「10周年だからベスト」にならないスタンス
──音楽的な方向性の変化についてはどうですか?
生形 どんなバンドもそうだと思うけど、まずはメンバー同士でどんなことをやりたいか話し合って、好きなように作っていくところから始めました。新しい音楽が好きなメンバーばかりだから、アルバムごとに新しい要素も取り入れて。要は「世界と同時進行している」ということなんだけど、そこに関しては自信がありますね。俺らが学生の頃は「アメリカに比べて、日本のロックは10年遅れてる」みたいなことを言われてたんだけど、今はそんなことないと思うし、特にナッシングスはいつも新しいことをやっていると思うので。
村松 そうだね。
生形 新しい音楽と同じように古い音楽にも興味があるし、面白いんですよ。1970年代、80年代、90年代の音楽を聴いて「この感じを今の自分たちがやるとしたどうなるだろう?」というところでも広がっていって。
村松 同じことだけを続けるのは刺激がないし、新しい風を取り入れることで新しい音が出せると思うので。真一が言ったように、新しい音楽も古い音楽もフラットに楽しめてますからね、俺らは。自分たちのルーツミュージック、聴いてきた音楽をアップデートさせて、今の時代の音楽として提示することも自分たちの役割なのかなと。
生形 うん。今話したことは一番意識しているかも。あと、踊れることも大事だと思ってるんですよ。Led Zeppelinなんかもそうだけど、カッコいいロックには踊れる要素があるので。
──今回の「Mirror Ocean」もガッツリ踊れる曲が満載ですからね。では、バンドのスタイルがしっかりできあがってきたのはいつ頃だと思いますか?
生形 「Silver Sun」(2012年リリース)くらいかな。
村松 4年目だね。
生形 その時期のライブ映像は、今も普通に観られるんじゃないかな(笑)。でも、昔のライブ映像を観て恥ずかしくなるのは、いいことだと思うんです。今のライブに納得できているということだから。音源はね、昔のヤツも聴けるんですよ。ライブはそのときのバンドの状態が出ているけど、パッケージされた作品に関してはしっかりしたものを作ってきたんだなって。
村松 俺も昔の音源は聴きますね。「あの曲、聴きたいな」って思ったりするので。
──10周年のタイミングで充実したオリジナルアルバムをリリースできるというのも、楽曲が進化し続けている証拠だと思います。ちなみにベストアルバムを出すというアイデアはなかったんですか?
生形 話にも出なかったですね、スタッフからもメンバーからも。9枚アルバムがあるから、ボックスセットなら出してもいいかな(笑)。
村松 ボックスセットって、伝説のバンドみたいだな(笑)。
生形 アナログも入れて、全部マスタリングし直してね(笑)。メンバーもちょっと天邪鬼だから「10周年だからベスト」という話にはならないんですよ。
村松 2015年に出したライブ音源(2015年リリースのライブアルバム「円環-ENCORE-」)が一応、ベスト的な位置付けなので。
武道館では一番カッコいいライブを
──10周年を記念したイベントと言えば、やはり10月7日に行われる初の日本武道館ライブですね。
生形 そうですね。「大きい会場でライブをやりませんか?」という話は何度かあったんですよ。幕張メッセとか、国際フォーラムとか。でも、なぜか実現しなかったんです。今回は10周年のタイミングだし、武道館が取れたことも奇跡的だなと。と言うか、武道館でやるのはこのタイミングしかないですよね。
村松 たぶんそうだね(笑)。今年武道館でライブをやるっていうのは、きっと何か意味があるんだろうなと。ただ、バンドとしては武道館を目指していたわけではなくて。「どこでやってもいい」という感じですからね、ずっと。
生形 うん。武道館のライブはどうしても特別になると思うけど、だからこそ、いつも通りやるのが一番いいのかなと。2年前から野音(日比谷野外大音楽堂)でライブをやっていて、指定席の会場の楽しみ方もわかってるし、何よりお客さんが喜んでくれると思うので。
村松 ナッシングスが武道館のステージに立ったときにどうなるかは僕らもわからないけど、これまでのライブ通り、お客さんと1対1でやりたいですね。どんな規模のライブであっても熱量は変わらないし、常に一番カッコいいライブをやろうとしているんですよ。それは武道館でも同じだし、僕らも楽しみです。
──根本のスタンスは変わらない、と。それは10周年のあとも同じですよね。
生形 そうですね。最初にも言ったけど、基本、音源の制作とライブしかやってないから。メジャーレーベルにいたときはアニメの曲になったりしたけど、それは俺らがやったことではなくて、そのときのスタッフがやってくれたことですからね。自分たちは10年間ずっと同じことをやってるんです、実は。それはずっと変わらないかな。
村松 音楽性は変化するでしょうけど、どう変わるかがわからないからまだ楽しめるなって思うんですよね。10年続けてきて「確固たるものを持っているバンド」と見られていると思うし、それは自分たちの自信にもなってる。同時に俺らの心の中はすごく自由なんです。バンドは続いていくし、もっと楽しめるようになるとも思っていて。今もすごくいい状態だから、このままやっていきたいですね。
- Nothing's Carved In Stone
「Mirror Ocean」 - 2018年2月14日発売
GROWING UP Inc. / Dynamord Label -
[CD] 2700円
GUDY-2021 -
[アナログ+CD] 3456円
GUDY-5003
- CD・アナログ収録曲
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- Mythology
- Mirror Ocean
- Directions We Know
- Winter Starts
- シナプスの砂浜
- Flowers
- Go Out
- Stories
- Damage
- 青の雫
- Nothing's Carved In Stone
「Live on November 15th 2017 at TOYOSU PIT」 - 2018年3月14日発売
GROWING UP Inc. / Dynamord Label -
[Blu-ray] 5184円
GUDY-3006 -
[DVD] 4212円
GUDY-3005
- Blu-ray / DVD収録内容
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- Spirit Inspiration
- Like a Shooting Star
- The Poison Bloom
- Rendaman
- Brotherhood
- (as if it's)A Warning
- Words That Bind Us
- Assassin
- Red Light
- Chain reaction
- Milestone
- Shimmer Song
- In Future
- Sing
- Out of Control
- Isolation
- November 15th
- Sands of Time
- YOUTH City
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- Adventures
- Like a Shooting Star
MUSIC VIDEO
- Nothing's Carved In Stone「Tour 2018」
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- 2018年3月8日(木)千葉県 千葉LOOK
- 2018年3月10日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年3月14日(水)東京都 WWW X
- 2018年3月16日(金)宮城県 Rensa
- 2018年3月20日(火)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年3月21日(水・祝)佐賀県 SAGA GEILS
- 2018年3月28日(水)岐阜県 CLUB ROOTS
- 2018年3月30日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2018年3月31日(土)愛媛県 WStudioRED
- 2018年4月6日(金)群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2018年4月8日(日)富山県 MAIRO
- 2018年4月11日(水)青森県 青森Quarter
- 2018年4月13日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2018年4月15日(日)北海道 函館club COCOA
- 2018年5月15日(火)愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年5月18日(金)大阪府 なんばHatch
- 2018年5月22日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
- Nothing's Carved In Stone
10th Anniversary Live at BUDOKAN -
- 2018年10月7日(日)東京都 日本武道館
- Nothing's Carved In Stone(ナッシングズカーブドインストーン)
- 2008年に生形真一(G)が在籍するELLEGARDENの活動休止を機に、日向秀和(B)、大喜多崇規(Dr)、村松拓(Vo, G)と結成。2009年2月に初ライブを行い、5月に1stフルアルバム「PARALLEL LIVES」をリリースした。同年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」などの大型ロックフェスに出演。毎年オリジナルアルバムを1枚リリースするなどコンスタントに作品を発表。2018年2月に9枚目となるアルバム「Mirror Ocean」を発表。10月7日に東京・日本武道館で結成10周年ライブ「Nothing's Carved In Stone 10th Anniversary Live at BUDOKAN」を行う。