ネクライトーキーが初の全国流通盤となる1stフルアルバム「ONE!」を12月5日にリリースする。
ネクライトーキーは、もっさ(Vo, G)、朝日(G)、藤田(B)、カズマ・タケイ(Dr)からなる4人組バンド。結成から1年9カ月の間にデモCDが合計5000枚を超えるセールスを記録したほか、今年3月末に公開した「オシャレ大作戦」のミュージックビデオがYouTubeで177万回再生を突破。さらにライブ動員数を伸ばし続けるなど破竹の勢いを見せている。
満を持して発表された1stフルアルバムには、既発曲の再録バージョンと新曲からなる全12曲を収録。音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを行い、バンド結成の経緯を語ってもらったほか、楽曲や歌詞などについて話を聞いた。
取材・文 / 田中和宏 撮影 / Kana Tarumi
出会いはさかのぼること6、7年前
──音楽ナタリー初登場ということで、今回はグループ結成の経緯や、初の全国流通盤となる1stフルアルバム「ONE!」についてお話を伺えればと思います。朝日さんと藤田さんはコンテンポラリーな生活としても活躍していますが、ネクライトーキーはどのように結成されたのでしょうか?
朝日(G) もう5年くらい前から構想があったんですけど、「自分が今までできなかったことをやろう」という思いで始めました。自分の感覚としてコンテンポラリーな生活とはまったく違う、別のバンドを作ろうと思ってました。シンセとかのアレンジがごちゃごちゃしたおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドが好きだし、それにハマる音を作るのも得意だったので、せっかく得意技があるのだから、それをバンドに生かしたくて。
──ほかの皆さんは朝日さんから誘われたときはどう感じましたか?
カズマ・タケイ(Dr) めちゃめちゃうれしかったです。朝日がすごくいい曲を書くことは知っていたし、これまでサポートとして一緒にバンドをやっていたけど、やっぱり正式メンバーとして声をかけてくれたことがすごくうれしかったです。
もっさ(Vo) こんなことが起こるんだなって思いました。たまたまライブを観に行ったら、朝日さんがその日に私が来ていることをTwitterで見て気付いて……。
藤田(B) もともと朝日が個人で作っていた曲をもっさはカバーしてネットで公開していたんですって。
朝日 もう6、7年前の話になります。もっさの歌を聴いたとき、「めちゃくちゃ下手くそだけど、めちゃくちゃ声がいい!」と思って。すぐにコンタクトを取ったんですけど、当時まだもっさは高校生だったのでいきなり「一緒に音楽をやろう」なんて誘うのは酷だと思って、あきらめました。でも女性ボーカルのバンドを組む構想がずっと頭にあったので、出会いから4年くらい経ったタイミングで「あの子、どうしてるんだろう」とふと思い出して。それでもっさのTwitterをのぞいてみたら自分でバンドをやってることを知りました。
もっさ 高校を卒業したあと、地元でバンドをやってたんです。
朝日 大人になってから自分で音楽をやっているのであれば、誘えると思いましたね。しかもTwitterをのぞいたときに自分のライブを観に来ることも知って。
もっさ 会うつもりなんてないし、ただただお客さんとして観に行こうと思ってたんですけど……見つかっちゃいまして。
朝日 チケットの取り置き連絡すらこっちにはしてこなかったもんね(笑)。その日、ライブ終わったあとすぐにフロアでもっさを探して、「バンドやろう!」って誘ったんです。俺の中ではそこがネクライトーキーの始まった瞬間。偶然にしても、こんなことがあるんだなって不思議に思いました。
もっさ なのでただ単純にファンだった私がバンドに入ることになってしまったという、なんとも不思議な出来事でした。前のバンドも長くやっていたわけじゃないし、ボーカルとは言っても下手くそやったから、「え、私がやっていいの?」って感じ。
朝日 めっちゃ声はいいけど、歌は下手くそだったんですよね。もし下手くそだとしても声質に魅力があれば、あとは死ぬほど練習すればどうにかなると思っていたんで、「とにかくいいボーカルだから」とメンバーに紹介しました。
藤田 みんなで最初にスタジオに入ったとき、この声は武器になると感じました。鍛え上げられてないけど、すごく秘めた魅力があると言うか。朝日さんが追っかけ続けた理由がわかった気がしましたね。
タケイ そんな中、僕はもっさの存在を一切知らされていなくて、スタジオの日が初対面でした。ある日突然、「実は昔からこんな子がいたんだ」って朝日から打ち明けられて、びっくりしました。
“ハム太郎ボイス”に言及
──ちなみにもっささんが歌を歌いたいと思ったきっかけは?
もっさ 歌うのがめっちゃ好きになったのは中学生くらいなんですけど、それまでなんにも褒めてこられなかった人生で。中学生のとき初めてカラオケに行って、そんなうまくもなかったはずなんですけど、一緒にいた友達に「もっさって意外と面白い歌、歌うんやな」って言われて。なんだか褒められた気がして「わあうれしい!」と思って、そこから好きになりました。で、「歌う曲を自分で作ってみよう」と作り出したのが2、3年くらい前。バンドを始めたのは、自分で作った歌を乗せてみたいなと思ったからでした。
──「オシャレ大作戦」MVのコメント欄で「ハム太郎みたいな声」って書かれてましたけど、正直どう思いました?
もっさ ハム太郎のイラストが描かれた勉強机を使っていたくらいには好きだったんですけど、ハム太郎の声って実は高くないんですよ。バンドメンバーで検証した結果、「タイト、ト、ト、ト、トンと僕らは」の部分が「とっとこハム太郎」っぽい響きだったんじゃないかと。全然いいんですけど、本当は似てないですよ(笑)。
次のページ »
ライブの現実とそれぞれの手応え
- ネクライトーキー「ONE!」
- 2018年12月5日発売 / NECRY TALKIE
-
[CD] 2500円
NCJD-10002
- 収録曲
-
- レイニーレイニー
- こんがらがった!
- めっちゃかわいいうた
- タイフー!
- 許せ!服部
- オシャレ大作戦
- がっかりされたくないな
- だけじゃないBABY
- ゆうな
- 遠吠えのサンセット
- 明日にだって
- 夏の雷鳴
- ネクライトーキー
- もっさ(Vo, G)、朝日(G)、藤田(B)、カズマ・タケイ(Dr)からなる4人組バンド。2017年に結成された。結成から1年9カ月の間にデモCDが合計500枚を超えるセールスを記録したほか、2018年3月末に公開した「オシャレ大作戦」のミュージックビデオがYouTubeで177万回再生を突破。ワンマンライブのチケットは即日ソールドアウトするなど、ライブの動員数も伸ばし続けている。2018年12月に初の全国流通盤としてフルアルバム「ONE!」をリリースする。