただければと思います。

朝日　リピートを想定して「夏の雷鳴」は曲が終わってから5秒間無音にしてあるんですよ。ちょっとしたらまた1曲目に戻る。繰り返し聴いてくれたらうれしいです。

ネクライトーキー1000人計画

──1月中旬からはツアー「オーキートーキー！全国編」の開催が決定しています。

朝日　ツアーの追加公演として、次のワンマンを3月に東京・WWWと大阪・Shangri-Laでやることも決まりました。キャパは400と350くらいなんですけど、ちゃんとソールドさせたいです。実はこのメンバーでスタジオに初めて入ったときから自分なりに今後の流れを考えていて。再来年の終わりにはLIQUDIROOMくらいでできたらいいなって。

──1000人規模のライブを見据えているんですね。

朝日　300人、400人規模のライブを成功させたら、一気に倍くらいまでいってやろうと。別のバンドではWWWをソールドできなかったから、もちろんしっかりやらなきゃ達成できないのはわかるんです。そこから先は行ったことがない場所だから「行って確かめるしかない！」と思ってます。

藤田　もっさも一緒に行くんだぞ。

もっさ　私だってそんな大きなライブハウス、立ったことないよ。

朝日　まあ地に足を着けて、やっていきたいです。

──お客さんにはどうやって楽しんでもらいたいと思いますか？

もっさ　わーっと盛り上がるのもよし！ 腕組んで後ろで聴くのもよしです！ ライブハウスで腕組んでる朝日さんみたいな人も実は案外「くうー！ ニクいな！」って思ってるんじゃないかといつも演奏しながら思ってます。

朝日　ライブハウスの後ろで腕組みしてる人ってけっこう楽しんでるんですよね。会場にいる人が全員腕組みしてても大丈夫です。

タケイ　そんな状況、俺らが逆に燃えるかもしれないね（笑）。

藤田　特に振りがあるわけでもないし、みんなでわーっと盛り上がるところはありますけど、強制することは一切ないので自由に楽しんでいただけたらうれしいです。