5人組ロックバンド・ネクライトーキーがNo Big Deal Recordsへのマネジメント所属を発表し、7月24日に日本コロムビアから新曲「人生なんにもわかんねえ!」を配信リリースした。
No Big Deal Recordsは04 Limited Sazabys、reGretGirl、Wiennersらが在籍する日本コロムビア傘下のロックレーベル/マネジメント。ネクライトーキーはバンド結成から7年、メジャーデビューから4年というタイミングで新たなスタートを切ることになった。その門出を飾る新曲「人生なんにもわかんねえ!」は、「リアル脱出ゲーム」のコンテンツ「トラブルだらけのライブハウスからの脱出」のテーマソングとなっている。
音楽ナタリーではもっさ(Vo, G)と朝日(G)の2人にインタビュー。レーベルを日本コロムビアに移籍し、No Big Deal Recordsにマネジメント所属することで起きる変化、メンバーも大好きだという「リアル脱出ゲーム」とのコラボが実現した喜び、勢いがありつつも哲学的なタイトルを冠した新曲「人生なんにもわかんねえ!」の仕上がりなどについて話を聞いた。なお、インタビューの後半は2人のギター愛がたっぷり詰まった内容となっている。
取材・文 / 田中和宏撮影 / 大橋祐希
移籍だけど“帰ってきた”感じ、その理由は
──ネクライトーキーはインディーズ時代のアルバム「ONE!」のときから取材していますが、結成から7年、メジャーデビューから4年で新天地に移ることになりました。ファンの中にはレーベルの移籍に実感が湧かないという方もいると思うんですが、どんな変化があるんですか?
朝日(G) 僕らの場合、メジャーデビューする前から日本コロムビアにマネジメント所属していたこともあって、“帰ってきた”感じがします。変化というと、ツアーで地方に行ったときにレーベルの人と挨拶することがあるんですけど、挨拶するのがコロムビアの方になって。「またこれからよろしくね」みたいなやり取りをしてますね。
もっさ(Vo, G) 初期にお世話になってた人たちと時を越えて再会したっていう。確かにファンの方はレーベル、マネジメントがどことかは普段話さないし、よくわからないんじゃないかな。
朝日 そもそもネクライトーキーが特殊で、メジャーレーベルでもある日本コロムビアが事務所だからなおさら。チケットには日本コロムビアの名前が前から入ってたから知ってる人はいると思いますけどね。
──No Big Deal Recordsは04 Limited Sazabys、reGretGirl、Wiennersらが在籍しているロックレーベル/マネジメントということで、その輪にネクライトーキーも加わる形となるんですね。
もっさ そうですね。話したことのあるバンド、競演したことのあるバンドもいるので、純粋にその仲間になれるっていう喜びがありました。
──No Big Deal Recordsはどんなレーベルなんですか?
もっさ 私のイメージとしては、ライブを軸にしているバンドが多い印象ですね。ライブが強いアーティストが集まっているので、私たちもライブをよくしていかないとヤバい!と思いました。
朝日 百戦錬磨のライブバンドがたくさんいる。それと、なんだか開けたイメージがあります。これはレーベルというかバンドの印象になりますけど、フォーリミは対バンの組み方を見ても誰に対してもオープンだし、Wiennersは自分たちのバンド活動を軸に置きつつ、玉屋2060%さん(Vo, G)はマルチに楽曲提供もしていますし。
もっさ reGretGirlは私たちがメジャーデビューする前から仲よくしてもらって、対バンライブで一緒になったこともあるんですよね。同世代で親近感もあって。フォーリミには以前対バンに呼んでもらって。活動してきて初めて“バンドの先輩”を感じました。お話しして、いろいろアドバイスもしてくれて。これまでほかのバンドとそういう関わり方をしたことがなかったので、新鮮でうれしかったです。
朝日 フォーリミは毎年フェスを成功させてるし、自分たちにとってはやっぱり“開けた”イメージがあります。
もっさはリアル脱出ゲーム“ガチ勢”
──新天地での最初のリリース作品になる「人生なんにもわかんねえ!」は、人生の迷い、戸惑いといった思いが表現されています。この曲は「リアル脱出ゲーム」のコンテンツ「トラブルだらけのライブハウスからの脱出」のテーマソングになっていますが、タイアップありきで書き下ろした楽曲ですか?
朝日 そうですね。オファーを受けて、曲を作ることになりました。謎解きのタイアップで「わからない」がテーマになるのはリアルで面白いかなと思って、「どうしよう、わからない」というぐちゃぐちゃな気持ちを歌詞にしました(笑)。謎解きゲームとかリアル脱出ゲームってやったことありますか? ほとんどの場合、8割か9割が失敗に終わるんですよ。むしろうまくいかないという体験に寄り添ったほうが、たくさんの人に届くんじゃないかと思いまして。
──お二人はもともと「リアル脱出ゲームガチ勢」だそうですけど、都内だとどこでやれるんですか?
もっさ 新宿も吉祥寺も原宿も浅草もあります!
──私はリアル脱出ゲームには行ったことがないんですけど、いったいどんな……。
もっさ (前のめりに)あ! じゃあぜひ! 一緒に行きますか! リアル脱出ゲームに行く人を増やしたいんですよ(笑)。
朝日 僕もこうやって誘われました(笑)。リアル脱出ゲームは難易度の調整が絶妙で。制限時間はだいたい60分なんですけど、残り5分くらいから変な汗をかく感じ。ギリギリになって、「あと3分あればうまくいくのに!」ってこともけっこうあります。
もっさ 私たちがコラボしたリアル脱出ゲーム「トラブルだらけのライブハウスからの脱出」のストーリーは、「ネクライトーキーがライブハウスに来たけど、何も準備されていない!」で始まるトラブルだらけの内容です。参加者の皆さんは「ライブまであと1時間、“トラブル時緊急マニュアル”を手がかりにライブを成功に導く」というのが謎解きの部分になりますね。
ファン同士でもリアル脱出ゲームを楽しんで
──ネクライトーキーが登場するアトラクションは、8月23~25日に千葉の幕張メッセで開催される「リアル脱出ゲームフェスティバル」で楽しむことができ、そのあと各地に順次展開されるとのことですが、スペシャルなライブ映像というのはライブハウスで撮り下ろしたものですか?
もっさ 先日、ライブハウスで撮ったばっかりなんですよ。ミュージックビデオとは違うので、この映像も演奏も、リアル脱出ゲームに参加しないと観られないものになりますね。
──先ほど、もっささんのリアル脱出ゲームへの熱量を強く感じたんですけど、お二人は何回くらい行ったことがあるんですか?
朝日 僕はそんなでもなくて、まだ10回くらいかな。
もっさ 私はまだ3桁まで届かないくらい。
──すごいですね(笑)。何がもっささんをそこまで引き寄せるんでしょう?
もっさ 別に得意ってわけじゃなくて、ただ楽しいから何度も参加してるだけで。もともと謎解きとかクイズが好きで、成功と失敗という結論だけじゃなくてそこに至るまでのストーリーを自分が作っていく過程も好きなんです。最後の選択肢を正しく選べば成功というときに、「これで本当にいいんだろうか?」と悩むのも面白いし、ストーリーによっては「自分は助かるけど、ほかの誰かが助からない成功」という感じでいろんなエンディングがあって。時間ギリギリになりながら、自分の中の成功を考えながら脱出していくのがすごく楽しい。しかもリアル脱出ゲームは基本、何人かで1組になって行動するので、そのチーム感みたいなのも好きなんです。
──だから新しい仲間を常に求めてるんですね(笑)。
もっさ そうです。メンバーと行くこともあるけど、布教するために初参加の人も連れていきたくて誘ってます(笑)。朝日さんは私が一緒に行かなくても、別の人たちと行くようになってたから、「おお……しめしめ」と(笑)。ぜひ、この機会にファンの方にも足を運んでもらいたいです!
朝日 確かに。リアル脱出ゲームで遊んでからライブに行けるタイミングもあるだろうから、仲よくなるきかっけになるかも。
もっさ リアル脱出ゲームファンがバンドのライブに、音楽ファンがリアル脱出ゲームに、という循環が生まれたらうれしいです!
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