ナタリー PowerPush - MUSIC LOVES SOUND 大好きな音楽には、大好きな音で。Sony's Headphones

大好きな音楽には、大好きな音で。 Vol.2 坂本美雨 × XBA

自分の好きな音楽に合わせてヘッドホンを選ぶ。それだけで、大好きな音楽がイキイキと響き出す。

音楽を最大限に楽しめるように、音楽性に合わせたさまざまなラインナップをそろえるソニーのヘッドホン&イヤホン。「大好きな音楽には大好きな音で。」をテーマにしたこの特集第2弾となる今回は、XBAシリーズをフィーチャー。生音や歌声をよりナチュラルに届けるべく設計されたというこのシリーズの魅力について、坂本美雨に語ってもらった。彼女は「イヤホンは自分に合うもので聴いてほしい。本当に日常が変わる」と話す。

Interview with 坂本美雨

XBAシリーズは人の声が耳元で聞こえてくすぐったいような、甘美な快感を与えてくれる

──まずは美雨さんのリスナーとしての音楽遍歴を教えてください。

坂本美雨

小さい頃からなんでも聴いていたので本当にさまざまなんですけど、やっぱり最初はテクノが好きで……産まれる前からYellow Magic OrchestraやKRAFTWERKを聴いていました。あとは父の影響や、ピアノを習っていることもあってクラシックも少し通っているし、J-POPはもちろん、現代音楽なども。そうやっていろいろと聴いている中で、10代の頃に出会ったイギリスのエレクトロニカが一番自分の中で定着したような気がしますね。

──産まれる前からテクノを聴いていたんですね(笑)。

産まれる前からですね(笑)。ちょうど母が妊娠しているときにYMOのワールドツアーを回っていたそうです。それで一番気持ちいいと思う音が機械音になってしまったんですね。あと、小さい頃にいつもレコーディングスタジオに連れて行かれていたので、大きい音で音楽を聴くのが本当に心地いいんです。大きい音の中でスヤスヤ眠ってましたね(笑)。

──では、作り手としてはどんなこだわりを持って楽曲制作していますか?

生楽器やボーカルに関しては、とにかくいい音をそのまま録りたいと思っています。“絶対的ないい音”っていうのは存在するんだと思うんですよね。だから、それを追求したい。世の中は音であふれすぎていて、人は音に対して少し不感症になっている気がする。それに、いい音の存在に気付かずにいるのはもったいないなって思うんです。せっかく音楽を聴くならいい音を知ってほしいし、自分もそればかりに触れていたいし、それを録音したいなって思っています。

──美雨さんが“いい音”というものに自覚的になったきっかけは?

幼い頃から音には敏感でしたが、自分のレコーディングに関して特に大きな出会いだったのは、何作かアルバムを一緒に作っているエンジニアの益子樹(ROVO)さんでした。益子さんのスタジオでの経験は自分の中で革命的で。今までいろんなエンジニアの方がいろんなスタジオでいい音で録音しようとしてきたのを目にしてきましたけど、益子さんのやり方や環境って、それまでと全然違っていたんです。益子さんは本当にその空間で響いていた音を録音しようするし、体調や湿度とかにも敏感に反応して微調整してくれる。そこで録ったものを初めて聴いたとき、「こんなに豊かに録れるんだ」って驚いたんですね。その頃からレコーディングがどんどん楽しくなって。

坂本美雨

──今回はソニーのXBAシリーズでリスニングするのにおすすめの3曲を選んでいただいていますが、それぞれXBAシリーズで聴いてみた感想はいかがでしたか?

1曲目はmoshimossの「Hvert Sem Er(Featuring Lily and Fox)」です。オーガニックな雰囲気を持ったエレクトロで、個人的にとても好きでした。今回選んだのはボーカルが入っている曲で、XBAシリーズで聴いてみたらキレイに録れているなって思ったし、繊細な音の層が見えるような感じでしたね。

──2曲目はご自身の「OPUS and MAYVERSE」でした。

この曲は「朧の彼方、灯りの気配」という、益子さんと本格的に組んだ最初のアルバムの曲です。歌入れのとき、益子さんが録ってくれた生っぽい響きに驚きました。演奏はROVOのメンバーの方々で、即興的な空気感もあります。XBAシリーズではそのときの独特の雰囲気が再現されていましたね。

──作り手ならではの感想ですね。

ほかにボーカルものを聴いたときにも、どれもよかったです。例えば自分の過去のアルバムではボーカルをサンプリングしてメロディを組んだり、何層もボーカルを重ねたり、掛け合いをやってみたりと声を使っていろいろと実験をしているんですけど、そういった部分もとても効果的に聞こえてうれしかったですね。人の声が耳元で聞こえてくすぐったいような、甘美な快感を感じました。個人的に、こういった感覚をリスナーに届けるのも音楽を作る側の意義の1つだと思うんです。だからXBAシリーズのように、それをしっかり伝えてくれるイヤホンがあるっていうのはありがたいことですね。

──制作者の意図が伝わるんですね。

そうですね。3曲目に挙げたSIGUR ROSの「Stormur」でも、ボーカルのヨンシーの声はやっぱりすごく引き立つなって思いました。さらに声だけじゃなくて、楽器も含めて繊細な音を紡いでいるのがわかります。新しいアルバムはけっこうバンド感が際立っているんですけど、声の積み重ねやサウンドの奥行きを感じて、このイヤホンに合うなあって思いましたね。

坂本美雨

──XBAシリーズでリスニングすると、録音したスタジオの雰囲気や声質などがリアルに感じ取れるんですね。

アイスランドのオーラヴル・アルナルズというミュージシャンの宅録したアルバムの作品も聴いてみたんですけど、部屋の雰囲気まで想像できてしまうような響きを感じました。音がいいと、想像力が湧きますよね。日常とか現実を越えて、そこに連れてってくれるような。

──今回XBAシリーズを試してみて、音楽性に合ったイヤホンだと音楽を聴くのがより楽しくなると感じましたか?

楽しいし、“音を楽しむ”っていう字の通り、「歌詞とかメロディがいいよね」っていうだけじゃない音楽の楽しみ方をもっと多くの若い人にも知ってほしいなって思いました。空気感とか、アーティストの人間性までも感じられるような音色の美しさっていうのを感じてほしいし、覚えてほしい……ダウンロードで手軽に音楽を買える時代だからなおさらそう思いますね。個人的に、演奏者とか歌い手の本当の肉体的な響きっていうのを伝えていくのが音楽家の仕事の一つだと思うんです。だから本当はいいイヤホンとCDをセットで売ったり、リスナーのところに行って耳元で歌ったりしたいくらい(笑)。でもそれはできないですから、イヤホンはいいもので聴いてほしい。必ずしも高価なものじゃなくてもいいけど、自分に合うもの。そういう意味で、「イヤホンには投資したほうがいいよ!」ってみんなに言いたいですね、本当に日常が豊かに変わるよって。私も最初はどんなイヤホンを買えばいいかわからなかったけど、XBAシリーズが「生楽器やボーカルの再現性が魅力」と打ち出しているみたいに、こっちのジャンルならこれが合うよっていうのがわかりやすくなっていると選びやすいですよね。

坂本美雨が選ぶXBAシリーズで聴いてほしい3曲

  • Hvert Sem Er(Featuring Lily and Fox) / moshimoss
  • OPUS and MAYVERSE / 坂本美雨
  • Stormur / SIGUR ROS
XBAシリーズ開発者コメント
XBA-40で目指したのはボーカルの歌声やアコースティック楽器がもつ繊細なニュアンスを再現する、広がり感とナチュラルな音の質感です。このような音場を再現するために、緻密かつ繊細な中高音域の表現力を特長とする独自開発のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーによる4ウェイ構成としました。これにより低域から高域までスムーズなレスポンスを実現、ボーカル重視のJ-POPやその他アコースティック楽器のもつ繊細なニュアンスが大切な音楽にマッチするヘッドホンとすることができました。
(ソニー ヘッドホン開発統括 角田直隆氏)
XBA シリーズ
深みのある低域から鮮やかできめ細かい高域まで、スムーズなレスポンスを実現。ボーカル曲やアコースティック楽器が持つ繊細なニュアンスが大切な音楽にマッチ。
  • XBA-40

    XBA-40

    希望小売価格 30975円

MUSIC LOVES SOUNDスペシャルサイト
MUSIC LOVES SOUNDスペシャルサイトでは、アーティストたちのプレミアムインタビュー映像を順次公開。アーティスト自身の音楽ルーツやソニーのヘッドホンで音楽を聴いた感想、ソニーのヘッドホンで聴きたいオススメの楽曲などを語る。
ライブストリーミング配信
TOWER RECORDSスペシャルサイトでは、実際にヘッドホンを使って臨場感溢れるライブを体感できる限定ライブストリーミングを開催。
高橋優 meets XBA
配信日時:2013年8月28日(水)
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キャンペーン期間
2013年7月12日(金)~9月30日(月)
坂本美雨(さかもとみう)
坂本美雨

女性シンガー。1997年1月に「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M」名義でデビューし、1998年から本名での音楽活動を開始する。透明感あふれる歌声が高い支持を集め、1999年には映画「鉄道員(ぽっぽや)」の主題歌「鉄道員」を歌唱。2010年からはニューヨーク在住のプロデューサー「Shanghai Restoration Project」とともにエレクトロニカポップ路線のサウンドを追求し、同年5月にアルバム「PHANTOM girl」、2011年5月に「HATSUKOI」を発表。2012年8月のアルバム「I'm yours!」ではKREVAとのコラボレーションでも話題を集めた。2013年6月にはベストアルバム「miusic ~The best of 1997-2012~」をリリース。現在はソロ活動以外にも、おおはた雄一とのユニット「おお雨」としても活動している。父は坂本龍一、母は矢野顕子。


2013年8月23日更新