僕らビクターに入ったんだな

──夏のツアー終了直後にメジャーデビューへ向けた強化合宿を行い、あと2カ月弱でデビューシングルリリースという現状ですが（取材は10月上旬に実施）、今までの活動と比べて変化を感じる部分などはありますか？

吉田　これ聞かれたことないね。意外な質問。

塩﨑　僕はレコーディング。新しい環境で録るようになったんですけど、自分的にはそれがすごく新鮮で。たくさん飾られているニッパーくんの銅像を見ると、「僕らビクターに入ったんだな」と実感しますね。

佐野　あとは事務所のマネージャーさんのほかにビクターのスタッフさんが現場に付いて来てくださってアドバイスをくれたりするんですけど……そんなに大きな変化は今のところないね？

吉田　そうだね。まだチュートリアル段階というか。CDを出してから、ライブをやってからじゃないと、わからないことがまだまだあると思います。ただ、1つひとつが新鮮だよね。

一同　そうだね。

──5人の雰囲気はどうですか？

塩﨑　なーんも変わってないね！（笑）

曽野　でも、それがいいところだよね。

今の僕らが投げられる“スーパーまっすぐストレート”

──そして、メジャーデビュー曲として「Ribbon」が完成しました。この楽曲について、皆さんはどんな思いを持っていますか？

吉田　「Ribbon」はもう、思いがこもったまっすぐな恋愛ソングですね。と同時に、いつもお世話になっている園田健太郎さんが歌詞を書いてくれたので、僕たちが今届けたい気持ちを凝縮したメッセージソングにもなっていて。1つひとつの言葉を読み込むほどに僕たちの思いが届くのかなと思います。デビュー曲になりますけど、僕らの今までを踏襲していることもしっかりと感じられるので、自信を持って出せるメジャー1発目の曲になりました。

佐野　ストレートに聴いたら王道のラブソングだけど、「僕たちとファンのみんなが結んだリボンがほどけませんように」という願いもこもっているのがいいよね。

塩﨑　「コーヒーが飲めません」と一緒で、デビュー曲って“一生モノ”の大切な曲なので、ホントにいい曲でよかったなと思う。

曽野　何百もある候補曲の中からスタッフさんが厳選してくれたんですけど、初めて聴いたとき、僕ら全員めちゃくちゃ盛り上がったんですよ。夏ツアーの北海道公演終わりの車中だったんですけど、「うおー！」と目がバチッと開いた感じ。M!LKって曲に関しては意見が分かれることも多いんだけど、これに関しては満場一致で。

──そうだったんですね。自分は「Ribbon」を聴かせてもらったとき、変わっていない部分と変わった部分があるなと思ったんです。まず、こういう優しい曲調のラブソングって、これまではあまり表題曲にはならなかったですよね。

吉田　そうなんですよ！ ちょっとクセのある元気な曲とかさわやか系の曲がほとんどで。

山中　確かに、この感じあまりなかったね。

吉田　僕は最初に聴いたとき、恵比寿ガーデンプレイスの景色がパッと頭の中に浮かんだんですよ（笑）。ちょっと大人っぽいし、王子様っぽいというか……。

──歌詞に今のM!LKのムードが映し出されているというポイントは、過去の曲にも見られたM!LKらしい要素でもあると思うんですけど、これまでだったら表題曲にはならなかったであろう曲調の歌を、包容力を感じる表現で歌っている皆さんの歌声を聴いて、M!LKが1歩進んだことをすごく感じたんですよね。

塩﨑　なるほど……！

佐野　確かにそうで、ファンの方も「今までと何か違う」ってコメントしてくれたりします。「メジャーデビューして選ぶ曲が変わったね」とか。

──だから、皆さんが満場一致で「この曲いい！」と盛り上がったという話は興味深いなと思いました。

一同　確かに。

山中　誰も変化に逆らわなかったんだね。

吉田　なんでしょうね、これまでだったらもっと少年っぽい部分を残していたのかもしれないけど。この曲の“王道感”は、今の僕らが投げられる“スーパーまっすぐストレート”という感じがするんですよね。

歌詞を見たときから歌いたいと思っていた

──先ほど仁人さんが「今届けたい気持ちを凝縮している」とおっしゃっていましたが、歌っていて特に気持ちが入るフレーズはありますか？

佐野　僕は「君が触れる 僕ら笑う モノクロじゃない 君がくれた 景色 世界 色が咲いて行く」というパートからの流れですね。みんながいるから僕らは輝けるというか、み！るきーずがペンライトを照らしてくれるから、真っ暗な世界に花が咲くんだと思う。そのあとの歌詞で「ありがとう」とストレートに伝えるのが好きだし、「ありがとう」は自分のパートなので、気持ちが入ります。

吉田　僕は1番と2番のBメロ冒頭の「四六時中君なんだ」というところ。「君のことしか考えられない」ということをすごく言葉巧みに表現しているなと思うし、僕が好きな感じの言葉使いで……歌詞を見たときから歌いたいと思っていたんですよ。

佐野　そうなんだ。

吉田　そうしたら歌割りをもらえました！ 歌えてよかったですし、やっぱり気持ちが乗ります。

──太智さんはどうですか？

塩﨑　僕の歌割りを見て、何か気付きませんか？

──なんでしょう……？

塩﨑　「胸の中刻まれた君の笑顔」「君が触れる 僕ら笑う」……この曲に出てくる“笑顔”の歌詞、全部僕が歌ってます。

──なるほど。確かに太智さん、いつも笑顔のイメージがありますもんね。

塩﨑　自分的にも歌いやすくて。カッコよく決めるのもいいけど、いつもの自分と同じだから楽な気持ちがあって。だからここの歌詞が好きですね。

曽野　僕は「君に選ばれるその為に 僕はここにいる」。この歌詞はグンときますね！

吉田　「グンと」ってなんやねん（笑）。

曽野　「グッと」を超える「グンと」です！ ここの振り付けが王子様っぽいというか、プロポーズ感のある動きなんですけど、それも好きで。「僕はここにいる」と歌うときの、勇斗くんの声の出し方も好き。

吉田　再現できる？

佐野　（ダミ声で）僕～はここに～♪

一同　あはははは！

吉田　喉焼けちゃってるじゃん！

山中　（笑）。僕は「照らされて行く僕の気持ち 君は気付いてる？」一択ですね。この、もどかしい感じがいいんです。男って気持ちを伝えたいのになかなか伝えられなかったりするから、共感してくれる方も多いかなと思います。

塩﨑　クウーッ！

吉田　「Ribbon」ってさ、み！るきーずがお姫様のような気持ちになれる歌詞だよね。

曽野　真冬に聴いたらより一層いいと思わない？

──リリース後の季節にすごく合っていますね。

吉田　確かに、クリスマスの1カ月前か！ ちょうどいいね。広まってくれたらいいなあ。

“思い人”のことを考えながら

──「Ribbon」のレコーディングはいかがでしたか？

佐野　この曲は伝えたい思いが明確にあったので、歌詞をしっかり読んで気持ちを歌に乗せた感じでしたね。

吉田　よかったですよ。強い歌声ながらも繊細な感じがあって。

佐野　あざっす！

吉田　僕、この曲がすごく好きだから、レコーディングもすごく楽しくて。テンション爆上げ、ノリノリで歌いました（笑）。

山中　僕はね、やっぱり“思い人”を想像しながら歌うのが一番いいと思ったので。み！るきーずのことを考えながら歌いました。

曽野　レコーディングのとき、自分は少し照明を暗くしてもらいました。大きいステージで青いライトを浴びながら歌っているイメージを思い浮かべて……。

佐野　舜太くん、照明を暗くしすぎて歌詞間違えが一番多かったって聞きました。嘘だけど（笑）。

曽野　ちょっと！（笑）

塩﨑　自分は歌割りのフレーズ的に「声を明るく」とリクエストされることが多かったので、眉毛をめっちゃ上げながら歌いました！

──解説ありがとうございます（笑）。ちなみになのですが、この「Ribbon」というタイトルには「Reborn（再生）」という意味も込められていたりするのでしょうか……？

吉田　それ、僕らも考えたんですよ。

塩﨑　でも正解は知らされていなくて。

吉田　ちょっとはあるんじゃないかな？とも思うんですけど……でも「Ribbon」だけで十分素敵なタイトルなので、そこまで深く考えなくてもいいのかな、という感じのテンションでいます。