ミュージカル女優としてのワガママが発揮されたステージ演出

──ここからは11月25日にリリースされるライブBlu-ray / DVD「Fun! Fun! Fantasic Funfair」について、音楽ナタリーに掲載した当日のライブのレポート記事（参照：三森すずこ、圧巻演出と恒例サプライズで舞浜に新たな“遊園地"を作り出す）を引用しつつ、伺わせてください。

はい。

──ではまずは三森さんの音楽ライブ観についてのお話を。

「Fun! Fun! Fantasic Funfair!」
2015年6月28日 舞浜アンフィシアター

4月にリリースされた2ndアルバム「Fantasic Funfair」を引っさげて行われた今回のライブ。この日の三森は移動遊園地を意味する“Funfair”の“支配人”としてオーディエンスを“ファンタジック”な遊園地の世界へと誘う、演劇性の高いステージを展開した。

──「Fun! Fun! Fantasic Funfair」に収録されている6～7月の千葉・舞浜アンフィシアターのライブもそうだし、昨年6月のライブツアーもそうだったんだけど（参照：三森すずこ、ミモリアンとの“大好きっ”あふれたツアー最終日）、三森さんはダンスも演出もばっちりキメる、ショーアップされたライブを作りますよね。

もともとミュージカルをやっていたから思考が演劇寄りな感じなんです。

──Tシャツ一丁で出てきてマイク1本で歌い上げるみたいな発想は……。

あまりないですね。で、今回は移動式遊園地をテーマにしたアルバム「Fantasic Funfair」のリリースを記念したライブだったから、記事に書いていただいた通り。まずアルバムを聴いて耳で遊園地の世界を楽しんでもらった上でその遊園地の世界を目で味わってもらいたくて。ライブでは「Fantasic Funfair」の世界を三次元的に具現化したステージを作りたかったんです。

──そしてアンフィシアターでできうることはすべてやる、みたいなライブを繰り広げた。

そうですね。空も飛んだし、その直後には奈落にも落ちたし、メリーゴーラウンドにも乗ったし……。

──透過型スクリーンを使った派手な映像演出もあったし。

ほとんど私のワガママなんですけどね（笑）。「この曲では空を飛びたい」とか「この曲ではメリーゴーラウンドに乗りたい」とか「映像と私が一体になるような演出がほしい」とか、思いつくままやりたいことを言ってみたら、舞台監督さんたちが「じゃあこういうふうに飛んでみようか」とか「それは難しいけど、これならできるよ」ってプランニングしてくれて、あのステージが完成したんです。

私の負担は全然勘定に入ってません！

──で、のっけから三森さんの「これやりたい」が詰まったド派手な演出が繰り出されたからビックリさせられたんですけど、「これやりたい」って言ってるときの三森さんって、プレイヤー三森すずこの負担については……。

全然勘定に入れてません！

──ですよね（笑）。1曲目の「Fantasic Funfair」と2曲目の「ときめいてDream」の間に衣装の早替えをしてましたけど、あれ、ホントの意味での早替えでしたし。

出ハケ（ステージを出たり入ったりすること）の時間を含めても15秒、着替え自体は正味7秒くらいでやってますから（笑）。でも「曲間を空けずに早替えしたい」って言ってるときって「なんとかなっちゃうだろう」と思ってるし、ちゃんとリハーサルを重ねておくと、ホントになんとかなっちゃうんですよね（笑）。