ナタリー PowerPush - MUSIC LOVES SOUND 大好きな音楽には、大好きな音で。Sony's Headphones

大好きな音楽には、大好きな音で。 Vol.3 西寺郷太(NONA REEVES)× MDR-1

自分の好きな音楽に合わせてヘッドホンを選ぶ。それだけで、大好きな音楽がイキイキと響き出す。

音楽を最大限に楽しめるように、音楽性にあわせたさまざまなラインナップをそろえるソニーのヘッドホン&イヤホン。「大好きな音楽には大好きな音で」をテーマにしたこの特集第3弾となる今回は、どんなジャンルの音源にも確かな音質を提供するというMDR-1シリーズをフィーチャーした。ナタリーでは、NONA REEVESでの活動のほか、さまざまなアーティストへのプロデュースワークでも活躍する西寺郷太にMDR-1の魅力を尋ねた。

Interview with 西寺郷太(NONA REEVES)

立体感が魅力のMDR-1で音楽を聴けば、1曲でとにかくいろんな体験ができる
西寺郷太(NONA REEVES)

──まずは、MDR-1を試してみた大まかな感想を教えてください。

1973年生まれの僕は、小学生の頃に世界中に広がった「WALKMAN旋風」の直撃を受けた世代です。そういうこともあり、“街を歩きながら音楽を聴く”のは当たり前。自分の部屋でも、ソニーのダブルカセットデッキCFS-W80を愛用し、ヘッドホンで音楽を聴くのが大好きでした。今も何機種か持っていますが、その中の1つが今回試したMDR-1と同じソニーのMDR-CD900STですね。自宅スタジオでのレコーディング用に3つ保有してます。MDR-CD900STは音楽制作者に向けたモニター用のモデルということもあり低域が少し抑えられているように感じるんですけど、慣れると音がわかりやすい。だからリスニングでも活用しています。その印象を踏まえて今回MDR-1を試してみたら、MDR-CD900STのいいところは残しつつ、より心地よく低域を感じられて楽しくリスニングできました。「これだったんですよ」っていう感じのサウンドというか。

──「これだった」というのは?

ヘッドホンって高いものはいくらでもあるけど、音響的にハイスペックだから聴いていて気持ちいいというわけじゃないんです。MDR-1は必要以上に味付けを濃くせず“飽きずに音楽を楽しめる”スタンダードさを保ちつつ、それでいて「今」を感じさせる“くっきりしつつビシっとしたサウンド”を両立させている。音の作り具合がちょうどいいんですよ。どんな年代のどんなジャンルの音源でも、MDR-1は高級感のある音源を提供してくれるので、このモデルに慣れてしまうと、別のモデルで音楽を聴くのが疲れてしまうかもしれないですね。あと僕はマイケル・ジャクソンの「Rock with you」や「Billie Jean」を1日3回くらい聴いて育っているので、よくマイケルをかけると仲間に「またかよ」って笑われるんですけど(笑)、それには意味があって。例えばレコーディングエンジニアがドナルド・フェイゲンの「The Nightfly」をスピーカーで鳴らしてスタジオ自体の鳴りを確認するように、身体や耳にしみ込んでるマイケルのそれらの曲を聴けばヘッドホンの特性や自分の体調なんかもすべてがわかるんです(笑)。ちなみにMDR-1で「Rock with you」を聴いたら、イントロのドラムのフィルインが目の前を回っていくような感覚を体験できたり、さらにストリングスの豊かな響きやホーンの配置が立体的に体感できて、気持ちよかったですね。

──今回はMDR-1でリスニングするのにオススメの楽曲を選んでいただきました。

西寺郷太(NONA REEVES)

まずはNegiccoの「愛のタワー・オブ・ラヴ」。これはNegiccoに楽曲提供などをしているconnieさんが、もともとNONA REEVESのファンだったことがきっかけで僕にプロデュースを依頼してくれて作った曲です。普段僕がプロデュースする場合、最近はアレンジや演奏を信頼する仲間に頼むことが多かったんですけど、この曲に関してはギターと中間部のエレピ(エレクトリックピアノ)を奥田健介に頼んだ以外、全部自分でプログラミングしています。だからこそ、どんな響きを追求した楽曲なのかが自分でよくわかっているんです。それを踏まえてMDR-1で聴いてみたら、ディレイやリバーブなどの効きがよく再現されていたし、イントロで鳴らしているシンセベースも脳天を突くように鮮明でした。改めてMDR-1はちょっと驚くくらい立体感を意識したヘッドホンだなと思いましたね。アイドルの曲ではほかに、僕がリミックスしたbump.yの「COSMOの瞳 (EXTENDED 12" REMIX)」という曲も試してみましたが、80年代的なサウンドを再現したうごめくシンセバッドの音が自分の意図した通りに聞こえてうれしかったです。そう言えば、アイドル系の楽曲って、ヘッドホンで聴くととても面白いんですよ。

──それはなぜですか?

西寺郷太(NONA REEVES)

僕はSMAPの楽曲の作詞作曲や、V6の楽曲のプロデュースもやっているんですけど、例えばV6の「kEEP oN.」は、6人のメンバーが代わるがわる歌うボーカル回しが気持ちいい。好きなアーティストたちの音楽を聴いて、耳元でめまぐるしく声が変わることで得られる楽しさって、ヘッドホンやイヤホンならではの体験ですからね。それと、「kEEP oN.」は、トラックに関しても、ドラムもストリングスもトランペットも打ち込みじゃなく、昔ながらのやり方で時間とお金をかけてスタジオで録音した音源なんです。MDR-1は空間表現に優れているので、生楽器の響きも心地よく感じ取れるかと。またこの曲は、6分6秒という尺の中にオペラ的なパートや、ラップ、バラード、打ち込みを使ったダンスミュージックなどが混在してます。1曲の中でとにかくいろんな体験ができると思います。

──「めまぐるしく声が変わることで得られる楽しさ」って、確かにアイドルグループの楽曲のだいご味かもしれませんね。

人間って、本能的に「声」を聴くとゼロコンマ何秒とかで、それが誰の声なのか頭の中で瞬時に判断しようとすると思うんです……特に好きな人の声の場合は。だから特にアイドルグループに曲を提供するときはそれを逆手にとって、声を次から次へめまぐるしく変えていくことで、頭の中をカオスにする(笑)。僕は昔からTHE JACKSON 5やTHE TEMPTATIONSといったボーカルグループが大好きなんですけど、その理由の1つが、いろいろな声が瞬時に入れ替わっていくのを聴いているとトリップ感覚みたいなものを味わえるというか(笑)。

──続いて取り上げている「三年」は、歌を全面に押し出したNONA REEVESの楽曲ですね。

西寺郷太(NONA REEVES)

ヘッドホンで音楽を聴く楽しさの1つに、“電車やバス、飛行機などで移動しながら聴く”という体験ができることがあると思います。この曲「三年」は作ったときから、走る新幹線の車窓に田んぼや畑が見えては消えていく、まさに「旅」を彩る楽曲をイメージして作りました。移動中の風景と音楽があわさって感動することってありますよね? この曲を選んだポイントはもう1つあって、それはアコースティックギターや声の“近さ”です。ヘッドホンがなかった時代って、こんなに耳元で歌声を聴くことなんてなかったと思いますから。そういった意味では、ヘッドホンで音楽を聴くことは、ここ何十年かで人間が発明した一種の“快楽”だと思いますね。

──今日聞いたお話で、ヘッドホンならではの音楽の楽しみ方っていろいろあるんだなと思いました。

ヘッドホンって毎日の通勤や通学で使えるものですよね。それって「ジーンズみたいだ」って思うんです。季節によってアウターやシャツはどんどん変わるけど、ヘッドホンだけはクオリティの確かなものを1つ持っていれば変える必要がない。ヘッドホンはラジカセでもMP3プレーヤーでもなんでも使えるじゃないですか。そのうえで、自分の中で音を楽しむ際の「基準」になる。すでに持っている音楽も全然違う聞こえ方が楽しめると思いますよ。

西寺郷太(NONA REEVES)が選ぶMDR-1で聴いてほしい3曲

  • 愛のタワー・オブ・ラヴ / Negicco
  • Rock with you / マイケル・ジャクソン
  • 三年 / NONA REEVES
MDR-1シリーズ開発者コメント
MDR-1シリーズで目指したのはアーティストの意図を適確に伝えるという意味で透明性の高い音でした。MDR-1は、アーティストが制作の際に楽曲の音量や音質などを最終調整するマスタリングスタジオの音、つまり、アーティストの音作りへの意図やこだわりをありのままに感じられる音場の再現を目指して、この考え方に共感したソニーミュージックのクリエーターに監修してもらいながら開発されました。この結果、アーティストが創り込んだ微妙なニュアンスや表現の意図を最大限味わえるソニー最高峰のリスニングモデルとすることができました。ジャンルを超え、音楽を愛するすべての人のためのヘッドホンです。
(ソニー ヘッドホン開発統括 角田直隆氏)
MDR-1 シリーズ
音を創り出すプロフェッショナルであるミュージシャン監修のもと、楽曲に込めた想いまで、余すところなく堪能できるソニーを代表するリスニングモデル。
  • MDR-1R

    MDR-1R

    希望小売価格 30975円

MUSIC LOVES SOUNDスペシャルサイト
MUSIC LOVES SOUNDスペシャルサイトでは、アーティストたちのプレミアムインタビュー映像を順次公開。アーティスト自身の音楽ルーツやソニーのヘッドホンで音楽を聴いた感想、ソニーのヘッドホンで聴きたいオススメの楽曲などを語る。
ライブストリーミング配信
TOWER RECORDSスペシャルサイトでは、実際にヘッドホンを使って臨場感溢れるライブを体感できる限定ライブストリーミングを開催。
高橋優 meets XBA
配信日時:2013年8月28日(水)
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キャンペーン期間
2013年7月12日(金)~9月30日(月)
西寺郷太(にしでらごうた)

1973年東京生まれ。1996年からNONA REEVESのボーカリスト兼メインコンポーザーとして活躍するほか、他アーティストへの楽曲提供やプロデュースも行う。日本屈指のマイケル・ジャクソン研究家としても知られ、2009年に著書「新しい『マイケル・ジャクソン』の教科書」を上梓。その他マイケル関連作品のライナーノーツも数多く手がけている。また2011年にはNONA REEVESが結成15周年を迎え、これを記念し同年に「WARNER MUSIC YEARS / THE BEST OF NONA REEVES 1997-2001」、2012年に「COLUMBIA&TOKUMA YEARS 2002-2009」という2枚のベストアルバムをリリースした。2013年にはオリジナルアルバム「POP STATION」の発表やバンド初期のアルバム「ANIMATION」「Friday Night」「DESTINY」の再発などNONA REEVESの活動を続ける傍ら、Negiccoやbump.yといった若手アイドルグループに楽曲を提供するなど、プロデューサー / 作曲家としての活動の幅を広げている。