いい思い出させ方

──リリックの内容は、TOKYO HEALTH CLUBのメンバーとやりとりをして決めていったんですよね？

マヒロ　はい。最初に「僕らの小中学校での生活を知りたい」ってTOKYO HEALTH CLUBさんに宿題をもらって、僕らがキーワードを送ったんです。その言葉をもとにリリックを書いてくださったので、小中学生なりのメッセージが入っていると思います。

トーマ　マヒロバースの「覚えきれなかった英単語」とかね。

ジョー　僕が送った言葉も入ってます。最初の「寝起きが悪いオレ」ってとこ……（笑）。

リュウト　誰もが通ってきた道のことを書いているから、きっとたくさんの人に共感してもらえると思う。それを僕らは、ラップでいかにいい思い出させ方をするかっていうところだよね。

──レコーディングはどうでしたか？

マヒロ　大っ変でした！ 「Do The D-D-T!!」や「Oh!!!受験☆Night Fever」のテンションで行くと全然歌えなくて。最初のテイクとか、歌の雰囲気に自分のラップがまあ合ってなくて（笑）。ボイストレーニングもたくさんしました。

──では、TOKYO HEALTH CLUBのメンバーからアドバイスもあった？

トーマ　けっこうアドバイスをもらいました。例えば、僕は最初のバースで「あいつらとの思い出」までは話すイメージで歌っているんです。そのあとからしっかりラップをする感じ。そのテクニックとかは、皆さんに教えてもらったところです。

お釣りのこと考えろよ

──ではここからはこれからカップリング曲について聞かせてください。まず「100億円あったら」をテーマにした、餓鬼レンジャーさんとのコラボ曲の「10000000000YEN」。100億円って、すぐにイメージできました？

リュウト　いや、壮大すぎて。

マヒロ　最初に餓鬼レンさんと打ち合わせしたとき、「『欲』をテーマにしたいんだけど、どうする？」って言われて、そのときに僕が「僕、お金好きなんですよ」って言ったんです。だから言ってしまえば、この曲は僕の曲と言っても過言ではない……。

リュウト　過言だよ。

マヒロ　僕はとりあえず自分のパートでお金持ちが持っていそうなものを並べました。で、「欲があるのは生きてる証拠だよ」って。

リュウト　パンッパンのパンチラインだよね。

マヒロ　すごい詰め込んだからね（笑）。

リュウト　発想の面白さがポイントだと思ったから、難しかったです。トーマは「家の前から学校前が停車駅走るトーマ線やっほー」とか書いたけど、それこそお金持ちの発想だと思うし。

マヒロ　自分の想像をどれだけ大きくできるか、っていうのはすごく難しい課題でした。

──単純に自分のやりたいことを書くだけでは面白くならない。

マヒロ　いろいろ考えさせられましたね。

リュウト　「こんぐらいは自分でやるよ」っていうことをあえて100億円使ってやる、とかね。

──そうやって悩んだ答えがこのリリックの中にあるわけですね。

トーマ　とりあえず、トーマ線というのは小学校5年生のときからずっと作りたいと思っていた電車だったので、リリックに入れました。あと「これは何億円、あれは何億円……」ってずっと考えてたら「あれ、これ1億円札作ったほうが楽じゃない？」って思ったので、「作ろう1億円札！」っていうフレーズも。

マヒロ　お釣りのこと考えろよ。コンビニの店員さん大変だろ。

──セレブの発想という感じがしますね（笑）。で、この曲にはジョーさんのバースもあります。

ジョー　はい。僕はバースを担当するのは初めてだったから「何を書こう？」って思ったんですけど、最初に思い付いたのがメロンだったので、メロンのことを書きました。

マヒロ　100億円あったら何個でも買えるよ、メロン。でも、ジョーはずるいんですよ。

ジョー　なんで？

マヒロ　僕らはそれぞれのバースで欲を丸出しにしてるじゃないですか。なのにジョーは最初から「100億円？ 僕わからん」ですから。狙いに行ってる！

ジョー　だって何を書けばいいかわかんないんだもん！

マヒロ　かわいいところ狙いやがって。

ジョー　だってメロン食べたいんだもん！

リュウト　わかる、わかるよ（笑）。

トーマ　いいね、メロン。

──ジョーさんはメロンが好きなんですね。

ジョー　はい。好きです。

リュウト　普段は買ってもらえないんでしょ。

ジョー　うん……。

リュウト　もうさ、ジョーバースはお母さんへの愚痴だよね（笑）。