LiSAとして生きていく決意、LiSAとして生きていく道
──逆に最後の曲に注目すると、「Day」のほうは「Believe in myself」。この曲はLiSAさんのソロデビューミニアルバム「Letters to U」の収録曲で、仮に曲順を年代順に並べたら1曲目になる曲ですよね。
今、7年歩いてきた道を振り返ると、「Believe in myself」は私がデビューする前から、それこそ小学生のときにSPEEDさんに憧れてシンガーになりたいって思ったときから抱き続けてきた夢が叶った瞬間の歌なんですよ。と同時に、LiSAとして生きていく決意を歌った歌であり、言ってみれば始まりの歌なんですよね。
──なるほど。
ただ、私個人の夢が叶ってしまったあと、私はLiSAとして何を目指せばいいんだろう? 「Believe in myself」で私は「いつか この曲聴いた 誰かが 今を 愛せたらいい」と歌ったけど、じゃあどうやって?っていう迷いみたいなものも同時にあって。その答えを探しながら、目の前のことを1つひとつ一生懸命やっていって、その過程で私が発していた言葉を先輩(田淵智也 / UNISON SQUARE GARDEN)が音楽に落とし込んでくれたのが、「best day, best way」という曲なんです。
──その「best day, best way」は「Way」の最終曲であり、LiSAさんとしては初のノンタイアップのシングルですね。
そうです。「best day, best way」をリリースする前に出した「oath sign」と「crossing field」は、どちらも関わらせていただくアニメ作品(前者は「Fate/Zero」、後者は「ソードアート・オンライン」)に対して自分が今できることを考えて大切に作った曲で。そのあとで「じゃあ次、LiSAとして何が歌いたい?」って言われたときに、「えっ?」みたいな(笑)。
──LiSAとして生きる決意はしたものの、その具体的な指針は模索中だったから。
そんなときに先輩が「LiSAちゃんがこれから歌っていく道はこれだ」と、「best day, best way」を与えてくれて、そこで初めてLiSAとしての生き方がはっきり見えたと言うか。私は「best day, best way」の「ただ今日が最高なんだから」っていうフレーズが大好きで、このフレーズのためにみんなに楽しいことを届けていこうって思ったんですね。だから、LiSAとして生きていく道が決まったのが「best day, best way」でした。
──その道を歩んでいった結果、曲名がベスト盤のタイトルに。それって計算してできることじゃないですよね。
あははは(笑)。だから、大事なことは過去に全部あったんですね。
ライブで遊び方がどんどん変わってきた「ROCK-mode」
──「Way」には「ROCK-mode」のリアレンジバージョン「ROCK-mode'18」が収録されています。これはどのような意図から?
「ROCK-mode」は、ライブで育った楽曲の象徴だと思っていて。ついでに言うと、「Day」に入ってる「ジェットロケット」も同じくらい象徴的な曲で。ライブでみんなが「ジェットロケット」を自分の歌のように歌ってくれたことがすごくうれしくて、そこでやっとライブにおけるLiSAの役割を見つけることができたんです。その手応えが、「best day, best way」という曲につながっている部分もあって。
──本当に1曲1曲がつながっているし、積み重ねられていますね。
で、「ROCK-mode」なんですけど、この曲はライブでの遊び方がどんどん変わってきていて。クラップのパートも長くなったり、“エロゾーン”と呼ばれるゾーンがあったり、みんなにとっても思い切り遊べる曲になってるし、それこそ「Rising Hope」と同じように、みんなにすごく愛されている曲なんです。
──そのリアレンジを、PABLO(a.k.a. WTF!?)さんにお願いしたのは?
PABLOさんは、私の楽曲を作ってくださっているクリエーターさんであり、私と一緒にステージに立って同じ景色を見ている仲間でもあるんです。そのPABLOさんだったら、ライブを通して一番進化してきた「ROCK-mode」を、私が何も言わなくても一番ふさわしい形にしてくれる。LiSAのことを全部わかって、ライブも肌で感じてくれているPABLOさんになら、安心してこの子を任せられるなと。
──ライブで育った曲だからこそ、あの冒頭のSEなんですね。
そうですね。
──で、イントロがこれでもかというくらい、コテコテのメタルなアレンジになっていて。
そうそうそう。PABLOさん曰く「絶対的なロックスター感」だそうです(笑)。
何者でもなかった自分がLiSAになった
──ここからは新曲について聞かせてください。まず「Day」に収録されたロックバラード「WiLL~無色透明~」の作曲は、LiSAさんが歌手に憧れるきっかけになったSPEEDのプロデューサーだった伊秩弘将さんですね。
ベスト盤って、当たり前ですけど既発曲で構成されているわけじゃないですか。その中に新しい子が入ってくるってなったときに、その子に最初から自分たちの物語を説明するのはナンセンスだなって思うんです。でも、友達の友達みたいな関係だったら「うえーい」ってできるなっていう(笑)。
──「うえーい」(笑)。
過去にお世話になった人やLiSAに関連のある人だったら、ベスト盤に楽曲を提供してもらう意味がある。と言うか、伊秩さんにはここで入っていただくしかないんじゃないかって思ったんです。言い方を換えれば、私のいつかの夢を叶えられる場所はここしかないんじゃないかって。伊秩さんは何回もLiSAのライブに遊びにきてくださっていて、そのご縁もあって今回オファーを出させていただいたんですね。そうやって、かつて私に夢を抱かせてくれたSPEEDさんのプロデューサーに、今、歌を歌う仕事をしている私が作曲をお願いできるっていうのは、本当に夢が叶った証拠だなって。
──7年前に叶えられた夢を上書きするかのようですね。
その7年前に出したデビューミニアルバムに「無色透明」という曲が入ってるんですけど、それは私が東京に出てくる前の、何者でもなかった自分の歌なんですね。そんな何者でもなかった私が、この「WiLL」でLiSAになっているんです。だから「WiLL」は、LiSAのこれまでとこれからを歌った歌であり、同時に今の歌でもある。しかも、サビの最後「まだ夢の続き 僕達のレガシー」のあとに、その「無色透明」のフレーズが流れてくるんですよ。それを入れたのは、編曲の堀江晶太くん(PENGUIN RESEARCH)。すごいなって思いました。
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私の声なら、寂しい言葉もきっと明るく響く
LiSA「LiSA BEST -Day-」「LiSA BEST -Way-」 2018年5月9日発売 / SACRA MUSIC
- 「LiSA BEST -Day-」
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初回限定盤 / Blu-ray
[CD+Blu-ray]
4860円 / VVCL-1218~9 -
初回限定盤 / DVD
[CD+DVD]
4320円 / VVCL-1220~1 -
通常盤 [CD]
3240円 / VVCL-1222
- CD収録曲
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- Rising Hope
- crossing field
- だってアタシのヒーロー。
- シルシ
- AxxxiS
- Empty MERMAiD
- ジェットロケット
- BRiGHT FLiGHT
- traumerei
- L.Miranic
- ID
- LiTTLE DEViL PARADE
- WiLL~無色透明~
- Believe in myself
- 初回限定盤DVD / Blu-ray収録内容
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- LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~
- L.Miranic
- crossing field
- Merry Hurry Berry
- ミライカゼ
- say my nameの片想い
- Peace Beat Beast
- オレンジサイダー
- the end of my world
- Empty MERMAiD
- Psychedelic Drive
- 「LiSA BEST -Way-」
-
初回限定盤 / Blu-ray
[CD+Blu-ray]
4860円 / VVCL-1223~4 -
初回限定盤 / DVD
[CD+DVD]
4320円 / VVCL-1225~6 -
通常盤 [CD]
3240円 / VVCL-1227
- CD収録曲
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- Catch the Moment
- Thrill, Risk, Heartless
- oath sign
- ASH
- Rally Go Round
- ハローグッデイ
- No More Time Machine
- Hi FiVE!
- コズミックジェットコースター
- Brave Freak Out
- ROCK-mode'18
- Mr.Launcher
- Believe in ourselves
- best day, best way
- 初回限定盤DVD / Blu-ray収録内容
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- キモチファクトリー
- そしてパレードは続く
- Believe in myself
- シルシ
- LiTTLE DEViL PARADE
- コズミックジェットコースター
- ROCK-mode
- Rising Hope
- Catch the Moment
- TODAY
- 「LiSA BEST -Day- & LiSA BEST -Way-」
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完全生産限定盤
[CD2枚組+Blu-ray]
12000円 / VVCL-1228
ベストアルバム「LiSA BEST -Day-」「LiSA BEST -Way-」に加え、完全版ライブBlu-ray「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」、Tシャツが同梱された完全生産限定アイテム。
- LiVE is Smile Always~ASiA TOUR 2018~[eN]
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- 2018年6月14日(木)東京都 日本武道館
- 2018年6月15日(金)東京都 日本武道館
- 2018年6月30日(土)大阪府 大阪城ホール
- 2018年7月1日(日)大阪府 大阪城ホール
- 2018年7月21日(土)シンガポール Zepp@BIGBOX Singapore
- 2018年8月11日(土)香港 MacPherson Stadium
- 2018年8月18日(土)台湾
- and more
- LiSA(リサ)
- 6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立し、5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」を、7月に通算12枚目のシングル「だってアタシのヒーロー。」を発表した。2018年5月にキャリア初のベストアルバム「LiSA BEST -Day-」「LiSA BEST -Way-」を同時リリースした。