音楽ナタリー Power Push - LACCO TOWER
ブレずに新たなステージへ
これがLACCO TOWERだ!
──ニューアルバム「非幸福論」はメジャーの話が決まってから制作に取りかかったんですか?
真一 はい。メジャー1発目というところで、意気込みはいつも以上に凄まじかったです。今までのアルバムでは録り溜めてたものを入れることもあったけど、今回はすべての曲を新たに作ったんですよ。まだ見ぬ人たちに、「これがLACCO TOWERだ!」っていうものを見せたかったので。
松川 今回もほとんどの曲の元ネタを真一がまず作ってくれて。相当気合い入れて作ってたんで、真一は虫みたいになってましたね。ひからびすぎて(笑)。
真一 今回はほんとにシビアに作りました。メロディの1小節、4拍の部分に5日くらいかけたりとか。
塩﨑 そうやって作られた曲がどんどん上がってくるんですけど、リードトラックの「非幸福論」がなかなかできなかったんだよね。
松川 うん。それができるまでは正直不安でした。信頼してるから真一には言わなかったけど、今回はどういう体裁のアルバムになるんだろうって、みんな気持ちがふわふわしてたというか。
塩﨑 できてきた曲から手をつけ始めてはいるけど、「これフル(アルバム)でいけんのか?」っていう不安も若干あった。しかも、そんな中で大介が救急車で運ばれるっていう……。
細川 僕、2回倒れちゃったんですよ。意気込みがすごすぎてマジで寝れなくて。ギターどうしよう、アレンジどうしよう、リリース間に合うのかなとかいろいろ考えて3日くらい徹夜してたら、急に泡吹いて倒れちゃって。
塩﨑 いろいろ追い込まれちゃってね。とは言え、ギターの前にリズム隊が録るから、こっちが先に泡吹きたかったけどね。吹けるもんなら(笑)。
真一 それ言ったら俺も倒れてえって思ってましたけどね、マジで(笑)。リード曲の構想はあったけど、どれもダメだダメだっていう感じで切り捨ててましたから。でもメンバーが待ってるんで、確実にリードにはならないとわかっていてもほかの曲を出すしかないっていう。そのプレッシャーはほんとすごくて、参っちゃってましたね。
塩﨑 で、虫になっちゃって。
松川 で、変なメガネかけちゃって。
──いや、でもアルバムを聴かせていただくと、LACCO TOWERというバンドの魅力を多角的に感じさせてくれる楽曲ばかりだと思うんですよ。言ってしまえば、どれもがリード曲になり得る。
松川 そこはね、手前味噌ではあるんですけど、なまじ、ほかの曲がいいからこそ、リード曲はもっとよくなきゃいけないという意識が自分らにはあって。
真一 うん。全部リードにできるようには作ってましたから。ただ、今回のアルバムのコンセプト的に、変わらないLACCO TOWERを見せたい部分が大きかったんですよ。
塩﨑 ブレない感じというかね。その上で核になるのはやっぱり「非幸福論」とか「葡萄」とか、そっち系の曲だよなっていう気持ちがあったんです。
細川 きっとタイミングが違っていたら、ほかの曲がリード曲になる可能性もあったと思う。それくらい今回は、自信を持って出せる、いい曲ばかりがそろってるから。
救世主・重田雅俊、現る!?
──「非幸福論」が上がってきたときはいかがでしたか?
松川 まずLACCO TOWERの色が強く出た「葡萄」ができて、それをリードにしようか迷ってたんですよ。でも、その後に「非幸福論」ができて。真一から送られてきた瞬間に、絶対これがリードだって思えました。それをすぐ真一にも伝えて。
真一 僕の中にも迷いがあったんですけど、ケイスケがそう言ってくれたから「非幸福論」でいこうっていう気持ちになれて。そこからアレンジとか構成を練り直して、今の形に仕上げましたね。
──アルバムの核となる曲ができてからは、制作はスムーズに進みました?
細川 いやでも、「非幸福論」ができたのがレコーディング1、2週間前で相当ギリギリだったんで。今度は時間との闘いになるという。
松川 歌詞を書く僕のプレッシャーもハンパなかったですね。そこから全体をもう1回見直したりもしなきゃいけないし。
真一 そこからまだ6曲くらい作んなきゃいけなかったし。でもね、そんなときに救世主が現れたんですよ。重田雅俊という(笑)。
塩﨑 そうだ。重田がインフルエンザにかかって、制作の日程が延びたんですよ。それがなかったら絶対リリース間に合わなかったよね。
重田 レコーディングの前日に「斑」作ってたからね。相当ギリギリだった。
松川 うん。だから「斑」はレコーディングまで1回も合わせてない(笑)。
細川 レコーディングのときに「ああ、こんな曲なんだ」みたいな。すごく新鮮な気持ちで録れましたけど(笑)。
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- メジャーデビューアルバム「非幸福論」 / 2015年6月17日発売 / 日本コロムビア / TRIAD
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3564円 / COZP-1051~2
- 通常盤 [CD] / 3024円 / COCP-39113
CD収録曲
- 非幸福論
- 葡萄
- 朝顔
- 傷年傷女
- 星空
- 十六夜
- 茜
- 斑
- 霙
- 共鳴
初回限定盤DVD収録内容
- 「狂想序曲」「奇妙奇天烈摩訶不思議」「林檎」「星空」ライブ映像
※4月25日に群馬・群馬音楽センターにて開催のライブイベント「I ROCKS 2015 故郷編」の模様を収録。 - 非幸福論(ミュージックビデオ Full ver.)
LACCO TOWER「非幸福論」リリースツアー
“感幸旅行”
- 2015年7月4日(土)
- 福岡県 Queblick(※ワンマンライブ)
- 2015年7月11日(土)
- 大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE(※ワンマンライブ)
- 2015年7月18日(土)
- 愛知県 APOLLO BASE(※ワンマンライブ)
- 2015年7月20日(月・祝)
- 東京都 LIQUIDROOM(※ワンマンライブ)
- 2015年9月11日(金)
- 岩手県 the five morioka
- 2015年9月20日(日)
- 香川県 DIME
- 2015年9月21日(月・祝)
- 兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2015年9月22日(火・祝)
- 広島県 CAVE-BE
- 2015年9月27日(日)
- 長野県 Sound Hall a.C
- 2015年10月2日(金)
- 京都府 KYOTO MUSE
- 2015年10月9日(金)
- 石川県 vanvan V4
- 2015年10月10日(土)
- 富山県 Soul Power
- 2015年10月17日(土)
- 宮城県 LIVE STUDIO RIPPLE
- 2015年10月24日(土)
- 群馬県 高崎club FLEEZ
- 2015年10月25日(日)
- 群馬県 高崎club FLEEZ
LACCO TOWER(ラッコタワー)
2002年の結成以来、都内、群馬を拠点に活動するロックバンド。自ら“狂想演奏家”を名乗り、結成当初より楽曲タイトルはすべて「日本語ひとつの言葉」にこだわり続けている。ロック、パンク、ポップス、歌謡曲など特定のジャンルにカテゴライズされない、ソウルフルかつエモーショナルなサウンドが魅力。その叙情的な世界観とは裏腹に、攻撃的なライブパフォーマンスも人気を集めている。現在のメンバーは松川ケイスケ(Vo)、塩﨑啓示(B)、重田雅俊(Dr)、真一ジェット(Key)、細川大介(G)の5名。2013年にメンバーで「株式会社アイロックス」を設立し、自身主催フェス「I ROCKS」を2014、2015年に地元・群馬音楽センターにて開催した。インディーズにてアルバム4枚を発表し、2015年6月にフルアルバム「非幸福論」で日本コロムビア内レーベル・TRIADよりメジャーデビュー。