母と一緒に謎の号泣

──「キンスパ」では「春空」を初披露していましたが、ライブで歌ってみてどうでしたか？

楽しかったですね。めちゃめちゃ緊張しましたけど。生バンドでしたし、全身で楽しもうと思って歌わせていただきました。

──アルバムには、ほかにもライブで盛り上がりそうな曲がたくさんありますね。

そうですね。曲を並べてみてから気付いたんですけど、アルバムはライブのセットリストみたいな曲順だなって。前半ではアップテンポな応援ソングが多めで、後半からはちょっとクールやダークな部分を見せつつ、最後は感動的な曲で歌い上げるという。

──アルバムの最後を締めくくるのは表題曲の「Innocent flower」です。これを最後に持ってきたのはなぜですか？

ライブイベントではいつも2ndシングルの「harmony ribbon」を最後に歌っていて、アルバムもこの曲で締めるというのが当初の予定だったんです。「これを超えるような楽曲に出会えるといいね」という話をみんなとしていたところ、「Innocent flower」のデモが届いて。私はデモをいただいたらいつも親と聴くんですけど、この曲を聴いたときは、母と一緒に謎の号泣をしました（笑）。心から自分の好きな曲調で、母も私と趣味やセンスが似ているので「本当にいい曲だね」って泣いていました。結果的にアルバムのタイトル曲になるとまでは思ってなかったですけど、そういうことをすべて予知した涙だったのかなって思います。

大きな家に住みたい

──今後も作品を重ねていく中で、自分で作詞や作曲をやりたいという気持ちはあります？

私はまったく楽器ができないし譜面も読めないので、作曲はまだわからないですね。でも、お芝居など言葉と密接なお仕事をしているので、作詞にはいつか挑戦してみたいなと思いつつ、あまり厳しくない環境でやりたいです。怒られるのが嫌なので（笑）。優しい人たちに囲まれて書ける空間があるならばぜひトライしたいです。

──今後の具体的な目標はありますか？ 例えば、1人で武道館に立ちたいとか、「紅白歌合戦」に出たいとか。

えー、なんだろう……あまり考えたことなかったです。

──将来のことだったり、人生設計については？

20代、30代はすっ飛んで40代くらいからの設計はあります。大きな家に住みたいっていう（笑）。

──そこまでは自分のやることを、ただがむしゃらにがんばると。

そうですね、「何歳で何をしたい」とかはあまりなくて。今も20歳でソロデビューしたときから変わってないですし。でも、たまに街で声をかけられることがあって、「あ、知られてるんだなあ」って実感する機会が多くなりました。自分は普通の人間だと思っているので、あまり「声優だぞ！ 歌手だぞ！」って気持ちはなくて。普通の心を忘れずに普通に毎日いろんなところに出かけたいです。アニメイトに行ってバレずに自分のCDを買うとか。店舗にご挨拶に行った2日後くらいにしれっと行って購入特典をもらいたいです（笑）。

──余談ですが、ここ最近ハマっているものなどありますか？

水族館に行くのに半年くらい前からハマってますね。深海生物とか気持ち悪いやつを見て、「向こうからは私はどう見えてるんだろう？ めっちゃ気持ち悪がられてるのかな？」って考えてます。人間じゃないものに触れる趣味が増えてきて、今は蛇カフェに行って蛇を首に巻いてみたいです。

──蛇は怖くないんですか？

怖いです。でも人間いつか死ぬし、どうせなら死ぬまでになんでも体験しといたほうがいいと思うんですよね（笑）。