ナタリー PowerPush - THEラブ人間

メジャー1stシングル完成 自主企画「下北沢にて」を語る

下北沢で野外フェスやろう

──先程ツネさんがお話されたように、11月27日には下北沢のライブハウス5会場で「下北沢にて」というイベントを主催されます。約40組が出演するという大型企画ですが、企画の発端から教えてください。

金田 俺とツネがバンド組む前にさかのぼるんですけど。

ツネ 3年前ですね。普通のことをやりたくないって、ずっとこうしようああしようって考えてて。

金田 若者がよく思うことですよね。

ツネ 最初は下北沢で野外フェスやろうよって。

金田 (下北沢)440の前にやぐら立てて、道を歩行者天国にして。

ツネ 「そういうのできんじゃねえの?」っていうところから始まって、最終的にそこに行けばいいなっていう感じで、とりあえずライブハウスから始めようって、去年3会場でやらせてもらったんです。

金田 3会場で僕ら3回演奏したんですよ。トリ、真ん中、トップ、全部セットリスト変えて。衣装も全部変えて。

ツネ っていうのをやらせてもらって、とりあえず「ラブ人間フェス」っていうのを始めました。

THEラブ人間

金田 要は友達ができたんだよね。2008年から2年間かかってるんですよ、やるまでに。ラブ人間をその間に結成したのと、下北の街自体を知ってるバンドマンとどんどん知り合っていったんです。ネットとか雑誌とかで言われてる「下北系」っていうものはもうこの街にはねえぞって。本当に新しい音楽が始まるところを見せつけたかったんですよね。

ツネ 「俺たちの仲間やべえぞ!」って。

金田 1回目はそれだけのためにやった感があります。

ツネ 今回2回目をやるにあたって、会場も増やして下北の街もどんどん絡めていったら面白いんじゃないかと思って、下北の地元の人や店舗を絡めてやることになりました。今回テーマがあって、それが「出会い」なんですよ。街ぐるみのイベントにしたいなと。

金田 ラブ人間の元々のテーマみたいなもんなんですよね。去年は出会いを見せつけたから、今年はお客さんも含めて「この街に出会う」という感覚を味わってほしい。僕たちは、出会っちゃたからこんな狭い街に居続けているんですけど、もし出会わなかったらこんな人生送ってないなって。

ツネ 代沢小学校と代沢中学校の子たちもバンドで出てくれたり、GOPALも協力してくれて、DJブースになったりとか。CCC(CITY COUNTRY CITY)にも行ったら何かあるよって。

ライブハウスの魅力

──ライブハウスとはどのように交渉したんですか?

ツネ 元々僕と金田くんがライブハウスのCAVE BEで働いてたんで、それが強かったなって思います。

金田 それぞれのライブハウスはバンドでも出たり、遊びに行ってる場所だから。自分たち自身がライブハウスの住人だから、みんなわかってくれるんですよね。

ツネ 「今日何してるの?」っていうと大抵ライブハウスにいる(笑)。5人中誰かしらは毎日ライブハウスにいると思いますね。

──ライブハウスにはどんな魅力がありますか?

金田 中学校とか高校とか大学って、身分が明らかじゃないですか。でも、ライブハウスは、どこに住んでるとか、年齢、名前、そういうものがなくても仲良くなれる。僕、あだ名しか知らないとか、どこに住んでるのかとか職業も知らないような友達ばっかですもん。明け方にあだ名しか知らない友達と下北の駅に向かって帰って、「あれ、そういえばどこ住んでるの? てか、仕事何してんの?」みたいな(笑)。そういうのってすっごい平和というか、すごいフリーですよね。僕はそれが魅力のひとつだと思います。

ツネ 「ここにいたら何か起こるんじゃないか」みたいな感覚は絶対あるかな。下北だけじゃないけどね。

金田 いつかいろんな場所でやってみたいよね。僕、東京出身だから、故郷に帰る感覚って全然ないんですよ。だから、いろんな街で友達作って、ゆくゆくは「広島にて」とかできたらなって。

ツネ 「大阪にて」とかね。

金田 本当に拡大したいですね。我々は生き急がなくていいので、60歳くらいになって「京都にて」とかやりたいです。いつかできるんだろうなって漠然と思ってますけど。

──では最後に、何か言い残したことや読者へのメッセージがあればお願いします。

ツネ 僕らも26歳とかになったんですけど、誰もが自分が子供っぽいなとか大人になったなとか意識するときがあると思うんです。そういうときにこのCDを聴いて、いろいろ考えてもらえたらなと。

金田 ナタリーをご覧のみなさん。CDとイベントのことを総括すると、もはや人と人とのつながりでしかものごとは動かないと最近思いまして。お金も権力もマジブルシットなので、ライブに足を運んだり、人が作ったものにたくさん触れることでしか感情も動かないし、あなたの足をもう一歩前に進めることはできないと思うので、よかったら人と人のつながりについて考えてみてください。そういうCDになってますし、そういうイベントになってます。

インタビュー風景

メジャー1stシングル「大人と子供(初夏のテーマ)」 / 2011年11月23日発売 / 1000円(税込) / FlyingStar Records / VIZB-18

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CD収録曲
  1. 大人と子供(初夏のテーマ)
  2. レイプ・ミー
  3. 抱きしめて [ライブ音源]
DVD収録内容
  1. 砂男 [MV]
  2. 東京 [MV]
  3. これはもう青春じゃないか [ライブ映像]
  4. 抱きしめて [ライブ映像]
  5. 砂男 [ライブ映像]
THEラブ人間
THEラブ人間 presents 下北沢にて '11

日時:2011年11月27日(日)

会場:CLUB251 / Cave Be / Daisy Bar / MOSAiC / Laguna

料金:前売り2500円+1ドリンク / ライブ会場割引チケット2000円

チケット:チケットぴあ [Pコード: 152-305] / ローソンチケット [Lコード: 74910] / e+(イープラス)

出演者:THEラブ人間 / 壊れかけのテープレコーダーズ / ひらくドア / ソンソン弁当箱 / MOROHA / キングヌラリヒョン / テツコ / チョンマゲブラザーズ / salsa / SUNN / 井乃頭蓄音団 / ガール椿 / SUNDAYS / the ARROWS / バックドロップシンデレラ / マリリンモンローズ / 未完成VS新世界 / ザ・ラヂオカセッツ / thatta / THIS IS PANIC / ANIMA / Sorrys! / ミートザホープス / オワリカラ / The John's Guerrilla / 蜜 / DENSHI JISION / 雨先案内人 / 忘れらんねえよ / らしょうもん / 太平洋不知火楽団 / Jackson vibe / 渡辺シュンスケ(cafelon)with TKC(PLATON)&おかもとえみ(THEラブ人間)/ 東京カランコロン / waffles / テングインベーダーズ / フジロッ久(仮)/ ZZZ's

THEラブ人間(らぶにんげん)

THEラブ人間

金田康平(歌手)、谷崎航大(Violin)、おかもとえみ(B)、服部ケンジ(Dr)、ツネ・モリサワ(Key)によるロックバンド。2009年1月、金田が中心となり結成され、同年4月に早くも自主制作音源「恋街のすたるじい」を発売。2010年8月には、都市型フェスティバル「SUMMERSONIC」への出演権を賭けたオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」を勝ち抜き、「SUMMER SONIC2010」幕張公演に出演を果たした。また同年9月にツアーファイナルとして下北沢のライブハウス3会場を貸し切り「THEラブ人間決起集会『下北沢にて』」を実施し、成功を収める。
全曲の作詞作曲は金田が担当。リアリティを重視した歌詞と叙情的なサウンドで注目を集める。2011年5月には、インディーズ1stシングル(初全国流通盤)「砂男・東京」をリリース。さらに7月15日に東京・渋谷LUBQUATTROで初のワンマンライブ「THEラブ人間の単独演奏会~はじめてのラブレター~」を開催し、650人の動員を記録した。8月にはビクターエンタテインメントからミニアルバム「これはもう青春じゃないか」でメジャーデビュー。11月にメジャー1stシングル「大人と子供(初夏のテーマ)」を発売し、ライブハウス5会場での自主イベント「下北沢にて」の2回目を開催する。