音楽ナタリー PowerPush - 宮野真守

「うた☆プリ」を彩る爽快ダンスチューン

宮野真守の通算12枚目となるニューシングル「シャイン」が4月15日にリリースされる。表題曲「シャイン」は宮野が声優として参加しているテレビアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの第3弾「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」の主題歌。このシリーズではおなじみの上松範康(Elements Garden)が手がけた爽快なダンスチューンだ。今回のインタビューではシングル収録曲にまつわるエピソードと「うた☆プリ」の見どころについて語ってもらった。

取材・文 / 臼杵成晃

キラキラさわやかなダンスミュージック

──新曲「シャイン」はアニメ「うた☆プリ」シリーズの最新作「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」の主題歌です。「うた☆プリ」シリーズの主題歌は原作のゲームも含め、もはやおなじみですね。

そうですね。今回も担当させていただき、本当にうれしいです。

──アニメの前シリーズ「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000%」の主題歌「カノン」はライブを意識したロックサウンドでしたが(参照:宮野真守「カノン」インタビュー)今回はひたすらさわやかなダンスチューンで。

はい、とびきりさわやかな曲になりました(笑)。テレビアニメの「うた☆プリ」主題歌を担当させていただくのは3作目になるので、今だからこそできるチャレンジがしたかったんです。それに、劇中に登場するアイドルたちの輝かしい部分、キラキラした部分を全面的に打ち出した楽曲にしたいという思いもあったので、さわやかさと明るさを意識して。

──作曲は上松範康さん、編曲は藤田淳平さんと「うた☆プリ」シリーズではおなじみのElements Gardenとのタッグですが、作詞は宮野さん自身が担当しています。これはご自分から歌詞を書こうと?

最初はそうではなかったんですよ。上松さんと一緒にダンスミュージックを作るのは今回が初めてなんですけど、上松さんが「宮野くんがこれまでやってきたダンスミュージックの流れを踏襲しつつ、新しいサウンドを作りたい」とおっしゃってくださって。それで、少しずつやりとりしながら進めていく中で、僕が作詞をするということになりました。ビジュアル的なイメージが広がる曲だったので、打合せを重ねるうちに自分なりのイメージが浮かんできて、そのビジュアルを言葉に置き換えていくような形で始まりました。

叶えたい夢を妥協なく“Chase”する

──すごく前向きな歌詞ですけど、このメロディとサウンドを聴いたらそれはポジティブな言葉しか出てこないですよね。

そうですね。ジャケットも絶対に青空しかない!と(笑)。「うた☆プリ」の作品で僕が作詞をするのは初めてだったので、歌詞として言葉にしたときに改めて「うた☆プリ」への自分の思いを再確認できました。「うた☆プリ」という作品について感じていたこと、今だからこそ感じられる思いも出てきたので、自分にとって特別な曲になりましたね。

──冒頭やサビのリフレインに出てくる「Chase」など、英語詞の乗せ方がすごく気持ちいいなと感じました。

宮野真守

そういってもらえるのはうれしいです。言葉の響きの面でも意味合いの面でも、サビに出てくる「Chase」という言葉が自分の中ではキーになっていて。さわやかに突き抜けた曲だけども、軽く流れていくような感じではなく、芯のある思いをきちんと込めたかったんです。挫折や苦しみはあるけど、自分が望むもの、叶えたい夢を追い求めていきたいという気持ちに妥協したくないという思い。それは自分にも言えることだし、作品の中に登場するアイドルたちにも言えることで。その強い思いをさわやかなサウンドに気持ちよくなじませたかったんです。僕はこういう思いを持っていて、応援してくれるファンの人たちにそれを証明していくよという、自分の活動においても指針となる曲ができました。

──言葉の響きという点で言うと、サビ前に差し挟まれるささやきがまたセクシーで(笑)。「Feel me...」「Touch me...」ときて、最後に溜めての……。

(ささやき声で)キッスミー(笑)。この「Kiss me...」の置き場所はすごく悩んだんですよ。でもやっぱここが一番なんじゃないかなって。

──この曲は2月から行われたツアー「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~」で一足早く披露されていますよね。お客さんの反応はどうでしたか?

ライブの最後にサプライズで歌わせてもらったので、みんな最初はびっくりはしていたんですけど……初めて披露する曲なのに、この曲が持つ存在感やパワーをステージ上で実感しました。ものすごく盛り上がりましたね。

セクシーな狼男EDM

──3曲目の「TRANSFORM」も同じダンスミュージックのカテゴリではあるものの「シャイン」とはまったく違って、よりダンスミュージックとしての機能に特化した楽曲だなと思いました。

ありがとうございます。宮野流EDMと言いますか。「シャイン」は上松さんならではのダンスミュージックで、この力強さや疾走感はロックの要素も入ってると思うんですよね。「TRANSFORM」はもっとEDMの方向に振り切っていて。

──かなり振り切ってますよね。

振り切っていますね。歌詞も、とてもセクシーで(笑)。実はこの曲のデモ自体はだいぶ前にいただいていて、僕にとっては満を持しての登場なんです。もともとのサウンドはもっと80's寄りだったんですけど、今だからこそできる、最新のEDM要素をTSUGEさんにどんどん取り入れてもらって。

──作・編曲は“宮野流EDM”でおなじみのTSUGEさんで、作詞は前作「BREAK IT!」のカップリング曲「Magic」で初めて組んだAmon Hayashiさんですね。

「TRANSFORM」というタイトルはデモの段階でTSUGEさんが付けていたものなんですが、今回収録するにあたって、また新しい世界観で構築したいと思って、Amonさんにこのタイトルで作詞をお願いしました。TRANSFORM=変身がテーマではあるんですけど、マインドの変身、気持ちの変化を歌ったものはこれまでにもあったので、今回はあえてファンタジーの方向に寄せて、狼男をモチーフにしてみました。そのまま狼男の世界観だとダークなホラーになってしまうので(笑)、ワイルドでセクシーな世界観にしていただきました。

──ファンタジーな世界観とダンサブルなサウンドの組み合わせとなると、今後ライブでどういう演出が観られるのかがやはり気になります。いろんな見せ方ができるでしょうね。

どうしましょうかね。いろいろやれると思うので、逆にどうしたらいいか、悩んじゃいます(笑)。でも、いろんな表現ができると思うので、この曲もライブでのパフォーマンスがかなり楽しみですね。

宮野真守(ミヤノマモル)

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降はアニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍し、2003年にはミュージカル「『テニスの王子様』 Remarkable 1st Match 不動峰」でも高い評価を集めた。ミュージカルや出演アニメのキャラクターソングで歌手としての実力も発揮し、2008年にシングル「Discovery」でアーティストデビュー。2009年3月には1stアルバム「BREAK」を発表した。ライブ活動も積極的に行っており、2013年10月には初の日本武道館公演「MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2013 ~TRAVELING!~」を大成功に収め、2015年2~3月に開催された全国ツアー「MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~」では最終公演として日本武道館2DAYSを行った。同年4月には通算12枚目となるニューシングル「シャイン」をリリース。