M!LK|今の僕らが投げられる“スーパーまっすぐストレート”を君へ

夢が叶ったときに初めて完成する曲

──そしてカップリング曲の「夢路」は、メンバーの皆さんが作詞した曲ということで。

佐野 5人全員で作詞するのは初めてでしたね。

山中 この曲の作詞は、合宿中に与えられた課題の1つだったんです。司令を受けた太ちゃん(太智)と僕が中心となって一度作り、そのあとにみんなから言葉を集め直して、仁人くんと僕で調整して、最後にみんなで会議をして……という流れで、かなり時間をかけて作りました。

佐野 柔太朗が相当がんばりました。

山中 M!LKのメンバーは個性的だから、言葉にもそれぞれの個性が出るんですよね。だから統一感を出すのが難しくて。仁人くんがうまいことまとめてくれて、さすがだなあと。

吉田 2人で考えていた時間、計24時間くらいあったよね?

山中 そうだね。朝方まで、2日間くらいかけて。最後は“吉田パワー”でねじ伏せてくれました(笑)。

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──完成した歌詞には、5人それぞれが考えたフレーズが入っているんですか?

吉田 入っていますね。入れられなかったフレーズも、そのエッセンスを感じられる言葉に置き換えたりしているので、みんなの総意がちゃんと入ったものになりました。

山中 説明させていただくと、夏ツアーのファイナルを「共に泣いたあの日」として、今の僕らとこれからのことを歌っています。1番の歌詞がメンバーの中だけで完結する内容で、2番がみ!るきーずと僕らのこと。そして最後のセクションが僕らの夢の話なんですけど、2番までは「あのステージ」と歌うのが、最後に「このステージ」になるんです。これは、僕らの目標の舞台であるドームツアーのステージに立った目線で歌っているからで。ドーム会場で歌う前提で作っているので、夢が叶ったときに初めて完成するんです。

吉田 みんなで考えてそうしたんだよね。柔太朗が1番のAメロ用に作っていたフレーズを半分にして2番に持っていったり、ホントに何度もやり直してパズルみたいに組み上げていきましたけど、完成形はすごくスッキリまとめられたと思います。

対極の性格に見えて、実は同じようなことを考えている

──それぞれの思いが詰まった言葉を集めてまとめ上げていく中で、「この人、こんなことを思っていたんだ!」と発見があったりはしましたか?

吉田 それで言うとさ、太智の歌詞は意外じゃなかった?

塩﨑 僕、1曲分まるまる書いたんですよ。

吉田 それが激アツなんですよ。「俺に付いて来いよ、今ここから走り出すんだ!」みたいな。いつもニコニコ、楽しいことだけしているみたいに見える太智だけど、意外と熱いことを考えているんだなという。

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山中 サビの冒頭、「燃やせ今」ですから。

吉田 で、面白いのが、勇斗に「サビ、どんな言葉がいい?」って聞いたら、同じようなことを言ってきたんですよ。

佐野 そう。俺「走れ今」って提案した。

塩﨑 マジか!

吉田 対極の性格に見えて、実は同じようなことを考えているんだなと。あとは英語の部分を舜太が作ってきてくれたんですけど、それがめちゃくちゃおしゃれで。

山中 よかったよねえ。

吉田 「これはさすがに入り切らないよ」というくらいのボリュームで考えてきてくれて。その内容がね、舜太は少年っぽさがあると思うじゃないですか。けっこう大人なんです。それも意外でしたね。

──ちなみに、歌割りには意味があったりしますか?

山中 基本的には、それぞれ自分が書いた歌詞やフレーズが出てくるパートを歌っていますね。

曽野 「5人の魅惑の勇者」というところは、みんなで歌ってる。

山中 そうだね。なので1つひとつに意味は持たせていますね。

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「守りたい」という気持ちは、僕らの原動力に

──合宿などもそうですが、今デビューの準備を進める中で改めてM!LKというグループについて考える機会はきっと増えていますよね。

佐野 そうですね。この5人の体制になってもうすぐ2年が経ちますけど、メジャーデビューをすることになり、いろんな仲間が増えていく中で、今が一番いい状態だなと思えているというか。僕らが7年前からずっと掲げているドームツアーという夢に向かって、みんながしっかりと同じベクトルで進めている感覚があるんです。実は、ドームツアーのことを口に出し始めた当初って、具体的なイメージはあまりできていなかったんです。今だって遥か先の夢だとは思うけど、でも実際に5人でステージに立つ姿がイメージできるようになってきた。だから、ここからギアをさらに上げてがんばっていかないとなっていう気持ちもあります。ここから3、4年は本当にがんばりどきだと思うから「人生で一番がんばった」と言えるようなこれからにしたいです。「Ribbon」という素敵なメジャーデビュー曲にも出会えたし、まずは2月のパシフィコ横浜に向かって進みたいと思います。

山中 夏ツアーのファイナルはさ、すごくいいライブだったけど、みんなの涙も含めてのいいライブになっちゃったからさ。

塩﨑 わかる。僕ららしさはそこじゃないよね。

吉田 もっと観てくれる人をワクワクさせることで自分たちのベストを出していかないとだよね。

──ドームツアーの夢の話、これまでは主に勇斗さんが発言していたと思うんですけど、夏ツアーの最後に仁人さんが明言していたり、メンバー皆さんが口にするようになっているところに自分はM!LKの変化を感じました。

山中 確かに。仁ちゃんはこれまであんまり言わなかったもんね。

吉田 そうだね。いや、もちろん思ってはいたんですけど、口にするのはここぞというタイミングだけでいいのかなと考えていたんですよ。勇斗がいつも言ってくれていたから「自分は違うことを言おう」という気持ちもあって。だけど夏ツアーのときは、それが今一番口にしたい言葉だと思ったので言いました。

──そうだったんですね。

吉田 僕らを応援してくれる人がもっともっと増えることで、その夢への道が拓けると思うのですが……なんというか、きっと大事なのは変わらないことだよなって。今、僕らメンバーの間には確固たる信頼みたいなものがあるので、それが変わらないでいてくれたらと思います。過去の自分はメンバーに弱音を吐けることがなかったんですけど、今この4人には弱音が吐けるんです。そういう関係性でいられているから、すごく大事にしたいんですよ。「守りたい、このグループ」という感じなので、僕はみんながずっとニコニコ笑っていられるようにしたいなと思っています。

曽野 めっちゃ刺さった……。

──その「M!LKを守りたい」という気持ち、自分は夏ツアーで皆さんが挨拶している姿を見て、仁人さんだけでなくメンバーそれぞれから感じ取りました。勇斗さんが「本当に、M!LKでいてくれてありがとう」と4人に向かって伝えていたのもそうだし、「みんなホントにこの場所が好きで守りたいんだな」と思えたんですよ。

一同 ああー。

吉田 そうなのかもしれない。そうやってみんなが同じ気持ちで前に進めることも奇跡だと思いますし……もちろんファンのみんなに対してもね。過去には悲しい思いもさせてしまっていると思うから、これからはそういうことがないようにしたい。「守りたい」という気持ちは、かなり僕らの原動力になっていると思います。

山中 「守りたい」……キたね。

曽野 これ、めっちゃカッコいいね。

佐野 よし、次のシングルのタイトルは「守る。」にしようぜ!

塩﨑曽野山中吉田 だっさ!(笑)

ライブ情報

M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER
  • 2022年2月13日(日)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
M!LK(ミルク)
M!LK
2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。いろいろなものに混ざりやすく、さまざまな形状に変化することのできる“変幻自在”のユニットを目指して活動している。2015年3月に「コーヒーが飲めません」でCDデビューし、2018年11月発表のシングル「Over The Storm」では、オリコンウイークリーランキングで自身最高2位を獲得した。2019年11月には結成5周年を記念したシングル「ERA」をリリースし、翌2020 年3月には3rdアルバム「Juvenilizm -青春主義-」、9月には4thアルバム「HOME MADE CHU!?」を発表。2021年11月に、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビューシングル「Ribbon」をリリースした。