「High-lights」コーナーで見つけた戦時中の手記

その後木下の「戦争モノに興味がある」という言葉を受けた馬場氏は戦争にまつわる商品を取り扱うコーナーがある6階へとメンバーを案内した。このフロアは“人生”をテーマにした商品がラインナップされた場所で、保険ショップが設けられるなどユニークな構成となっている。ここからは人文書をメインに扱っているという書籍担当の幸恵子氏と合流。人文書の中から「戦争」にスポットを当てた書籍を集めた「High-lights」コーナーで幸氏は、木下に今日マチ子の「いちご戦争」や水木しげるの「戦争と読書 水木しげる出征前手記」といった戦争にまつわる本を、丁重な解説を交えながら紹介してくれた。木下は幸氏の説明に1つひとつ耳を傾け、最終的に幸氏推薦の1冊・石川達三の「生きている兵隊」を手にレジへと向かった。

森、ホラー作品の魅力を自ら紹介

一方ホラーモノに興味のある森は、こちらも6階にある「科学」コーナーへ。この日は同コーナーの担当者が不在だったため、森自身が「よし、“森バイヤー”でいくか」と意気込む。同コーナー内に展開されているホラー作品の陳列棚を眺め、気になる商品をピックアップしていった。彼はまず映画「ファニーゲーム」のDVDを手に取り、「これは僕が人生で一番影響を受けた映画で、不快感100%の映画。気持ちいいところはひとっつもないエグい内容です」と一息に説明。またDVD「28日後」を発見すると、“走るゾンビ”が最初に出てきた映画であることなど、次々にホラー作品への愛情に満ちた話を続けた。なお森がホラー作品にハマったきっかけは「エクソシスト」で、彼曰く「今は使っちゃいけないサブリミナル効果の影響でたぶんホラー大好きになったんだと思います」と冗談を飛ばしていた。

またホラー関連棚には妖怪にまつわる作品が並んでおり、その横にはゆらゆら帝国のCDなどが陳列されていた。馬場氏はこれについて「ここの担当バイヤーいわく、ゆら帝は妖怪好きらしいんですよね。だから水木しげる先生の作品の近くに置いているそうです」と、専属バイヤーが独自の目線で選んだアイテムが並んでいることを教えてくれた。

「科学」コーナーにThe Chemical BrothersのCDが

さらに「科学」コーナーには宇宙や自然をテーマにした書籍が並ぶ。Tatsuyaは「宇宙論の超トリック暗黒物質の正体」という難解なタイトルの書籍に興味を示す。「マニアックな友達の家の棚みたいになってますね」と、テーマ別の陳列に好感を抱いていた。

なお「科学コーナー」の一角には立ち読みならぬ“座り読み”ができるテーブルとイスが置かれており、Tatsuyaは実際にそのイスに座って本の中身をゆっくりと眺めていた。さらにその裏のネイチャーコーナーでThe Chemical BrothersのCDを見つけた森は「なんかこのコーナーに来た人に興味を持ってもらえそうなジャケットだし、バイヤーさんのセンスって重要なんですね」と感心していた。