音楽ナタリー Power Push - LACCO TOWER
ブレずに新たなステージへ
LACCO TOWERが6月17日にニューアルバム「非幸福論」をリリースする。
7年ぶりに復活したロックレーベル・TRIADからのメジャーデビューを飾る本作。そこには結成13年目というキャリアを持つLACCO TOWERの揺るぎない音楽性と、新天地にかける新たな決意が力強く注ぎ込まれている。果たして彼らはどんな思いで本作を生み出したのか? メンバー5人に話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 高田梓
結成13年目でのメジャーデビュー
──結成13年目のLACCO TOWERが今回メジャーデビューすることになった経緯から聞かせていただければと思うのですが。
松川ケイスケ(Vo) はい。前回取材をしていただいたとき(2013年7月 / 参照:LACCO TOWER「続・短編傷説」インタビュー)は、自分たちで事務所を作ったり、サポートメンバーだったギターの細川(大介)が正式メンバーとして入ってきて、すぐクビになって、もう1回入ってきたりしてたタイミングで。
──前回のインタビューで細川さんは、正式加入後すぐサポートになったって話をされていましたもんね(笑)。ネタとして、ですけど。
細川大介(G) 今はもう正式メンバーになりました(笑)。
松川 そうやって活動を重ねていく中で、この5人としての音がどんどん固まっていってる実感がすごくあったんです。別にメジャーデビューしたいっていう強い思いがあったわけではなくて。ただ、すごくいいタイミングでメジャーからお声掛けいただくことができ、しかもレコード会社と僕たちの求めているものが合致したんですよ。無理なく、自然な形でバンドが別のステージに進めるというお話だったので、じゃあお願いしますということで。
──逆に言うと、今まで築き上げてきたスタイルで活動できないのであれば、メジャーに行く必要もなかったと。インディペンデントでの活動も充実していたし。
塩﨑啓示(B) うん、そうですね。自分たちでフェス(「I ROCKS stand by LACCO TOWER」)を始めたりもしてましたから。
細川 僕がこのバンドに入ることを決めたときも、メジャーには行かないもんだと思ってましたからね。自分たちでやってきたからこそ、メジャーに行く必要性がなかったというか。でも、僕たちのやりたいことに賛同してくれた上でメジャーのお誘いをいただけたことは単純にすごくうれしかったですね。「ホントに?」みたいな感じで。
松川 「いいの、こんなおっさんで?」みたいな(笑)。
メジャーへの怖さ
──松川さんはメジャーデビューすることに対して、「悩みもあった」とTwitterに投稿されていましたよね。
松川 やっぱりこの年齢、このキャリアで新しいチャレンジをすることに対しての怖さはありました。何が起こるかわからない未体験ゾーンへの恐怖は今も正直ありますし。だからそういうことを書いたんですけど。ただ、こうやって取材をしていただいて、自分の思いを言葉にすることで整理できてきたところもあります。
──真一さんはそのあたりのお気持ち、いかがですか?
真一ジェット(Key) そうですね。僕は……。
松川 なんちゅうメガネかけてんだよ!
真一 ちょうど前回インタビューしていただいたときに、このメガネを買ったんですよ。取材前にたまたま寄った古着屋でこれを見つけて、ついウケ狙いで……。で、メンバーにこれをかけてるとこを見せたら、それほど笑いがなく「意外といい」みたいな空気になって。それ以来、こういう取材の機会があると「一応あのメガネ持ってきて」ってケイスケが言うんですよ。
松川 そうだね。確かに言うね。
真一 で、一応持ってくと、100%かけさせられて。
──メジャーデビューにあたってのアーティスト写真でもしっかり装着されています。
真一 そのときもすごく悩んだんですよ。で、ケイスケに相談したら「一応持ってきて」ってなって。結果、見事にかけさせられました。なので、このメガネが僕のメジャーデビューの証です。
重田雅俊(Dr) なんの話だよ!
──あははは(笑)。
真一 いや、でもメジャーデビューに関しては、ケイスケが言っていた通り、ちょっと怖いところはありますよね。今までいろんな経験をしてきた上でのメジャーだから、「わーい! メジャーデビューやったー!」みたいな気持ちは一切なく。
塩﨑 業界のいろんなからくりがわかってる分ね。
真一 そうそう。でも、それがわかった上で決めたからには、ここが人生で一番の勝負どころだなとは思ってます。
重田 今までにも何度かそういう話はあったけど、もしそのときにメジャーに行ってたらバンドとして絶対ツブれてたと思う。この13年という期間での経験値がある今、いい話がいただけてほんとによかったと思いますね。
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- メジャーデビューアルバム「非幸福論」 / 2015年6月17日発売 / 日本コロムビア / TRIAD
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3564円 / COZP-1051~2
- 通常盤 [CD] / 3024円 / COCP-39113
CD収録曲
- 非幸福論
- 葡萄
- 朝顔
- 傷年傷女
- 星空
- 十六夜
- 茜
- 斑
- 霙
- 共鳴
初回限定盤DVD収録内容
- 「狂想序曲」「奇妙奇天烈摩訶不思議」「林檎」「星空」ライブ映像
※4月25日に群馬・群馬音楽センターにて開催のライブイベント「I ROCKS 2015 故郷編」の模様を収録。 - 非幸福論(ミュージックビデオ Full ver.)
LACCO TOWER「非幸福論」リリースツアー
“感幸旅行”
- 2015年7月4日(土)
- 福岡県 Queblick(※ワンマンライブ)
- 2015年7月11日(土)
- 大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE(※ワンマンライブ)
- 2015年7月18日(土)
- 愛知県 APOLLO BASE(※ワンマンライブ)
- 2015年7月20日(月・祝)
- 東京都 LIQUIDROOM(※ワンマンライブ)
- 2015年9月11日(金)
- 岩手県 the five morioka
- 2015年9月20日(日)
- 香川県 DIME
- 2015年9月21日(月・祝)
- 兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2015年9月22日(火・祝)
- 広島県 CAVE-BE
- 2015年9月27日(日)
- 長野県 Sound Hall a.C
- 2015年10月2日(金)
- 京都府 KYOTO MUSE
- 2015年10月9日(金)
- 石川県 vanvan V4
- 2015年10月10日(土)
- 富山県 Soul Power
- 2015年10月17日(土)
- 宮城県 LIVE STUDIO RIPPLE
- 2015年10月24日(土)
- 群馬県 高崎club FLEEZ
- 2015年10月25日(日)
- 群馬県 高崎club FLEEZ
LACCO TOWER(ラッコタワー)
2002年の結成以来、都内、群馬を拠点に活動するロックバンド。自ら“狂想演奏家”を名乗り、結成当初より楽曲タイトルはすべて「日本語ひとつの言葉」にこだわり続けている。ロック、パンク、ポップス、歌謡曲など特定のジャンルにカテゴライズされない、ソウルフルかつエモーショナルなサウンドが魅力。その叙情的な世界観とは裏腹に、攻撃的なライブパフォーマンスも人気を集めている。現在のメンバーは松川ケイスケ(Vo)、塩﨑啓示(B)、重田雅俊(Dr)、真一ジェット(Key)、細川大介(G)の5名。2013年にメンバーで「株式会社アイロックス」を設立し、自身主催フェス「I ROCKS」を2014、2015年に地元・群馬音楽センターにて開催した。インディーズにてアルバム4枚を発表し、2015年6月にフルアルバム「非幸福論」で日本コロムビア内レーベル・TRIADよりメジャーデビュー。