音楽ナタリー Power Push - MAGIC OF LiFE

改名後の激動の1年

夢が叶った「栃フェス」

──そして3月にアルバム「Storyteller」をリリースします。アルバムに込めた思いなどは前回のインタビュー(参照:MAGIC OF LiFE「Storyteller」インタビュー)でじっくりお伺いしましたが、リリース後の反響はいかがでした?

渡辺雄司(B)

渡辺 レコ発ツアーの感じがすごくよかったよね。

岡田 今までと違う感じがした。お客さんとちゃんとやりとりができてたというか。会場が一体となってる感じがしました。これまでできてなかったということではないんですが、ステップアップした感じがします。

高津戸 あ、そっか。アルバムを出して、ツアーをやる前に「栃フェス」をやったんだ。

──「栃フェス」はどうでした? バンドにとっては大きな挑戦だったと思いますが。

高津戸 夢のような時間でしたね。本当よかったです。

山下 お客さんが入場の列を作ってるときから感動しました。

岡田 感動したね。

高津戸 栃木市に1000人以上が集まるなんて奇跡ですよ。だから地元の人が本当に喜んでくれたし、ファンの方達にも楽しんでもらえたし、出演したバンドマンにも喜んでもらえました。

渡辺 打ち上げもすごく楽しかったもんな。

高津戸 うん、打ち上げも含めて本当に楽しかった。また同じメンツでやりたいくらい。

岡田 1日中、4人とも走り回ってましたね。拓実、最初から感動して目赤かったもんね。

山下拓実(G)

山下 バンド始めてからずっと、野外フェスを開催するっていうのが夢で。今回はまだ野外じゃないんで第1歩って感じですけど。だから、感動しました。あと、もし簡単に開催できてたらこんなに感動しなかったかも。

岡田 2年越しくらいだもんね。

山下 地元のサッカーチームの応援ソング作ったりして、栃木に根を張って。やるって決まってからも会場見つけるのにも苦労して……。

高津戸 それにしてもホントに周りのバンドマンに助けられたよね。みんな誘ったら1発でOKの返事をくれて。本当に早かった。だからこそいいイベントになったんじゃないかな。

──自分たちのライブは普段とは違いました?

山下 緊張しました。気合い入りすぎて。気持ちが入りすぎた感じあるよね。

高津戸 ホントそう。覚えてないですもん。いろんなバンドのライブ観て、感動して。いざ自分がライブでMCをしようと思ったら、思いがありすぎて言葉にならなかった。次はちゃんと思いを伝えられたらいいな。

渡辺 そうだ。ノブ(高津戸)がMCで言葉につまったんですよ。で「ノブ、さすがに泣いてしまうんかな」って思って見たら、奥でギターの拓実がめっちゃ天を仰いでた。本当にあの日は感動したなあ。

高津戸 来年もやります!

初めてライブをキャンセル

──「栃フェス」、ワンマンツアーのあと、7月にRhythmic Toy Worldとの合同バンド・GIFT MENを結成します。GIFT MENでは「真夏のサンタクロース~GIFT MEN~全国ツアー」と銘打ってツアーを実施。ライブ会場限定でスプリットアルバム「おもちゃの魔法」を発売しました。そもそもGIFT MENをやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

高津戸 Rhythmic Toy Worldが大好きなので、何か一緒にやりたいというところからです。スプリットアルバムを出そうという話まで決まって、せっかくやるなら面白いことができたらなと思って一緒にバンドをやることにしました。岡田とすーちゃん(須藤憲太郎 [B / Rhythmic Toy World])がラップできるから、ちょっと普段のMAGIC OF LiFEとRhythmic Toy Worldとは違う感じのサウンドにしてみました。

──さらに「子供たち全員がおもちゃで遊べる世界を創ろう!」というコンセプトで、2バンドがGIFT MENとしてライブを行いながら、各公演でおもちゃを収集。おもちゃのリサイクル活動を行っている団体・おもちゃバンクと提携し、児童施設や母子家庭、父子家庭などへ寄贈するというプロジェクトでしたよね。

高津戸 アフリカの子供たちが日本からの食料やワクチンの支給に感謝して、毎朝日本の方角を向いて挨拶しているっていうことを知ったんですけど、そのときに「俺、何もしてないな」っていう無力感を感じて。何かできないかなって思ったのが今回のチャリティ活動のきっかけです。

──やってみてどうでした?

岡田翔太朗(Dr)

岡田 毎晩「今後ずっとツーマンでいいよね」って冗談が飛び交うくらい楽しかったよね。

高津戸 ファンの皆さんもすごく喜んでくれて。特にGIFT MENが出てくるとアイドルが出てきたみたいだったよね。あとはおもちゃがすごく集まって、感動しました。予想以上にたくさん集まったので、やってよかったなってすごく思いました。ただ……。

──高津戸さんの喉の炎症により、広島、福岡、名古屋の3公演で、MAGIC OF LiFEは出演キャンセルを余儀なくされました。

高津戸 本当に申し訳ない。反省です。初日から声が出なくて医者から止められてたんですけど、キャンセルはできないって思って絞り出してやってたんです。でもこれ以上やったら危険だって言われて後半3公演は泣く泣くキャンセルをしたんです。

──バンドとして初めてのキャンセルだったそうですね。

高津戸 はい。悔しかったですね。みじめな思いをさせてしまったメンバーと、一緒に回ってくれたリズミックにも申し訳なかった。自分がわがままを言ってGIFT MENを始動させたのに、周りのスタッフさんにも迷惑かけちゃって本当につらかったです。当時はもう死にそうな顔してました。しかもしゃべれないからちゃんと周りのみんなに言葉で気持ちを言えなくて、どんどん腐っていきました。でも今は、受け止めてくれた人たちに感謝して、ちゃんと恩返ししていかなくちゃいけないなという気持ちになれてます。

──3公演のキャンセルを経て、ファイナルの東京公演で復活しました。

高津戸 歌えてよかったな。喉はガラガラだったので、周りのみんなの理解に甘えてって感じでしたけど。GIFT MENも来年またやりたい。そのときはキャンセルしてしまった広島、福岡、名古屋は絶対行きたいですね。

渡辺 その3カ所はGIFT MENで行く前に、MAGIC OF LiFEでも早く行きたい。

MAGIC OF LiFE 対バンツアー「Don't Stop Music ~ 一周年の攻撃呪文 ~」

  • 2015年10月13日(火)大阪府 Music Club JANUS
    <出演者>
    MAGIC OF LiFE / and more
  • 2015年10月14日(水)愛知県 ell.FITS ALL
    <出演者>
    MAGIC OF LiFE / asobius / HaKU
  • 2015年10月20日(火)東京都 赤坂BLITZ
    <出演者>
    MAGIC OF LiFE / and more
MAGIC OF LiFE(マジックオブライフ)

MAGIC OF LiFE高津戸信幸(Vo, G)を中心に、2003年に栃木県宇都宮市で「DIRTY OLD MEN」として結成されたバンド。2006年に山下拓実(G)が加入した。2010年5月にミニアルバム「Time Machine」でメジャーデビューした後、リリースを重ね「ROCK IN JAPAN FES」などの夏フェスに精力的に出演する。しかし、2012年3月にオリジナルメンバーだったベースとドラムが脱退。新たに岡田翔太朗(Dr)と渡辺雄司(B)が加入し、5月に2ndアルバム「doors」をリリースする。その後、インディーズに拠点を移し、12月に過去の楽曲をまとめたベスト盤「prologue」を、2013年3月にアルバム「I and I」、2014年5月にアルバム「Blazing」を発表した。同年10月に「DIRTY OLD MEN」から「MAGIC OF LiFE」へと改名し、2015年3月にコンセプトアルバム「Storyteller」をリリースした。同年4月には栃木・栃木市総合運動公園 総合体育館で自主企画イベント「Don't Stop Music fes.栃木」を成功に収める。7月に配信シングル「音無き言葉」をリリース。10月には改名1周年を記念して対バンイベント「Don't Stop Music ~ 一周年の攻撃呪文 ~」を開催する。