時代、環境、そのときどきの感情を作品に
──最近の活動についても聞かせてください。前回のツアー「Kroi Live Tour 2022 "Survive"」では初のZepp公演を成功させてライブの規模も大きくなっていますし、最近は雑誌の表紙を飾るなど活動の幅がどんどん広がっていってるように感じます。
関 「telegraph」に入ってるタイアップ曲のほかにも、例えばKing & Princeさんに楽曲提供をさせていただいたり、過去の楽曲を改めて採用いただいた案件もあったりしたんですよね(参照:Kroi「dart」が中日ドラゴンズのスターティングメンバー発表映像の楽曲に決定)。それにテレビで僕らの曲が流れる機会も増えてきて、自分たちの知らないところでも広がっていっている実感はありますね。
長谷部 本当に今まで経験したことないことをたくさんやらせてもらってるよね。
関 その結果、会場のキャパシティが大きくなったり、フェスに呼んでいただく機会が増えたりにつながっていると思うので、そういうタイミングでこのアルバムをリリースできるのはめちゃくちゃうれしいです。
──バンドの状況に対する実感が、作品にも影響を与えていますか?
内田 はい。そこを影響させないと、いつ作っても同じになっちゃうので。それこそサビを意識するようになったのも、僕らの音楽が誰かに聴かれるという前提になってきたからですしね。時代、環境、自分が思っていることは積極的に入れていく。そうしないと、そのときに作っている意味がなくなってしまうんです。一番最近作った「Drippin' Desert」は足し算的な美学での今の自分たちの正解だと思っていますし、環境に応じたアルバムにはなったかなと感じます。
音楽で世界中とコミュニケーションを
──そうしたタイミングで作られた作品に、「telegraph」というタイトルを付けたのはどういう意図があったんですか?
関 「telegraph」は電信という意味で、代表的なものだとモールス信号などがあるんですけど、いわばそれを使うことで世界中の人とコミュニケーションを図れるということですよね。それになぞらえて、自分たちも音楽を使って世界とコミュニケーションを取りたい。自分たちの音楽を発信して理解してもらえる環境に憧れますし、それを目指していきたいという気持ちを込めてつけました。
──なるほど。コロナ禍によって一度シーンが落ち着くタイミングがあって、価値観がガラッと変わった人も多いと思います。その中で今のミュージシャンやバンドマンは、どんなところをゴールに設定していると思いますか?
内田 本当にそれは聞いてみたいですね。俺ら以外のバンドって、どういうゴールを設けて活動しているんだろう。
関 知りたいよね。
内田 俺らに関して言えば、完全に行けるところまで行きたいって感じで。すごくざっくりとはしているんですけど、わりと今のバンドってそのくらいの目標設定なんじゃないかなと思うんですよね。今っぽくないですか?
関 今っぽい(笑)。
──何かのアイコンになりたいみたいな気持ちはない?
千葉 それはあんまりないですね。
内田 Kroiはないね。
千葉 俺は中期的な目標で言うと、スタジオを作ってずっと篭れるようにしたい。
内田 俺らはこんな見た目をしてるけど、普通にただ音楽がしたい人たちなんですよね。「自分をわかってほしい」というより、ただ曲を作っていたい。そしてそれを発信したいっていうのが一番なので。
千葉 完全に同意です。
長谷部 俺はギターヒーローに憧れてきたので、最終的にはアイコン的なところに着地したいです。目標の1つではありますね。
内田 長谷部だけアイコンにしていきます。
益田 (笑)。
──ちなみに、次の作品はもう見えているんですか?
関 そうですね。アルバムを録り切る前から、次の作品の構想が固まってきていて。アルバムよりそっちをやりたくなっちゃって、早くアルバム終わらせたいって感じでした(笑)。
内田 ゲラゲラ笑いながら構想について話してました。
関 そんなこんなで次の制作にもどんどん取りかかっていきたくて。まずはツアーもあるので、並行して作業していくのかなと思います。
──作曲ジャンキーなところがありますよね。
内田 おかしくなってますね。確実に(笑)。
千葉 いい曲書く人って全員そうですよね。数作るというか、レジェンドはみんな多作だから。
──今言える範囲で、Kroiの次の手は聞かせていただけるんですか?
内田 いや、それはご想像にお任せします(笑)。
一同 (笑)。
内田 突然「熱海」とか出るとびっくりするじゃないですか。そういうことなんです。
関 「Kroiがこんなの出してきた!?」ってことだよね。だから次は何を出すんだろう?と、たくさん想像しておいてほしいですね。
ライブ情報
Kroi FREE LIVE「TAKE OFF」@Zepp Haneda
2022年8月12日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
Kroi Live Tour 2022「BROADCAST」
- 2022年9月4日(日)神奈川県 Yokohama Bay Hall
- 2022年9月9日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2022年9月22日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2022年9月23日(金・祝)宮城県 Rensa
- 2022年9月25日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2022年10月1日(土)香川県 DIME
- 2022年10月2日(日)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2022年10月7日(金)京都府 磔磔
- 2022年10月8日(土)兵庫県 チキンジョージ
- 2022年10月10日(月)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2022年10月14日(金)福岡県 DRUM LOGOS
- 2022年10月16日(日)熊本県 熊本B.9 V1
- 2022年10月23日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2022年10月29日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2022年10月30日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2022年11月3日(木・祝)大阪府 なんばHatch
- 2022年11月16日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2023年1月8日(日)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) ※追加公演
プロフィール
Kroi(クロイ)
R&B、ファンク、ソウル、ロック、ヒップホップなど、あらゆる音楽ジャンルからの影響を昇華した音楽性を提示する5人組バンド。2018年2月にInstagramを通じて結成し、同年10月に1stシングル「Suck a Lemmon」をリリースする。2019年夏には「SUMMER SONIC 2019」に出演。同年12月に2ndシングル「Fire Brain」をリリースし、2020年5月に5曲入りの音源「hub」を発売した。2021年1月に6曲入りの音源「STRUCTURE DECK」をリリース。6月にはアルバム「LENS」でポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsからメジャーデビューを果たした。2022年5月に国際ファッション専門職大学の2022年度CMソング「Pixie」を配信リリース。7月にはメジャー2ndアルバム「telegraph」を発表した。
Kroi (@KroiOfficial) | Twitter
※記事初出時より本文を一部変更しました。