音楽ナタリー PowerPush - 宮野真守

「うた☆プリ」を彩る爽快ダンスチューン

ありがたい出会い

──順序は前後しますが、ダンスチューン2曲に挟まれる形で収録される2曲目の「Be Mine」は、ものすごくタメの効いたR&Bバラードで。

作・編曲の小田桐ゆうきさんと作詞の前迫潤哉さんはご一緒するのは今回が初めてなんですけど、この曲はコンペで出会ったんです。ありがたい出会いだなあと思いました。一発で気に入ってしまって。

──ほかの2曲はおなじみの作家さんと話し合いながら作り上げたのに対し、この曲は直感で選んだ曲だと。

はい。バラードで、R&Bで、悲恋の歌で……という条件のもといろんな作家さんに書いてもらった中で、一番グッときたのが「Be Mine」だったんです。

──特にどんなところが印象的だったんですか?

まずはメロディでしたね。切ないメロディが絶妙に心をチクチクと刺してきて。デモには仮で英語詞が乗ってたんですけど、その英語のハマり具合もすごくよかったんです。

──EDM路線と同様に、この海外直輸入のようなR&B路線もまたアーティスト宮野真守の強力な武器になっていると思います。

それは本当に素敵なクリエイターさんとの出会いのおかげです。昨今のEDMやR&Bの盛り上がりをクリエイターの方々がうまくキャッチして取り入れてくれるので、皆さんに引っ張ってもらっているところは大きいです。

ロスとサイパン

──ちなみにこのジャケット写真はどこで撮影したんですか?

聞いちゃいます? これ聞いちゃいます? これ……聞いちゃいます?(笑)

──なんで3回言うんですか(笑)。ぜひ聞かせてください。

この青空は、ロサンゼルスです。ロスの青空。

──あれ、レコーディングでロスに行ったのは前作のときですよね?(参照:宮野真守「BREAK IT!」インタビュー

宮野真守

実はあのときすでに楽曲の制作が始まっていたんです。かなり早い段階で打ち合わせして、同時進行で取り組んでいたんですよ。前作のための撮影をしながらも、別日にはこっちも撮影していました。ブックレットにはほかにもロスで撮った写真を使っています。「シャイン」のMVはロスじゃなくサイパンなんです。図らずも国際的なシングルになっちゃいました(笑)。

──なんでサイパンを選んだんですか?

どうしても海辺を走りたかったので(笑)。撮影時期は冬だったので、海に行くには南国に行くしかないと。僕自身は、南国とは言えども国内かなとは思っていたのですが、撮影の時期などを考えて、スタッフから「サイパンにしよう!」という提案がありました。思った以上にさわやかな画が撮れてました。笑っちゃうぐらいに(笑)。ダンサーと僕、合わせて5人いるんですけど、さわやかすぎてアイドルユニットみたいですよね(笑)。

──このサウンドで海が舞台なら、さわやかにならざるを得ないですよね(笑)。海外撮影ならではのハプニングなどはありませんでしたか?

そこらじゅうに人を噛むアリがいました!(笑) そのアリの強力なこと! 全員「痛えー!」ってなってしました(笑)。アリと戦いながらも笑顔をキープしつつ、がんばりましたよ(笑)。最後は監督が「もう海に入っちゃえー!」って言ったので、みんなで飛び込んで。サイパンに行った甲斐のある映像ができたと思います。

音楽的な楽しみが満載の「うた☆プリ」

──では最後に。ナタリー読者には「うた☆プリ」を知らない、あまりアニメを観たことがない人もいると思うんですけど、そういう読者に「うた☆プリ」の魅力を解説するとしたら?

音楽が好きなナタリー読者ならかなり楽しめるんじゃないかなあって思います。「うた☆プリ」は、主人公の新人作曲家と男性アイドルたちの成長を描いた作品で、毎回放送で違う歌が聴けるんですよ。

──宮野さんはオープニングのみならず、登場キャラの一ノ瀬トキヤとしても歌っていますよね。

はい。キャラクターとして歌わせてもらっているソロ曲もありますし、エンディングで流れるメインテーマは、作中で活躍しているアイドルグループのST☆RISHが歌っています。僕が演じているキャラクターもそのアイドルグループの一員なのですが、ほかのキャラクターを演じられている方もアーティストとして活動されている方が多いし、音楽の幅も相当広いです。劇中に登場するアイドルの曲も上松さんが音楽プロデューサーとして監修されていて、上松さんを中心としたElements Gardenの楽曲が使われているので、「シャイン」を聴いて興味を持ってくれた人にはぜひ観てもらいたいですね。

宮野真守(ミヤノマモル)

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降はアニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍し、2003年にはミュージカル「『テニスの王子様』 Remarkable 1st Match 不動峰」でも高い評価を集めた。ミュージカルや出演アニメのキャラクターソングで歌手としての実力も発揮し、2008年にシングル「Discovery」でアーティストデビュー。2009年3月には1stアルバム「BREAK」を発表した。ライブ活動も積極的に行っており、2013年10月には初の日本武道館公演「MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2013 ~TRAVELING!~」を大成功に収め、2015年2~3月に開催された全国ツアー「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~」では最終公演として日本武道館2DAYSを行った。同年4月には通算12枚目となるニューシングル「シャイン」をリリース。