白熱の“M!LK内オーディション”
──通常盤収録の「Sparkle」についてはいかがでしょう。「Bad Liar」とはがらりと雰囲気の異なる、優しい雰囲気のポップソングです。太智さんが担当している歌い出しが、ラジカセ風のアレンジも相まってすごくキュートですね。
塩﨑 今言っていただいた歌い出しのパート、実はオーディションだったんですよ。
吉田 全員が同じパートを歌ってみて、あとで歌割りを決めるっていう。
山中 この曲、オーディションのパートが2カ所あったんです。歌い出しは太ちゃんが採用されて……もう1カ所、どこだったっけ?
──最後のサビ前の「1ミリだって君を取りこぼさず抱きしめたいよ」ですか? このパートの仁人さんのボーカルがすごく印象に残って。
塩﨑 おー、そうです! そのパートは吉田さんが勝ち取りました。
山中 (小さい声で)僕、ここ歌ってない気がするんだよね……。
曽野 いや、絶対歌ってるよ!
佐野 自分は土俵に上がってないみたいな言い方!(笑)
一同 あはははは!
吉田 オーディションはたまにあるんですけど、1曲の中に2カ所あるのは珍しかったですね。このパートに関しては僕、仮歌を聴いた段階から「絶対欲しい」と思ってたんです。
一同 ヒュ~!
塩﨑 久しぶりの闘争心出た!? EBiDAN 39 & KiDS時代以来の闘争心!(※吉田や塩﨑はEBiDAN 39 & KiDSとしての研究生時代、ユニット曲などのオーディションにたびたび挑戦していた)
吉田 (笑)。とにかく絶対歌いたいなと思ってたの。だから昨日もさ、家でこの曲を聴いてたんだけど……「よし!」ってガッツポーズしました。
塩﨑 このパートだけ、何回か聴いたでしょ?
吉田 (満面の笑みで)3!
一同 あはははは!
吉田 1回聴いて、20秒戻して間奏からまた聴いて……。
山中 (爆笑しながら)あー、面白い。
佐野 でも実際いいんだよな。僕も3回くらいリピートして聴いたもん。自分で聴き返すのはどうかと思うけど。
塩﨑 僕も“2冠”狙ってたんだけどなあ。
──気合いを入れて臨んだんですね。
塩﨑 はい。それはもう、念入りに練習して。
山中 じゃあ、あのラジカセみたいな声色も練習して?
曽野 あ、あの声って加工じゃなくて太ちゃんの地声なんだ?(笑)
塩﨑 そうじゃなくてさ、ラジカセの加工が入ったときに自分の声がどう映えるか?っていうことを考えて……。
一同 あはははは!
佐野 腹立つー!(笑)
山中 でも僕たち実際負けてるから。
曽野 何も言えん(笑)。
吉田 オーディションの話で盛り上がりすぎましたけど、この「Sparkle」は穏やかな空気感があって、それが僕らの曲にはあまりないテイストだなと思ってます。
山中 曲自体が太ちゃんの雰囲気に合ってるんだよね。
──勇斗さんの「今日もギリギリ耐えてる」の歌い方も凝っていて素敵だなと思いました。ちょっと演技が入っている感じというか。
佐野 ありがとうございます。ここもオーディションだったんで!
曽野 してないよ。
僕らアドリブが大好き
──今作ではさまざまな場面でメンバー自身が制作に携わっているとのことですが、ほかにメンバー発信で進んだものはありますか?
山中 衣装に僕が少し。僕は基本ライブ衣装のプロデュースしかやらないんですけど、「ブルーシャワー」の衣装の打ち合わせに居合わせて。スタッフさんが勇ちゃんと仁ちゃんの衣装を迷っていたので、そこは僕が決めさせてもらいました。
──そうだったんですね。今作は本当にあらゆる場所でメンバーが作品作りに携わっているんですね。
塩﨑 そうすることでもっといい方向にね、行けばいいですよね。
山中 ただバランスは大事だけどね。自分たちの色を濃くしすぎて、客観的な視点から見たよさが失われちゃってもあれだから。
曽野 そこはバランスを見つつって感じだね。
──現在開催中の全国ツアー「M!LK CONCERT TOUR 2024『HERO』」についても聞かせてください。現状は福岡での初日2DAYS公演を終えたところですが、スタートしてみての感触やみ!るきーず(M!LKファンの呼称)に期待してほしいことなどがあれば。
吉田 まだ2公演を終えた段階ですが、めちゃくちゃ楽しいです。前回の「M!LK 1st ARENA "HAPPY! HAPPY! HAPPY!"」が王道と言える構成のライブだったんですけど、今回の「HERO」は太智が遊び心を効かせてくれている感じがあって。曲のセレクトも、けっこうリード曲以外が多めなんです。
佐野 確かにね! そうだわ。
吉田 ライブの定番の流れからあえて外している構成なので、僕らは新鮮な気持ちでステージに立てるし、観ている皆さんにも驚きがあるんじゃないかなと思います。
曽野 本当に、今までにないライブという感じだよね。M!LKの歴史に深く残るようなライブになっていると思います。
佐野 あと、今回のライブはアドリブを利かせられる感じなんですよ。僕らアドリブが大好きなんで(笑)。驚きもあるしテンションが上がるから、本当に楽しいですね。
吉田・曽野 それはそう。
塩﨑 初っ端の公演から、準備してきた通りにやってる人がいないんですよ!
佐野 はい、予定調和ではやっていないです。
吉田 ホントに好き勝手やってるよな(笑)。
塩﨑 まあでも、ツアーの醍醐味でもあるからそれでいいと思うよ。
吉田 のびのびとライブをやらせていただける感じが楽しいですね。これから来るみ!るきーずも楽しみにしておいてもらえたら!
変わらない“夢への距離”
──では最後に。皆さんが学生の頃に思い描いていた目標や未来の理想像と今を比べてみたとき、そこに差異はありますか?
佐野 今僕が26歳ですけど……両親が27歳のときに僕が生まれたこともあって、けっこう大人な年齢だと思っていたんですよね。だけど自分の内面は学生時代から何も変わっていない感覚です。ドームツアーをしたい、有名になりたいという思いも当時から変わらないし、本当に何も変わらないけど、それでいいのかなって。
塩﨑 変わらないでいられることがすごいことなのかもしれない。
佐野 変わっていかなきゃいけない部分もあるかもしれないけど、変わらず夢に向かって突き進んで、たくさん感情を動かされて自分も動かす立場になって。そういう人生を歩めているのは幸せなんじゃないかと思います。
──勇斗さんはM!LK結成当時からドームツアーの夢を公言されていますが、その夢への“近付き具合”に関してはいかがですか? 変化を感じるでしょうか。
佐野 ここは「変わった」と言う場面かもしれないんですけど、それが感覚的にはあんまり変わってないんですよ。高校生の頃は何も難しいことを考えず、まっすぐに「行ける」と思ってた、変な自信がある感じだったんですけど、今は「けっこう厳しいかも」という時期を乗り越えて近付けている感触があって、その距離は同じくらいの感覚なんです。
──学生時代は無邪気に思い描いていた夢が、現実のものとして近付いてきている。
佐野 最初はただただ「行けるでしょ」と思っていけど、10代後半、20代の初めの頃に「このままだと難しいかも。がんばらないとヤバいな」と現実的に考えるようになって。そこからがんばっていろんなことを乗り越えた先で「行ける」と思っている今、という感じですね。でもまだまだ、ここからさらにがんばらないといけないなと考えています。
──2024年の目標も、すでに1つ叶えていますしね。
佐野 次は富士山あたりが来るかな。これは自分たちが行くか行かないかだし(笑)。僕、超登りたいよ。富士山!
山中 最悪5人だけでも行く?
曽野 自分たちでカメラ持ってね。
吉田 やだよー。登ってきてよ。
塩﨑 そんなこと言ってるメンバーが「みんなと登れてよかった~」とか泣き出すんですよ。
一同 あはははは!
ライブ情報
M!LK CONCERT TOUR 2024「HERO」
- 2024年3月30日(土)福岡県 福岡サンパレス
- 2024年3月31日(日)福岡県 福岡サンパレス
- 2024年4月13日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2024年4月14日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2024年5月5日(日・祝)大阪府 オリックス劇場
- 2024年5月6日(月・振休)大阪府 オリックス劇場
- 2024年6月8日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
- 2024年6月9日(日)神奈川県 ぴあアリーナMM
プロフィール
M!LK(ミルク)
2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。グループ名には「何色にも染まることの出来る存在に」という意味が込められている。2015年3月、「コーヒーが飲めません」でCDデビュー。2021年11月、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビューシングル「Ribbon」をリリースした。2023年10月にはグループ史上初となる横浜アリーナでの単独公演を開催。2024年1月にシングル「Kiss Plan」を、5月にメジャー5枚目のシングル「ブルーシャワー」をリリースした。3月からは全国4都市を巡るツアー「M!LK CONCERT TOUR 2024『HERO』」を開催中。結成9周年を記念した「BIG LOVE YEAR」プロジェクトも実施している。