マカロニえんぴつ「たましいの居場所」インタビュー|結成10周年、ロックバンドが見せる夢 (3/3)

MV監督13人に聞いた、マカロニえんぴつとの思い出

「たましいの居場所」の初回限定盤に付属するBlu-rayには、マカロニえんぴつのメジャーデビュー以降に制作された13曲分のミュージックビデオが収録されている。このページではMVの監督13人のコメントを一挙紹介。監督の方々に撮影を振り返ってもらい、マカロニえんぴつへのメッセージをしたためてもらった。

「生きるをする」中村剛監督

中村剛

MV撮影時に印象的だったこと

グネグネと続く長い道。その周りに配置された寝室、公園、学校、部屋、大学のキャンパス、路上、ライブハウス…
人生にある様々なシーンをボードゲームになぞらえスタジオいっぱいに並べていく。
一曲の中に詰め込めるシーンなど数に限りはあってかなり縮小版ではあるけれど、具体的に配置されたそれらを俯瞰から眺めた時は、「カオスだわ~! 人生って色々な事があり過ぎ。でも楽しいかも!」とこっそり感じていました。
MVの撮影が始まり、成長の過程を順に撮っていくのですが、彼らの歩んだ歴史を疑似体験してるような不思議な感覚でした。
そしてクライマックスの巨大ルーレットでの演奏シーン。
目が回ってフラフラになりながらも一生懸命に取り組んでくれたマカロニえんぴつの皆さん。最高でした! カッコよかったです!

マカロニえんぴつへメッセージ

ラストシーン。ルーレットが止まり一本の道を歩きはじめるメンバーたち。
そこにはメジャーシーンへの新たなスタート、まだまだ人生は続くよ!という意味合いを込めました。
撮影から約一年半が経ち、大活躍するマカロニえんぴつを見る度に大きくコマを進めたなーと感じています。
またいつでも声をかけてください。人生の一コマとして思い出に残るような撮影をしましょう!

「mother」杉本大地監督

杉本大地

MV撮影時に印象的だったこと

もちろん本物の象さんに出演して頂いたのですが…
檻の中ではなく、森の中を歩く動物というのはこんなに生き生きしているのかと感動しました。
可愛いだけでなく、ちゃんと恐ろしいところがあり緊張感に包まれた撮影でした。
はっとりさんの物怖じせず、さっと横たわる象さんに背を預ける姿にスタッフ全員痺れていました。その甲斐もあり、親和性のある映像になったのだと思います。
撮影の帰り道、象使いの方に先導されながら、象さんの背中を追いかけ、山頂から車で降りている時、なんだこの素敵な風景は…とみんなでニコニコしていました。

マカロニえんぴつへメッセージ

突拍子もない企画や大変な撮影にもかかわらず、快くOKをしてくださり、全力で協力して頂き「マカロニえんぴつ」のメンバーのみなさんの男気と優しさみたいなものを感じました。
自分も同世代として「mother」の作品に映像で参加させて頂けて嬉しかったです。
改めまして「たましいの居場所」リリースおめでとうございます。
これからも陰ながら応援しております。

「ノンシュガー」吉田まほ監督

吉田まほ

MV撮影時に印象的だったこと

初めてご一緒するお仕事、かつ、フルアニメーションなので最後まで直接お会いすることがなかったにもかかわらず「自由に作って下さい!」と任せて下さった、はっとりさんの寛大さが印象的でした。
曲の妖しげな雰囲気を表すべく、より奇妙な映像になればいいなと思いながら描いていたので、プレミア公開生配信のときに「いい意味で気持ち悪い」とコメントして頂いたことも良い思い出です。

マカロニえんぴつへメッセージ

マカロニえんぴつの皆様、お久しぶりです。2nd EPのリリースおめでとうございます! 数ある素敵な映像と並んで「ノンシュガー」MVも限定盤特典として収録されるとのこと、とても嬉しいです。CMやオープニングなどで親しんだ曲たち、そして新曲で新たなマカえんワールドに遭遇するのが楽しみです。

「メレンゲ」大河臣監督

大河臣

MV撮影時に印象的だったこと

凍結した湖上での撮影企画だったので、気温もとても低く足元も滑りやすい中で撮影をしたのがとても印象に残っています。
氷点下での演奏シーンの撮影は楽器を扱う手元周り含めてとても大変だったかと思いますが、メンバーみなさんのガッツはもちろん、スタッフ一同の士気や緊張感も含めとても良い空気感で臨めたので、楽曲のスケール感とも相まって、雄大な映像に仕上がりました。
僕個人としても、とても印象に残っているミュージックビデオのひとつです。

マカロニえんぴつへメッセージ

新作発表おめでとうございます。
これからも誰かの感情や魂に残る楽曲を生み出していってください。
この先の未来も、とても楽しみにしています。

「裸の旅人」池田一真監督

池田一真

MV撮影時に印象的だったこと

人生を旅として解釈し、闇の中に小さな光を灯しながらゆっくりと進んでいく旅人の姿を描いています。寓話や絵本のような手触りを表現したくて、実際の森の中を小さな芝居小屋のように見せるため美術や照明を綿密に設計しての撮影。カメラワークや照明の転換など細かいタイミングに合わせた動き、夜明け前までに撮りきれなければならないプレッシャー、加えてめちゃくちゃ寒い中、ベストなパフォーマンスをぶっ放し続けてくれたメンバーに脱帽です。

マカロニえんぴつへメッセージ

マカロニえんぴつは好きで聴いていたのでご一緒できて嬉しかったです。企画を始めた段階ではまだ曲は完成していませんでしたが、初めてデモを聴いた瞬間、完全に自分のツボに刺さりまくりで漠然と描きたい世界観ともバチッとハマったのが嬉しすぎてずっとニヤニヤしてました。メンバーにそれぞれ旅人としてのキャラクター設定があったのですが、皆さん芸達者でミステリアスでどこか滑稽な“裸の旅人”を見事に演じていただき、面白い作品にすることができました。撮影、楽しかったです。

「はしりがき」林響太朗監督

林響太朗

MV撮影時に印象的だったこと

タイトルに合わせて、走りまくる映像にしました。
とにかくみんなで走り抜けた。その記憶が一番あります。
彼らの演奏シーンにもその走り抜けるような力強さがありました。
汗だくでみんなで駆け抜けた、そんな映像です。

マカロニえんぴつへメッセージ

これからも、駆け抜けてほしいです。
ずっと楽しみな人たち!!

「八月の陽炎」大関泰幸監督

大関泰幸

MV撮影時に印象的だったこと

数日前からの雨予報で、撮影当日もちろん雨。そして予備日もなし。
カットが2つしかないMVの為、リハーサルに大分時間を割く予定だったが、降り続く雨で実際にリハーサルが開始出来たのが14時くらい。準備も完璧ではない。今回ばかりは本当に完成しないかもと半ば諦めの気持ちがあった。

その後なんとか撮影は進んでいき、日が落ちる前ギリギリになんとか2カット目のOKカットを撮り終えた。プレイバックを観ていたマカロニえんぴつメンバーが興奮冷めやらぬ様子で、もう一度やりましょう!と、もう1テイク。日は完全に落ち、暗闇の中でのラストカット。花火の光と煙の中で、想像や技術の及ばない荒々しく美しい何かを手繰り寄せた瞬間を確かに見た。

マカロニえんぴつへメッセージ

「たましいの居場所」発売おめでとうございます。
全然関係のない話で恐縮なのですが、
僕は空気階段の大ファンでして、MVの撮影日の朝ロケバスの中で不安な気持ちを払拭するために、空気階段のラジオ「空気階段の踊り場」を聞いて撮影に臨みました。

この間何気なく「空気階段の踊り場」を聞いていたところ、
はっとりさんがライブで水川かたまりさんのギャグ「サイコゥ! サイコゥ! サイコゥ!」と言ったという情報が寄せられており、一気に親近感が増しました。同じ踊り場リスナーだったとは。。。撮影前に知っていれば、、、
どうでもいい話になってしまいましたが、これからのご活躍をお祈りしてます。

「なんでもないよ、」横堀光範監督

横堀光範

MV撮影時に印象的だったこと

夢を追いかけた先で本当に大切なものに気づいた男を、
主演の柄本時生さんが泥くさくカッコ悪く演じてくれました。
最後のシーンで下着姿になって走る柄本さんを、
軽トラから大声で応援しながら撮影したのは忘れません。

マカロニえんぴつへメッセージ

カッコつけないありのままの言葉で作られた曲で
みんなの魂を振るわせるその姿がめちゃくちゃカッコいいです。
これからもみんなの「たましいの居場所」になる様な曲を聴かせてください。

「ハッピーエンドへの期待は」松本花奈監督

松本花奈

MV撮影時に印象的だったこと

「ハッピーエンドへの期待は」は、監督した映画「明け方の若者たち」の主題歌として制作していただきました。映画の編集時などにも楽曲は繰り返し聴いていましたが、MV撮影時に初めて生で演奏している姿を見て、鳥肌が立ったことを覚えています。MV撮影では通常、タイミングを合わせるためにバックで大音量で楽曲を流しながら撮影しますが、その大音量にも負けないくらいのはっとりさんの地声が、屋上に響き渡っていたことが印象的でした。

マカロニえんぴつへメッセージ

MV撮影、そしてはっとりさんとは「MG」の対談でもお世話になりました。対談では、楽曲制作の裏話を聞くこともできて……。冒頭の「残酷だったなぁ人生は」に込められた想いなどが知れて、大変貴重な時間でした。
実は2019年に、井上苑子さんの「いのうえ夏祭り」で(対バンされていた)マカロニえんぴつさんを見て虜になり、それからずっと中毒のようにアルバムを聴き漁っていました。お仕事ご一緒することができて本当に光栄です。これからもずっと、ファンです!

「好きだった(はずだった )」藍にいな監督

藍にいな

MV撮影時に印象的だったこと

この楽曲を初めて聴いたときに、「なんて赤裸々なんだ」と感じました。本当は分かっているけれど掬い取れないかっこ悪い自分も含めて、恋愛というものをありありと描いている楽曲だと思います。アニメーションでそれをどう表現するかとなった時に、ひたすらに恋人達の日常を描こうと決めました。そして、それを破壊しよう!と。言わずに抱えていた本音はいつかは噴き出して、その穴を塞ごうともまた繰り返してしまう。そんな等身大の恋人達です。

マカロニえんぴつへメッセージ

たまたまラジオから流れてきたのを耳にしたのがマカロニえんぴつとの出会いでした。ユーモアのある楽曲に心を惹かれ、急いでアルバムをチェックしたのを覚えています。どうして一瞬で心を惹かれたんだろうと考えた時に、そのユーモアがポップの中に奇抜さや人間臭さを演出して、彼らの人間性まで立体的に描き出しているんだろうと思いました。ハッとして、背中を押されて、寄り添って、時に笑わせてくれる、そんなマカロニえんぴつの音楽を楽しみにしています。またどこかでご一緒出来たら、とても嬉しいです!

「キスをしよう」室谷惠監督

室谷惠

MV撮影時に印象的だったこと

「キスをしよう」のMV撮影は、様々なカップルを1日で撮影しないといけなかったため、
はっとりさんの撮影時間は30分しかなく、3テイクのみで撮影を終えました。
この楽曲、最初にアコギを触るとでる音で「きゅる」って音が入るのですが、
はっとりさんが音源と同じタイミングで「きゅる」の動きを合わせているのが印象的でした。
また、カットがかかる前にアコギでEric Claptonの「Tears in Heaven」を演奏してたのも良かったです。

マカロニえんぴつへメッセージ

現場でははっとりさんとしかお会いできずで
次はメンバーの皆さんともご一緒できればと思っております!

「星が泳ぐ」堀田英仁監督

堀田英仁

MV撮影時に印象的だったこと

広大な土地に大きな水の隔たりを作りたいという思いから、砂浜でのロケを行ったのですが、撮影前日は暴風でこんなんで撮影できるのか!?という心配で心がざわざわしていました。そんな感じで翌日を迎えたわけですが、前日の悪天候はなんのその、気持ち良い晴天に恵まれました。しかし気持ち良い天気とはいえ、まだまだ海は寒い4月上旬。撮影では海にダイブしてもらったり、雨降らしでずぶ濡れになってもらったりと、体をたくさん張ってもらい大変だったと思うのですが、皆全力を出してくれました。
記憶できる量より、忘れていく量の方が圧倒的に多いことは、流れゆく滝の循環に似ています。そんなテーマの映像だったわけですが、僕の撮影の記憶は、バンドはやっぱり演奏している時が一番。ということを再認識させてくれたことでした。

マカロニえんぴつへメッセージ

2nd EP発売おめでとうございます! マカロニえんぴつの楽曲は、時に晴天だったり、雨の日の水溜りや、雪が舞ったり、心地よい風が吹いたりする、様々な天気を感じさせてくれる音楽です。だから音の先に景色の存在が香っています。これからもどんどんリスナーに新たな景色を見せてあげてください! 楽しみにしています。

「なんでもないよ、OKKAKE Long ver.」野村徹監督

野村徹

MV撮影時に印象的だったこと

ライブ本番前日のゲネプロの合間を縫った撮影だったので、とにかく時間がない撮影だった。セッティングの待ち時間にファンの方を盛り上げてくれるメンバーに感謝。

マカロニえんぴつへメッセージ

ライブでの関わりがほとんどですが、ライブのMC、好きですよ。

ツアー情報

マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~

  • 2022年9月30日(金)千葉県 森のホール21
  • 2022年10月16日(日)長野県 ホクト文化ホール 大ホール
  • 2022年10月20日(木)高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール
  • 2022年10月22日(土)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
  • 2022年10月30日(日)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
  • 2022年10月31日(月)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
  • 2022年11月8日(火)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
  • 2022年11月9日(水)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
  • 2022年11月17日(木)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
  • 2022年11月18日(金)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2022年11月22日(火)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2022年11月23日(水・祝)福島県 けんしん郡山文化センター
  • 2022年12月4日(日)熊本県 熊本城ホール メインホール
  • 2022年12月6日(火)大阪府 オリックス劇場
  • 2022年12月7日(水)大阪府 オリックス劇場
  • 2022年12月10日(土)北海道 コーチャンフォー釧路文化ホール(釧路市民文化会館)
  • 2022年12月12日(月)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
  • 2023年1月7日(土)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2023年1月8日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

マカロニえんぴつ

はっとり(Vo, G)、高野賢也(B, Cho)、田辺由明(G, Cho)、長谷川大喜(Key, Cho)からなる4人組ロックバンド。メンバー全員が音楽大学出身。2015年1月に1stミニアルバム「アルデンテ」、同年12月に2ndミニアルバム「エイチビー」をリリース。2017年2月にshibuya eggmanのmurffin discs内レーベル・TALTOに移籍し3rdミニアルバム「s.i.n」、12月に1stフルアルバム「CHOSYOKU」を発表した。2019年2月に4thミニアルバム「LiKE」、2020年4月に2ndフルアルバム「hope」をリリース。2020年11月にTOY'S FACTORYよりメジャー1st CD「愛を知らずに魔法は使えない」を発表した。2021年4月には「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の主題歌を表題曲としたメジャー1stシングル「はしりがき」をリリース。2022年1月にメジャー1stフルアルバム「ハッピーエンドへの期待は」、6月に新作「たましいの居場所」を発表した。2022年9月から2023年1月にかけては全国ツアー「マカロックツアーvol.14 ~10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇~」を行う。