ナタリー PowerPush - THEラブ人間
メジャー1stシングル完成 自主企画「下北沢にて」を語る
レコーディングのこだわり
──今回のレコーディングで一番こだわった点は?
金田 テンポを間違えないようにしたのと、ミスんないようにしたのと(笑)。いや、みんな全然うまくないけど、絶対に機械じゃできないような、人間が見えるような演奏をする人たちなんですよ。だから、レコーディングでわざわざ気を付けたことは間違えないことくらいです。
──ミックスを終えて仕上がったときの率直な感想はどうでしたか?
金田 楽曲のイメージが、ミックスでグイって上がった感じですね。今回はバイオリンの谷崎と、ディレクターの渡邊さんの力が大きくて、いいものになったなと。車の中で何回も聴いたもんね。
ツネ 気持ちよすぎて寝てました(笑)。
──楽曲のイメージを伝えるときに、「あのレコードのこの質感」みたいな具体的な伝え方をされましたか?
金田 僕は谷崎に「CARPENTERS聴け」って言いました。ディレクターがCARPENTERS狂なんで。
ツネ あと、サザン(オールスターズ)の3枚目(「タイニイ・バブルス」)ね。
──ちなみに最近よく聴いている音楽は?
金田 最近は、トッド・ラングレンと友部正人が再燃してます。友部正人の「にんじん」を異常に聴いてますね。
ツネ 僕は最近「下北沢にて」というイベントの準備ばっかりやってるんで、「下北沢にて」に出演するバンドをめっちゃ聴いてますね。
理想的なラブソングのあり方
──大きくくくると、THEラブ人間はラブソングを歌うバンドだと思っています。それぞれ理想的なラブソングのあり方を教えてください。
ツネ 僕が思うのは、生活におけるラブっていうのは恋人同士が好きっていうのもひとつの愛だと思うんですけど、例えば大げさに言えば、ラブ人間の5人でやれてることだったり、家族だったり友達だったりっていうのも全部ひっくるめて愛、みたいなものになっていったらいいなって。全部がハッピーだったり楽しかったりするだけじゃなくて、もちろん話し合いとか許し合いっていうのもあって、そこの間を真実で歌っていくことが愛なのかなと僕は思ってます。
金田 僕らは25、6の若者なんですけど、いまだに「結婚とはなんじゃ?」とか悩むわけです。そうするとぶち当たるのが、自分よりその人のことを好きになれるかなっていうこと。おばあちゃんが「自分よりその人のことを好きになれたときに結婚するのよ」って言っていたんですけど、僕も愛っていうのはものすごく大きいものなんだなって重々わかってきたつもりなんですね。だからこそ、愛に関しては理想をとことん追わなきゃいけないなって。僕らが歌っているのは、自分が一番気持ちいい状態を追い求めることによって生まれる怒りと悲しみと喜びと幸せっていう部分なんで。10年後くらいにメンバー全員が結婚とかしてたら、歌う相手がもうちょっと明確になってくるっていうのも面白いかなって。もちろんツネが言うように、僕らは友達のことを歌ったり家族のことも歌いますけど。それと、ラブソングっていうことでいえば、「LOVE」と「HATE」は同義語っていう気持ちが強いですね。
──どういうことですか?
金田 幸せな歌を歌う裏にはそれを失う恐怖があるし、悲しみを歌うときには幸せを追い求める自分がいるということですかね。これはもう完全に別物じゃないなと。「生きてることと死ぬことは一緒」という話と同じです。生きてる延長線上に死が待ってるし、そういう感覚と一緒で、自分の中では「LOVE」と「HATE」がまったく同じものとして存在しています。だから「THEヘイト人間」でもいいんです。
CD収録曲
- 大人と子供(初夏のテーマ)
- レイプ・ミー
- 抱きしめて [ライブ音源]
DVD収録内容
- 砂男 [MV]
- 東京 [MV]
- これはもう青春じゃないか [ライブ映像]
- 抱きしめて [ライブ映像]
- 砂男 [ライブ映像]
THEラブ人間 presents 下北沢にて '11
日時:2011年11月27日(日)
会場:CLUB251 / Cave Be / Daisy Bar / MOSAiC / Laguna
料金:前売り2500円+1ドリンク / ライブ会場割引チケット2000円
チケット:チケットぴあ [Pコード: 152-305] / ローソンチケット [Lコード: 74910] / e+(イープラス)
出演者:THEラブ人間 / 壊れかけのテープレコーダーズ / ひらくドア / ソンソン弁当箱 / MOROHA / キングヌラリヒョン / テツコ / チョンマゲブラザーズ / salsa / SUNN / 井乃頭蓄音団 / ガール椿 / SUNDAYS / the ARROWS / バックドロップシンデレラ / マリリンモンローズ / 未完成VS新世界 / ザ・ラヂオカセッツ / thatta / THIS IS PANIC / ANIMA / Sorrys! / ミートザホープス / オワリカラ / The John's Guerrilla / 蜜 / DENSHI JISION / 雨先案内人 / 忘れらんねえよ / らしょうもん / 太平洋不知火楽団 / Jackson vibe / 渡辺シュンスケ(cafelon)with TKC(PLATON)&おかもとえみ(THEラブ人間)/ 東京カランコロン / waffles / テングインベーダーズ / フジロッ久(仮)/ ZZZ's
THEラブ人間(らぶにんげん)
金田康平(歌手)、谷崎航大(Violin)、おかもとえみ(B)、服部ケンジ(Dr)、ツネ・モリサワ(Key)によるロックバンド。2009年1月、金田が中心となり結成され、同年4月に早くも自主制作音源「恋街のすたるじい」を発売。2010年8月には、都市型フェスティバル「SUMMERSONIC」への出演権を賭けたオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」を勝ち抜き、「SUMMER SONIC2010」幕張公演に出演を果たした。また同年9月にツアーファイナルとして下北沢のライブハウス3会場を貸し切り「THEラブ人間決起集会『下北沢にて』」を実施し、成功を収める。
全曲の作詞作曲は金田が担当。リアリティを重視した歌詞と叙情的なサウンドで注目を集める。2011年5月には、インディーズ1stシングル(初全国流通盤)「砂男・東京」をリリース。さらに7月15日に東京・渋谷LUBQUATTROで初のワンマンライブ「THEラブ人間の単独演奏会~はじめてのラブレター~」を開催し、650人の動員を記録した。8月にはビクターエンタテインメントからミニアルバム「これはもう青春じゃないか」でメジャーデビュー。11月にメジャー1stシングル「大人と子供(初夏のテーマ)」を発売し、ライブハウス5会場での自主イベント「下北沢にて」の2回目を開催する。