ナタリー PowerPush - Mayday

台湾発スーパーバンド ついに日本で本格始動

現在のアジア圏において、もっとも巨大なスケールを持ったロックバンドと言えるだろう。台湾出身の5人組Mayday(中国語表記:五月天)──1999年にデビュー直後から台湾国内で人気を獲得し、2003年に香港での4万人ライブを成功させたあと、アメリカ、中国、シンガポール、マレーシア、香港を回る大規模なワールドツアーを敢行。昨年は北京オリンピックのメイン会場として有名になった“鳥の巣”(北京国家体育場)で2日間にわたって公演を行い、約20万人のオーディエンスを集めるなど、まさにアジア随一のスタジアムバンドとして君臨している彼らが、日本で本格的に活動をスタートさせる。

その最初のアクションは、日本版オリジナルベストアルバム「Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013」のリリース。これまでの代表曲やヒット曲、さらにTAKURO(GLAY)の作詞による「Dancin' Dancin' feat. TERU(GLAY)」、flumpoolとのコラボ曲「Belief ~春を待つ君へ~」を収録した本作によって、Maydayのダイナミックなメロディを軸にした本格的ロックサウンドは、日本のリスナーの間でも大きな注目を集めることになるだろう。

今回ナタリーでは、Maydayのメンバー4人(※ドラムの冠佑 / ミンはインフルエンザのため欠席)にインタビューを行い、バンドの成り立ちと音楽性、日本での活動に対するビジョンを語ってもらった。

取材・文 / 森朋之

日本での活動を望んでいた

「NOWHERE World Tour」台湾公演の様子。

──Maydayの日本における活動のスタートに立ち会えて、うれしく思います。よろしくお願いします。

マサ(B) よろしくお願いします。先に謝らなくてはいけないことがあります。ドラムのミンはインフルエンザのために来ることができませんでした。申し訳ありません。

ストーン(G) 本当にすいません。でも、ミンがいないと、さわやかな雰囲気になると思いますよ……冗談ですが(笑)。

──日本でのプロモーションも本格的に始まっているそうですが、疲れてないですか?

モンスター(G) いいえ、大丈夫です。

アシン(Vo) 興奮してるくらいです。

マサ ひさびさにこんなにたくさんプロモーションをやらせてもらって、昔に戻ったみたいですね(笑)。

──Maydayのキャリアを考えると、日本進出はむしろ遅いくらいだと思います。なぜ、このタイミングだったんですか?

アシン その理由は……主にアミューズとA-Sketchの応援があったからかな(笑)。

ストーン(G)

ストーン 以前から日本で活動することを望んでいたので、すごくうれしく思っています。私たちは日本でアルバムのレコーディングを行っていたし、大好きなバンドも多いですからね。例えばミスチルだったり、サザンオールスターズだったり。

──日本進出の具体的な動きとして、まずはベストアルバム「Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013」がリリースされます。これはどんなアルバムに仕上がりましたか?

モンスター 私たちは来年デビュー15周年を迎えるのですが、今まで作ってきた曲の中から、日本の皆さんが好きになってくれそうな曲を直感的に選びました。さらに大事なのは、日本語の曲(※GLAYのTAKURO作詞による「Dancin' Dancin' feat. TERU(GLAY)」)が入っていることですね。アシンががんばって日本語で歌ってくれましたし、この曲で日本にファンの皆さんと交流できたらいいな、と。

アシン 日本語で歌うことは、すごく特別な経験でした。小さいときから日本のアニメーションを見て、日本語の主題歌を聴いていたし、自分でも日本のアーティストの曲を好んで聴いていたので。

──日本のアニメというと……?

アシン(Vo)

モンスター 「聖闘士星矢」「北斗の拳」「キン肉マン」。

アシン 「ドラえもん」。

マサ 「ゲゲゲの鬼太郎」も観てました。あとは「ドラゴンボール」。

(アシンが「ドラゴンボール」の主題歌「摩訶不思議アドベンチャー」のメロディを口ずさみ始める)

──(笑)。日本のバンドにも昔から親しんでました?

モンスター そうですね。高校のときにギターを始めてから、日本のバンドもよく聴くようになりました。

アシン 東洋の音楽と西洋の音楽、両方とも聴いてましたね。U2、The Beatles、Oasis、Coldplay。日本のバンドでは、ミスチル、GLAY。モンスターはB'zのファンだし、僕は椎名林檎さんも好きですね。

日本版ベストアルバム「Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013」 / 2013年11月13日発売 / 2500円 / A-Sketch / AZCS-1025
「Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013」
収録曲
  1. Dancin' Dancin' feat. TERU(GLAY)
  2. Belief ~春を待つ君へ~ feat. flumpool 
  3. 満ち足りた想い出 / 知足
  4. 出陣の歌 / 入陣曲
  5. 一歩一歩 / 歩歩
  6. 僕は僕に嘘をつかない / 倔強
  7. 愛の記憶は突然に / 突然好想你
  8. 恋愛ING / 戀愛ING
  9. 乾杯 / 乾杯
  10. 孫悟空 / 孫悟空
  11. 瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
  12. 君は幸せじゃないのに / 你不是真正的快樂
  13. ひとり上手にならないで / 我不願讓你一個人
  14. OAOA feat. Ryuta Yamamura(flumpool)
  15. やさしすぎて / 溫柔
Mayday(めいでい)

アシン(阿信 / Vo)、モンスター(怪獸 / G)、ストーン(石頭 / G)、マサ(瑪莎 / B)、ミン(冠佑 / Dr)の5人からなる台湾出身のバンド。1999年に本国でデビューし、2000年にリリースした2ndアルバム「愛情万歳」の大ヒットで確固たる地位を獲得する。2001年8月にはGLAY主催のライブイベント「GLAY EXPO 2001」に台湾代表として出演し、2004年にはアメリカ、中国、シンガポール、マレーシア、香港、日本などを回る初のワールドツアーに挑戦。2012年4月には北京国家体育場で2日間にわたる単独公演を行い大成功を収める。2013年に入ってからはflumpoolとのコラボ曲「Belief ~春を待つ君へ~」を発表したり、flumpoolとライブで共演するなど日本での活動を活発化させる。11月に日本版ベストアルバム「Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013」をリリース。