祝10周年!ももいろクローバーZ特集 第3回 |4人が歩んだ10年とその向こう側

昔は妹だったのが、今では姉御に

──次は玉井さんの変わったところ、変わっていないところについて。

佐々木 しおりんが一番わかりやすく変わりましたね。背が伸びて、ツインテールのイメージもなくなって。キャッチフレーズも「みんなの妹」から「ももクロの若大将」に変わったし。

──ももクロに初めてインタビューしたのが2011年の神聖かまってちゃんとのツーマンライブ直後で、玉井さんがすごく眠そうにしていて、早見(あかり)さんの手をつないで何もしゃべらなくて。「うわ、子供だ」と思ったのを覚えています(参照:仲良くできたかな?ももクロ×かまってちゃん異種対決終了)。

玉井 あはははは!(笑)

佐々木 ホント子供だったよね(笑)。「眠い」とか、「お腹空いた」ってすぐ言ってた。

──今では率先してインタビューで話していますし、テレビ番組などでMCを任されることも多いですよね。

高城 頭の回転が早いんです。昔は妹だったのが、今では姉御という感じですね。

「今では姉御」と褒められる玉井詩織(写真中央)。 何に対しても好奇心旺盛な玉井詩織(写真中央)。

──では、変わっていないところは?

高城 何に対しても好奇心旺盛なところ。興味を持ったことをちゃんと行動に移せるのがすごいと思います。

百田 確かにいろんなものに興味があるし、なんでも器用にこなすのは昔から変わっていないと思います。逆に玉さんの変わったところはわからなくて……見た目の変化は一番あったけど、それ以外でなんか変わったところあるかな。

──“ももたまい”コンビとしてモノノフから親しまれていて、10年間ずっと近くにいた百田さんにとって、玉井さんは変わらない存在なんですかね。

百田 そうですね。いい意味で変わらないし、それがすごく素敵だなと思います。

──玉井さんは自身の変化についてどう感じていますか? 昔の幼かった自分の映像を観ることもあると思うのですが。

佐々木 みんなで昔の映像を観てるとき、一番恥ずかしそうにしてるよね。

玉井 恥ずかしいし、自分でも「誰だ、こいつ?」って思います(笑)。

──10年の間で、だんだんと妹から姉御のような存在に成長していったんでしょうか? それとも何かターニングポイントがあったんですかね?

玉井 ターニングポイントは特にないですね。ももクロに入って団体行動を経験したことでだんだんと変わったんだと思います。もともと団体行動は苦手じゃなかったし、学校でも大勢で遊ぶことは多かったですけど、メンバーやスタッフさんを含めたたくさんの人と生活する中で、「あっ、これじゃだめなんだ」と仕事に対する姿勢などを学んでいきました。

もう1人のあーりんが形成された

──続いて佐々木さんについて聞きたいんですけど……今回の特集でいろいろ振り返っていたら、ちょうど6年前、2012年5月のブログに「今日は あーりんの最後の乳歯ちゃんをついに抜いたのです」とあって(参照:佐々木彩夏 オフィシャルブログ 「あーりんのほっぺ」 Powered by Ameba. バイバイしちゃいました。あーりんです。)。「この人、6年前まで乳歯生えてたんだな」と不思議な感慨がありました。

百田 めちゃくちゃかわいいじゃん!

玉井 「奥歯がぐらぐらする」って言ってた! みんなで「それ、抜けていい歯なの?」って話してたの覚えてる。

佐々木 ……恥ずかしい。今では親知らずが生えてきました。

──そんな佐々木さんの変わったところ、変わっていないところはどこでしょう?

玉井 あーりんが一番変わっていないと思っていたんですけど、最近昔の写真を見て「けっこう変わったな」と思ったんです。すでに“あーりん”というキャラクターができあがっている、完成した子がももクロに入ってきたというイメージがあったのに、今見ると子供っぽくて。

百田 でも、昔からしっかりはしてたよね。あーちゃんは小さい頃から芸能界でお仕事をしてたから、ただわちゃわちゃしていたうちらより現場での立ち振る舞いをちゃんとわかっていて。あーちゃんがももクロに入ってきたときに「芸能人が来た!」と思いましたもん。

高城 あと当時、インディーズデビュー曲「ももいろパンチ」のレコーディングであーりんの担当パートを聴いて、「すごいハキハキ歌う子だな」って思いました。

──佐々木さんは当時の自分を振り返って、いかがですか?

佐々木 私も加入時はちょっとみんなとの温度差を感じましたね。「元気に挨拶をしなきゃいけない」「スタッフさんの前ではいい子にしなきゃいけない」と思っていたので、自由にしているメンバーを見てうらやましいなと感じて。どんどんみんなに合わせていきました(笑)。

高城 昔はかわいいブリブリのアイドルだったのが、最近はありのままの素の部分を出すようになって。

玉井 いや、昔もあれはあれで素のあーりんだったんだけど、もう1人の人格が形成されたんだと思う。今のあーりんの人格は昔からいたわけじゃなかったんだよ。

高城 そういうことか! あとからもう1人のあーりんが出てきたんだ!

乳歯を抜いてから親知らずが生えるまでに成長した佐々木彩夏(写真中央)。 もう1人の人格が形成されたという佐々木彩夏(写真中央)。

百田 うちらと一緒にいる中で別の人格が作り上げられたんだね。いろんなあーりんが存在するのが面白いし、モノノフさんもそこが好きなんだと思う。今はステージ上で「うっせー!」とか言うんですよ。

佐々木 (笑)。何を言ってもモノノフさんが受け入れてくれるっていう安心感があるんですよ。その空気感が長く活動できている理由の1つかもしれません。

玉井 昔だったら家に帰ってママに「あーちゃん、あんなこと言っちゃだめでしょ!」って説教されてたよね。

百田 あーりんがそういうことを言うことについて、ママからはもう何も言われないの?

佐々木 うん。何も言われない。

玉井 じゃあ、ママもももクロカラーに染まったんだね。

一番変わらない最年長

──最年長の高城さんは、見た目がどんどん若返っていく“ベンジャミン・バトン現象”が起きているんじゃないかと、ときどきメンバーから言われていますね。

玉井 昔のほうがお姉さんだった。

佐々木 でも、今のほうがかわいいよね。それと比べると昔は……。

高城 今のあーりんはこういうことを言うんですよ!

玉井 なんでも言っていいわけじゃないんだよ!

ももクロの中で一番変わってない高城れに(写真中央)。 面白くて楽しいももクロの一番大事な部分を担う高城れに(写真中央)。

──(笑)。見た目以外で高城さんの変わったところは?

玉井 昔のほうが変な人でしたね。仮眠室の端っこでサンドイッチをバラバラにして食べてて、「なんだこの人は……」と思いました。でもこの間、昔の自分のブログを読んでいたら「最近のブームはれにちゃんとパンを体で表現すること」って書いてあって(笑)、私もれにちゃんに影響されて一緒に変なことをやっていました(参照:ももいろクローバー 玉井詩織 オフィシャルブログ 「楽しおりん生活」タワレコ(・∀・))。「ランチパックと黒豆ロールパンは完成してるんだけど……」とか、今読んでもわけがわからなくて、あのときのれにちゃんって本当にヤバかったんだなと思う(笑)。

佐々木 あはははは!(笑) 昔のれにちゃんは変だったよね。

高城 そうかな? 自覚はないんだけど……。

百田 そりゃそうだよね。自覚あったら変な人じゃないもん。

高城 私は周りの人のほうが変だと思ってた(笑)。

佐々木 それ、変な人が言う典型的なセリフだよ。

百田 昔のほうが変だったかもしれないけど、れにがももクロの中で一番変わってないし、この人が最年長で安心します。ひさびさに地元の同世代の子たちと集まると、中には結婚してママになったりして、ずいぶん変わってる子もいて。一方、仕事の現場でれにと会うとそういう友達と同い年って感じが全然しなくて、「うちの最年長はこんなだからなー」って安心します(笑)。面白くて楽しいももクロの一番大事な部分を最年長がずっと持っていてくれているからこそ、私たちはいい変化をしつつも核は変わらないままでいられるんです。

玉井 れにちゃんのファンも、昔からずっと来てくれている方がけっこういるもんね。