ナタリー PowerPush - LiSA

“みんな”と見つけた私の“景色”

“超絶頂”も“超落ちてる地点”も全部私の“LANDSPACE”

──「LANDSPACE」ってホントに「LiSA色」で染め上げたアルバムなんですね。

もちろん(笑)。「ヒトリワラッテ」だってある意味エゴの歌ですし。作詞・作曲・編曲のwowakaさんは現実逃避Pっていう名前でボカロPとしても活動してたんですけど、名前の通り、作る曲が本当に現実逃避的というか。誰とも関わりたくないし、関わり合えない、そういう孤独をテーマにしたものが多いんですけど、その孤独感って私の中にもあるものなんです。「DOCTOR」みたいにワガママになってしまったばっかりに「今みたいな態度じゃ気持ちをわかってもらえないんじゃないか」って寂しくなったり、反対に気持ちをわかってもらえないからってワガママを言っちゃって、そのあとちょっと切なくなったりすることがしょっちゅうありますから(笑)。で、wowakaさんには前のアルバムである意味「DOCTOR」と同じくワガママな私を歌った「EGOiSTiC SHOOTER」を作ってもらっているので、今回はワガママに振る舞う前や振る舞ったあと、ちょっと寂しくなっている私のことを書いてもらったんです。

──ピアノとリズム隊が複雑なリズムを構成する、ナマ感のあるアレンジになっているのもいいですよね。デジロック寄りの「EGOiSTiC SHOOTER」と対になっていて。

確かにアルバムの曲選をしているとき、この曲のアレンジはデジタル系じゃないなって思ってました。むしろピアノの切なげな音色でエモいフレーズを弾いてもらったら、寂しい気持ちなんて抑えたいんだけど、でもすごく心の中に広がってしまっている感じが出るな、って。

──そういう自分の抱える寂しさをさらけ出すのって怖くないですか?

以前の私だったら落ちてる自分のことなんて歌えなかったと思うんですけど、私が今いる「LANDSPACE」は山あり谷ありの景色なので。まさに「コズミック“ジェットコースター”」というか、絶頂期には「DOCTOR」くらい超絶頂になれちゃうんだけど、落ちるときは「ヒトリワラッテ」くらい超落ちる(笑)。その絶頂も、落ちてる地点もどっちもLiSAっていう人の中にある景色だと思ってるし、ジェットコースターに乗ってその景色の中を猛スピードで駆け回ることもすごく楽しいんです。

「背負うのをやめたら人間じゃない何かになっちゃう」

──今のLiSAさんは自分の中の弱さを追い出すのではなく、引き受けられている?

写真は「LiSAのRoad to 武道館企画☆全国行脚47杯いただきますっ」愛知編(タワーレコード名古屋パルコ店にて実施)の様子。

「超落ちても大丈夫」「そう思える今だから歌える歌があるはず」とは思ってます。「逆光オーケストラ」なんかも歌える歌、歌いたい歌ですし。作詞の古屋(真)さんとの打ち合わせのとき、一番初めに「ライブの最後のほうに『今日、スッゲー楽しかったでしょ?』『でも明日にはもっと楽しいことが絶対あるんだから』『というか、この先楽しいことがいっぱいあんだぜ!』って伝えられる曲が欲しいです」ってお話して作ってもらっていて。

──「ライブは非日常」みたいな言い方もあるけど、LiSAさんの中ではライブは日常の一局面というか、明日からの生活と地続きのもの?

もちろん私と一緒に過ごした時間のことも大切に思ってもらいたいけど、みんなにとって大切なことや楽しいことって当然ライブだけじゃないはずなので。だから私のライブにはライブを観るためだけに来てほしくはない。明日からもがんばろうって思ってもらいたいし、そういうライブを作りたいですね。

──千の単位、万の単位のお客さんの明日を背負うのって重たくないですか?

重たいです(笑)。でもそれを背負いたいから音楽活動をしているので。それだけの数の人の人生にちょっとでも関われる人、もしかしたらその人たちの明日をワクワクするものにできるかもしれない人って、そんなにたくさんいるわけじゃないじゃないですか。そういうことをやらせてもらってるって考えたら、重たくても背負えちゃう。逆に「重たいからヤだな」ってちょっとでも思うようになったら「だったら辞めちゃえば?」って自分に言っちゃうと思います。この重さが自分の背中から消えちゃったら、私はたぶん空っぽというか、人間じゃない何かになっちゃう気がするから(笑)。

「あの曲のLiSA、かわいいよね」って言ってもらいたい!

──田淵さんと詞を共作した「say my nameの片想い」もライブを強く意識した1曲ですよね。

そうですね。作曲も田淵さんで、センパイのデモの段階ではすごくロックな感じになってたんですけど、akkinさんと一緒にアレンジしているうちにものすごいパーティソングに生まれ変わって。それなら歌詞もパーティっぽくしたいな。ちょっとあざといんだけど、男の子と女の子がホームパーティや学校のパーティに仲良く繰り出しているアメリカの青春映画みたいな感じを出せたらすごくいいだろうな、って思ったんです(笑)。

──詞の中にパーティ感を盛り込むことのどこがあざといんですか?

そのパーティの最中、女の子が見せたかわいい仕草に男の子が落ちる瞬間を歌ったのが「say my nameの片想い」なんですよ。そういう男の子がドキッとしそうな曲をライブでやったらみんなに「あの曲ってスゲー楽しいよね」「あの曲を歌ってるときのLiSA、かわいいよね」って言ってもらえるかな、って(笑)。

──それはあざとい(笑)。

そういう詞全体の方向性と基本的な内容は私が考えていて。サビの「say my nameの片想い 私のことに気づいてほしいのです」ってフレーズは田淵さんの仮歌の時点であったものなんですけど、そのフレーズとパーティソングっぽいアレンジを聴いたときに頭の中に広がったイメージをそのままワーッと書いた感じですね。で、その詞を田淵さんに渡して手を加えてもらって。例えば最後の「ここから始まるLOVER"S"MiLE」は田淵さんの書いたフレーズなんですけど「最後の詞を『ここから始まるLOVER"S"MiLE』にしたら、前のアルバム『LOVER"S"MiLE』につながるじゃん」「パーティをきっかけに2人の物語が始まって、最終的には『LOVER"S"MiLE』の中の2人みたいに一緒にいられるようになったらスゲーよくない?」みたいなことを言いだして。私も私で「それ超いい!」って(笑)。

ニューアルバム「LANDSPACE」 / 2013年10月30日発売 / アニプレックス
初回限定盤 [CD+Blu-ray+DVD] 4200円 / SVWC-7961~3
通常盤 [CD] 3150円 / SVWC-7964
収録曲
  1. Canvas boy × Palette girl
    [作詞:古屋真 / 作曲:黒須克彦 / 編曲:akkin]
  2. コズミックジェットコースター
    [作詞:LiSA / 作曲:黒須克彦 / 編曲:黒須克彦]
  3. crossing field
    [作詞:渡辺翔 / 作曲:渡辺翔 / 編曲:とく]
  4. DOCTOR
    [作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:堀江晶太]
  5. 僕の言葉で
    [作詞:LiSA / 作曲:黒須克彦 / 編曲:黒須克彦・星野孝文]
  6. best day, best way
    [作詞:田淵智也 / 作曲:田淵智也 / 編曲:akkin]
  7. ヒトリワラッテ
    [作詞:wowaka / 作曲:wowaka / 編曲:wowaka]
  8. say my nameの片想い
    [作詞:LiSA・田淵智也 / 作曲:田淵智也 / 編曲:akkin]
  9. うそつきの涙
    [作詞:古屋真 / 作曲:清水葉子 / 編曲:akkin]
  10. 逆光オーケストラ
    [作詞:古屋真 / 作曲:磯崎健史 / 編曲:堀江晶太]
  11. traumerei
    [作詞:HIDEO NEKOTA / 作曲:HIDEO NEKOTA / 編曲:akkin]
  12. winding road
    [作詞:LiSA / 作曲:LiSA / 編曲:akkin]
初回限定盤Blu-ray / DVD収録内容

シングル曲「oath sign」「crossing field」「best day, best way」「traumerei」のビデオクリップ / メイキング映像 / CMスポット収録。

LiSA(りさ)
LiSA

6月24日生まれ、岐阜県出身。学生時代よりバンド活動を始め、2008年に活動の拠点を東京に移す。2010年春にはテレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。Girls Dead Monsterでの活動が好評を博し、2011年4月にはLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビューを果たす。同11月にリリースしたアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」と、アニメ「ソードアート・オンライン」のオープニング曲となった2012年8月のシングル「crossing field」はともにオリコン週間シングルランキング5位に輝く。その一方で2011年末に東京・日本武道館で開催された「リスアニ!LIVE 2011」でヘッドライナーを務め、2012年4月には2月リリースの1stフルアルバム「LOVER"S"MiLE」を携え、東京・日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを開催。2010年にGirls Dead Monsterとして出演して以来、毎年「Animelo Summer Live」に招へいされるなど、そのステージパフォーマンスにも評価が集まっている。2013年には「best day, best way」「traumerei」(※「a」はウムラウト記号付きが正式表記となる)という2枚のシングルをリリースし、10月には2ndフルアルバム「LANDSPACE」を発表した。