音楽ナタリー PowerPush - 愛乙女★DOLL
苦難を乗り越えてつかんだメジャーという星
やり遂げたときの達成感が違う
──佐野さんは自分が加入する以前、らぶどるにどういう印象をもっていましたか?
佐野 私はAKB48さんにしか興味がなかったので、本当にほかのグループをまったく見てなくて。らぶどるもみーたんに誘われてから見てみて、こんなアイドルもいるんだって感じたくらいです。新鮮でした。
──AKB48は劇場公演がありますし、セットリストも毎回変わるわけではないですからね。
佐野 どちらも経験してるから余計にわかるというか、まったく別のものだなって感じました。でも今までやってた経験は生かせるところもありましたし、違うところはそれはそれで楽しいって思いました。
愛迫 私もAKB48かららぶどるだったので全然違うんだなっていうのは当時すごく感じました。当たり前なんですけど、全部自分たちでやらなきゃいけないし、大変だけどやり遂げたときの達成感の質が一番違うのかなと。らぶどるの6人でがんばってCDが売れたときは“6人でがんばった結果だ!”って実感しますもん。
──チーム戦をしてる感じですかね?
佐野 そもそも「ライブで人が来ない、どうしよう」っていう悩みが以前はあまりなかったというのが本音で、外に出てみてその大変さに気付かされました。だから6人でもっとファンの人を増やすにはどうしたらいいかっていうことから話し合って。そういう一体感を感じられるのがグループとして大事なことなのかなと思いました。
──ハルナさんはらぶどるを見てどう思いましたか?
ハルナ 私は初めてアイドルのライブを生で観たのがらぶどるでした。最初はファンの人のコールを聞くのが初めてで「なんだこれはっ!?」ってビックリしちゃったんですけどね(笑)。
──カルチャーショックを受けて(笑)。
ハルナ はい。それを含めて「これがらぶどるか!」って思いました。私にとってのアイドル初体験がらぶどるだったので、そのときも「アイドルってこんな感じなんだ」って面食らっちゃって。この中に私が入ったら、どうなっちゃうんだろうって思ってました。
──オーディションを受けたときはまだ小学生でしたもんね。それは不安ですよね。
岩崎 でも、ハルナがそのとき小学生じゃなかったら受かってなかった可能性もあるんですよ。小学生のメンバーだから面白いっていうことで合格にしたっていうのを社長から聞きました。私たちもう20歳くらいなのに、新しく小学生が入るって聞いて戸惑いましたけどね(笑)。
──それだけ年齢が離れていると何を話していいかわかんないですよね。
岩崎 そうなんですけど、小学生が入ったら新しいファン層が来てくれるかもっていう話はしました(笑)。
佐野 初めてレッスンに行ったときにレッスン場にハルナがいて。「この子ってなんだろう?」って私も戸惑いました。こんなに若い子も入るグループで、私、大丈夫かなって(笑)。
私たちはまだ、そのときじゃない
──後輩グループも続々と増えてきましたね。
岩崎 Doll☆Elements、Stella☆Beats、Luce Twinkle Wink☆、Ange☆Raveの4組になりました。
──頼もしい後輩ですか?
岩崎 めっちゃ刺激をもらってます。
愛迫 昔をすごく思い出すんですよ。がむしゃらにやってるのを見ると初心に帰ります。
岩崎 ステラとルーチェは最近特にすごくて、競い合ってる感がいい方向に働いているように感じてます。リハーサルの時点からすごい気迫を感じますもん。ああ、みんなが同じ方向を向いてるなって。
佐野 私たちも全力でやってますけど、たまに負けちゃうんじゃないかって思うくらい彼女たちは毎回のステージに賭けていて。その姿を見て、余計に負けられないって思います。
──さらに彼女たちにもAnge☆Raveという後輩グループができて。切磋琢磨してますね。
岩崎 私たちは“越えられない壁”になっておかないといけないので、がんばらないと。
佐野 いつまでも目標として見てもらえるグループでいないとね。
──どるえれは皆さんの後輩ではありますが、先にメジャーデビューを決めました。そのときいろいろと思うところはあったと思いますが。
佐野 正直、そのときはズドンとグループ全体が落ちたというか。
愛迫 でもすぐに持ち直したんですよ。自分たちの力を信じてたから。
岩崎 「私たちはまだ、そのときじゃない」って思うことにしました。
──そしてらぶどるも今年の4月にメジャーデビューが決まりました。
岩崎 そのタイミングが今の、6人の私たちにとってベストだったと思います。もし焦って違うレーベルでメジャーデビューしてても今の私たちにはなってなかったと思いますし。
──メジャーデビューが決まってからもいろいろと大変だったと思うのですが。
岩崎 大変というよりも楽しさが勝ってました。
愛迫 大変って感じたことが全然ないんですよ。
──イベントやライブ、レコーディングにも、今までとは違うモチベーションで臨めました?
愛迫 そうですね。やってることはそんなに変わらないのにすべてが新鮮という感じで。
新曲は群を抜いてアイドルソング
──メジャーデビュー曲「High Jump!!」は、これまでの皆さんの活動や心情が歌詞になっていましたね。
岩崎 初めて曲を聴いたとき、泣きました。自分たちのこれまでと重なって「そのまんまだ!」って。それに私たちの過去、現在、未来が全部詰まってるような気がしました。
佐野 本当に私たちのための曲だなって思いました。
──それまでの曲もライブではかなり盛り上がるものはありましたけど「High Jump!!」は特別というか、ファンの皆さんの感情が爆発しますよね。
ハルナ そうなんです! 皆さん、一緒に踊ってくれるんです!
岩崎 私たちが手を上げると、それにあわせて皆さんがほぼ全員手を上げてくれるんですよ。今までそんなことなかったからビックリして。私、ブログで「High Jump!!」を「GO!! MY WISH!!」みたいな曲にしたいって書いたんですよ。やっぱり“らぶどる=「GO!! MY WISH!!」”みたいなところがあったので。今は「High Jump!!」もらぶどるの代表曲になれたんじゃないかと思ってます。
──そして2ndシングル「セツナツ、ダイバー」がリリースされます。切ない夏の恋を歌った曲ですけど、決して暗くなく超前向きですよね。
愛迫 明るい曲なのでノリやすいと思います。
佐野 すごくキャッチーで、らぶどるの今までの楽曲の中でも群を抜いてアイドルソングだなって感じました。
──今までやってこなかった直球ストレートの“王道アイドルソング”ですよね。
佐野 そうなんです! この曲では皆さん、アイドルを見るような目で私たちのことを見てくれて(笑)。だからこっちももっとアイドルになれるというか。
岩崎 今回、振り付けも衣装さんも今までとは違う方にお願いしてまして、そういうところでも違いを感じられるかと。
ハルナ 今までにはなかったらぶどるだよね。
佐野 うん。この曲は特に踊ってて飽きがこないというか、あっという間に終わっちゃう。短く感じるくらい楽しくて。
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- ニューシングル「セツナツ、ダイバー」 / 2014年8月27日発売 / 日本クラウン
- Type-A [CD+DVD] / 1620円 / CRCP-10321
- Type-B [CD] / 1080円 / CRCP-10322
- Type-C [CD] / 1080円 / CRCP-10323
- Type-D [CD] / 1080円 / CRCP-10324
Type-A CD収録曲
- セツナツ、ダイバー
- ワチャゴナ!
- サヨナラと君が言った
- 少女アステリア
- セツナツ、ダイバー Off vocal
- ワチャゴナ! Off vocal
- サヨナラと君が言った Off vocal
- 少女アステリア Off vocal
Type-A DVD収録内容
- セツナツ、ダイバー Music Video
- 特典映像
Type-B 収録曲
- セツナツ、ダイバー
- ワチャゴナ!
- セツナツ、ダイバー Off vocal
- ワチャゴナ! Off vocal
Type-C 収録曲
- セツナツ、ダイバー
- サヨナラと君が言った
- セツナツ、ダイバー Off vocal
- サヨナラと君が言った Off vocal
Type-D 収録曲
- セツナツ、ダイバー
- 少女アステリア
- セツナツ、ダイバー Off vocal
- 少女アステリア Off vocal
愛乙女★DOLL(ラブリードール)
愛迫みゆ、岩崎夢生、芦崎麻耶、都築かな、佐野友里子、ハルナからなる6人組アイドルグループ。アイドルらしいキュートな一面を持ちつつも見応えあるパワフルなライブパフォーマンスで支持を集めている。姉妹グループにはDoll☆Elements、Luce Twinkle Wink☆、Stella☆Beats、Ange☆Raveの4組が存在する。2011年よりライブ活動をスタートさせ2012年6月より「業界初12カ月連続新曲披露公演」を実施し話題となる。2014年4月に日本クラウンより「High Jump!!」でメジャーデビュー。同年8月には2ndシングル「セツナツ、ダイバー」を発表した。