コショージ、縄跳びは3回で飽きる

──矢川さんはコロナの影響でライブがなくなっていく中、「モチベーションがブクガだけだったから、することがなくなった」と言っていて。

私もそうですよ。「何もないわ」って。

──それこそ創作に向かったりはしました?

マンガとか描けたらよかったんですけどね。でも自分の創作するものはブクガとして披露するから、価値があるのかなと勝手に思っているんですよ。

──仮にブクガがなくなったとして、コショージさんは一般職に就職はしないんじゃないかなと思うんです。

コショージメグミ

そうなんですよ。だから何もないんです。ヒモになりたい(笑)。自粛期間で何かするところまではいってなくて、「私はブクガがないと価値がない人間だわ……」とか考えながら天井を見る、みたいことはありましたよ。仕事してないとダメなんだなって思いました。休みの日ができるのはいいんですよ。でも自粛期間中はこの先どうなるかわからなかったじゃないですか。「この日から活動できますよ」みたいな線引きもないし、ファンの人も大丈夫かなって思いました。

──お客さんの心配もしている。

1月にワンマンがあって、4月にツアーが始まる予定だったんですけど、その間はライブが1、2本しかなかったんです。そもそもライブができていないし、ファンとも会えてなくて。お客さんも「やっとライブを観れる」と思ってたかもしれないし、ずっとは待てないだろうし。そのうち「もしかしてブクガがなくても生きていけるんじゃないか」とか思われたら終わりじゃないですか。アーティストの友達ともそういう話はしましたよ。「これがないと生きていけない」と思ってCDを買ってくれたり、ライブに来てくれていたと思うんですけど、私たちが何もできなくなって、みんなの生活も変わりますよね。そこで「ライブに行かなくても生きていける」って気付かれたら終わる(笑)。

──ふと冷静になられたら困る(笑)。

あとは3カ月くらい経ったんですけど、歌ったり踊ったりしなくて大丈夫なのかって思いました。今は走ったりしてます。

──えー!

意外でしょ? それから友達が縄跳びにハマってて、私もやってみたんですけど、3回跳んだくらいで無理だったんですよ。

──飽きるのが早い(笑)。

疲れるとかじゃなくて、跳んでるだけなのがヒマだと思っちゃった。だから特にあてもなく、試しに走ってみたんです。そしたら景色が変わるから、意外と楽しくて。

──ステイホームするのも大変じゃないですか。

アニメを観るのは好きなんですけどね。映像は景色が変わるから。縄跳びは同じ場所でずっと跳んでるから、景色が変わらないんですよね……って全然ブクガの話してないじゃん!

──大丈夫ですよ。前半で触れてますし。

確かに。細かいところはほかの人に話してもらったらいっか。

この状況で保守的にはなりたくない

──最近の調子はどうなんですか? ツアーが延期になっていく中で落ち込んだりはしたと思うんですが。

落ち込みました。去年、台風で初めてライブが中止になったんですよ。そのときにめちゃくちゃヘコんだんですけど、今はそれが延々続いている感じ。だからキツかったんですけど、6月に入ってこうして取材もできるようになってるし、配信ライブも考えているので、今動けているのがうれしいです。ブクガならお客さんがいないこと、配信だからこそ面白くできることがあるんじゃないかと思っていて。それを考えることによって気持ちが助かってます。

コショージメグミ

──ブクガで配信ライブとなると期待しちゃいますよね。ハードルが高いと言いますか。

やっぱそう思います?

──普通にはならないのかなと。

「普通にはならない」、OKです。でもそうなるだろうなって思います。人によってハードルが違うからわからないところもあるんですけど、この状況で保守的にはなりたくないですよね。

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井上唯 インタビュー