ナタリー PowerPush - kors k

“ビーマニの人”では終わらない異色クリエイターの正体

あいつらをぎゃふんと言わせてやりたい

──kors kさんは以前さまざまな名義で楽曲を発表していました。複数の名義を使っていたのはなぜですか?

当時はいわゆるレーベルによって名義を変えて契約するみたいなのが流行していて、それに憧れてたんですよね。でも最近は音ゲー関係をkors k一本に絞っていて、ほかはあんまり使っていないです。

──beatmania出身のクリエイターとして括られることに抵抗感はないですか?

kors k「EXIT TUNES ACADEMY -BLUE DRAGON / 青龍 RELEASE PARTY-」東京・Zepp Tokyo公演の様子。

そう見られることに抵抗していた時期もありました。でも12、3年前、爆発的にビーマニが流行ってた頃に、「beatmaniaの音楽はクラブミュージックじゃない」ってクラブ界隈の人が言っていた時期があって。僕は当時beatmaniaの曲がとても好きだったから、それが本当に悔しくて。時間がかかるかもしれないけどその2つを両立させて、あいつらをぎゃふんと言わせてやりたい、みたいなことは当時からずっと思っています。

──じゃあ今後もbeatmaniaの楽曲が市民権を得られるように活動していく?

いえ、beatmaniaの楽曲が自分の原点であることは変わらないし、大事な場所なのも間違いないんですけど、僕はbeatmaniaにあまり縛られ過ぎたくもないんです。なのでbeatmaniaに提供する曲はゲームをやらない人たちが聴いたときにどう思うかも最大限計算して取り組んでます。

──当時に比べて、今のbeatmaniaの曲は幅広い層に届いていると思いますか?

当時ほど偏見はなくなりましたよね。でもbeatmaniaの音楽ってやっぱり特殊で、クラブミュージックにはカテゴライズできないと思うんです。ただ僕はそこの垣根をなくせるように、ずっとチャレンジしていきたいなって思ってるんですよね。

アウェイな場所でかませたらカッコいい

──8月3日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催される「EXIT TUNES ACADEMY FINAL SPECIAL 2014」への意気込みも聞かせてください。

ニコ動系のイベントなので、まずは僕を知らない人に覚えてもらうのが目標ですね。もちろんいつも僕のライブに来てくれるお客さんにも楽しんでもらいたい。大きい会場なのでやっぱり盛り上げたいってのが一番大きいです。

──イベントでkors kさんが出演する「ゲーレボステージ」はアーティストのほかにニコニコ動画などで活躍しているゲーム実況者たちも登場するようですね。

どんな雰囲気になるのか、そこはちょっと不安も感じていて(笑)。でもちょっとアウェイな場所で一発かませたらカッコいいかなと思ってます。

kors k
ニューアルバム「Let's Do It Now!!」/ 2014年6月4日発売 / EXIT TUNES / QWCE-00363
[CD] 2000円 / QWCE-00363
収録曲
  1. Let's Do It Now!! Intro / kors k
  2. Gimme a Big Beat(Extended) / kors k[jubeat saucer]
  3. On My Wings / kors k
  4. Wuv U(Extended) / kors k[REFLEC BEAT・beatmania IIDX 18 Resort Anthem]
  5. Insane Techniques(Extended) / kors k[beatmania IIDX 21 SPADA]
  6. Ultra Hardcore / kors k
  7. Mine / kors k feat.Timmy
  8. Because of You / kors k
  9. Shibuya Jungle / kors k
  10. Playing With Fire(Extended) / kors k[REFLEC BEAT colette]
  11. Force of mind / The 4th
  12. smooooch・∀・2014 / kors k[beatmania IIDX 16 EMPRESS]
  13. Nirvana / kors k feat.ЯIRE
kors k(コースケ)

音楽プロデューサー、アーティスト、DJ。10代の頃からシンセサイザーによる楽曲制作を始め、2000年にコナミの音楽ゲーム「beatmania IIDX 4th Style」に提供した「Clione」でデビュー。「beatmania」シリーズの主力トラックメーカーとして楽曲を提供し続けながら、アニメのキャラクターソングの作曲やJ-POPのリミックス、アレンジなど幅広い制作活動を行っている。DJ Andoとのユニット・Caramel Podではa-nationへの楽曲提供や倖田來未をはじめとする日本人アーティストへのリミックス提供、イベントとのコラボのほかヒラリー・ダフやデミ・ロバートといった海外アーティストへのリミックス提供も担当。現在はDJとしてクラブやイベントのステージでも活躍している。2014年6月、アルバム「Let's Do It Now!!」をリリースした。