Kroi|“踊るきっかけ”を作りたい、俺らの音楽で

僕は動物が好きなんです

──6曲目の「HORN」ですが、この曲は昨年リリースしたものとは少しミックスが変わってますね。

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千葉 そうですね。既存でリリースしている「Page」と「HORN」は、EP用にチューンし直していて、ミックスが若干明るくなっています。

──どこか陽気とでも言いますか。

千葉 そうですね。音を広げて明るくしています。「Finch」や「risk」が落ち着き気味だったので、そことの差別化も考えて、豪華な曲はより豪華にしてます。まあ、EPはお祝い事なので。

内田 え? EPってお祝い事だったの?(笑)

千葉 そうだよ。

──(笑)。ミックスし直したのは、バンドとして新鮮なものを出していきたいから?

千葉 そうですね。シングルを先に出している曲は、そのまま同じ曲として出すのはアレだなって思ったので。よくできるならよくしていったほうがいいと思し、だったら変えようかなと。

内田 なのでリスナーの方も違う感じで聴けると思います。音楽好きな人は、本当に楽しめる作品になっているはずです。

──作品全体の雰囲気についてですが、オリエンタルな音で始まり、「Finch」にはうっすらとエキゾチックな感覚があって、「HORN」にもアフロのリズムがありますし、非西洋と言うか、世界中の音から発想を得ている感じがあるのかなと思います。

内田 なんでだろうな……僕は動物が好きなんですけど。

──6曲目の「HORN」にもユニコーンが出てきますよね。

内田 動物を調べていると、いろんな地域が出てくるんですよ。例えば、謎の動物の生態について迫った映像とかあるじゃないですか。そういうものに流れてくるアフリカンな曲とか聴いていると、これを自分のクリエイションに落とし込むのもアリだなって思えてくる。それが創作のとき知らず知らずのうちに入ってくるんだと思います。

 オカピって言う、足がシマシマの、シマウマとキリンの間みたいな動物がいるんですけど、怜央は結成当初からそれがめちゃくちゃ好きだって言ってて。結果的に俺ら、グッズでオカピのステッカーやシールを作りましたもん。

内田 子供の頃から好きなんですよ。この前、昔のアルバムを見ていたら、オカピのでっかい人形を抱えている小さい頃の俺が出てきて。

千葉 本当に昔から好きなんだ。

内田 身近にいない動物って面白いじゃないですか。そういうものを見るのが好きなんですよね。で、わりとそういう観点で音楽も聴いている気がします。

──未知のものを求めているし、自分はそういうものを作りたい?

内田 ですね。で、アイデアはより日常に寄り添うところから取ってくる。インプットは無理にしない、それこそ好きな動物の映像を観ているときに流れていた音楽だったり、そのくらいなんです。ただ、そこで「これいいな」ってちゃんと思っておくことが大事で、それがインプットになるんですよね。千葉さんも音楽聴いてて「うわあ……!」とか言っているんですけど、それはめっちゃ大切だなと思います。

千葉 そういう人がミックスしているとこういう感じになっちゃうんですね。

“踊らせたい呪い”にかかってる

──最後にライブについてもお話を聞けたらと思います。

 2月7日から初めてのワンマンツアーを東名阪で行って、最後に追加で3月にも東京でライブをやる予定です。

──意外にもワンマンは初という。

 自主企画もツーマンでやったので、初めてですね。今までにない長さのセトリですし、俺らにとっても未知なところです。

千葉 それで昨日初めてリハーサルに入ったんですけど、初めてやる曲もあってドキッとしています。

──「STRUCTURE DECK」ってライブで演奏するのは難しそうな曲が多いですね。

内田 そうなんですよ(笑)。それはめっちゃコロナに関係があって。いつもは完全にライブを意識して作るんですけど、コロナ禍で自粛期間中だったから、もうライブを意識しないで作ろうと思って。その作業の中で新しいクリエイションを見つけられたらいいなと思って作ったので、挑戦作になったところはあります。

──ただ、ライブをあまり意識しないで作ったと言いつつも、フロア映えのする踊れる楽曲が多いのもこのバンドの魅力ですね。

 根っからそういうものをやりたい気持ちがあるんでしょうね。

内田 そこは呪いにかかっているんですよ。踊らせたい呪い。なので、こうなったのは呪いのせいです(笑)。だって、俺らってそういう音が好きだから集まってきたくらいの感じだよね?

 そうだね。

内田 呪いにかかってきた人たちが集まってきたバンドなんです。

──(笑)。

 そういう感じで結成されていますね(笑)。ただ、“踊れる音楽”をやりたいと言っても、海外と日本の差ってあるじゃないですか。向こうの人って音楽がかかってたらなんでも踊っちゃうみたいなところがあるけど、日本の音楽シーンとか、日本のリスナーの感覚はそうではないから。

──そうですね。

 そこで無理に踊る必要はないですけど、自然と体が動いちゃうのが音楽の面白さだと思うので、そのきっかけを俺らの音楽を通して提示できればめちゃくちゃいいなって思います。

ライブ情報

Kroi「『STRUCTURE DECK』release tour "DUEL"」
  • 「ドローフェイズ」 2021年2月7日(日)東京都 WWW
  • 「メインフェイズ」 2021年2月11日(木・祝)愛知県 CLUB UPSET
  • 「エンドフェイズ」 2021年2月23日(火・祝)大阪府 Shangri-La
  • 「ターンエンド」 2021年3月27日(土)東京都 WWW X
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