「グラフィティスマッシュ」 PR

「グラフィティスマッシュ」インタビュー kors k×プロデューサー・西岡大樹|“勘違い”を大事に生まれた「グラスマ」音楽

昨年10月にリリースされたバンダイナムコオンラインのアプリゲーム「グラフィティスマッシュ」。オフィシャルサイトにて新たにクリエイターページが公開されるなど、作り手側にスポットを当てている「グラスマ」の魅力に迫るべく、音楽ナタリーでは今作に音楽を多数提供しているkors kと、ゲームのプロデューサー・西岡大樹へのインタビューを実施した。主に音楽ゲームのトラックメーカーとして知られるkors kが「グラスマ」の音楽を手がけることになった経緯や、アプリ開発および楽曲制作の背景を2人に聞いた。またインタビューの最後には、今後ゲームに収録される予定の新曲についても触れている。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 堀内彩香

グラフィティスマッシュとは

「グラフィティスマッシュ」のプレイ画面。

2017年10月にバンダイナムコオンラインからリリースされた“塗って戦う爽快アクションゲーム”。プレイヤーは「ハンター」と呼ばれる個性豊かなキャラクターを指揮する「ローダー」となり、指でハンターを弾いて画面を塗りながら敵と戦う。スチームパンクを軸とした作品世界の謎に迫るストーリーモードのほか、全国のプレイヤーとの協力プレイや対戦プレイ、キャラクターの育成に役立つアイテムが入手できる“遠征システム”など、爽快感のあるアクション要素とさまざまなやり込み要素のあるゲーム性で人気を集めている。

“音楽大喜利”みたいな曲作り

──音楽ゲームのトラックメーカーとして活躍しているkors kさんにアクションゲームのBGMを依頼した経緯はどういうものだったんでしょうか?

西岡大樹 kors kさんが手がけている音楽ゲームへの提供曲を聴かせていただいて、「グラスマ」のようなアクション性のあるゲームにもマッチする音楽だと感じていたんです。kors kさんの楽曲は爽快感やスピード感を感じさせるものが多く、アクション要素のあるゲームとの親和性はかなり高いんじゃないかな、と思い「グラスマ」の音楽を発注させていただきました。

左からkors k、西岡大樹。

kors k 音楽ゲームのように“音が主役”のゲーム音楽をこれまで主に作り続けてきたんですけど、「グラスマ」のようなゲームのBGMを作る経験ってそこまで多くなかったんです。しかも1曲だけを提供するのではなくシーンに合わせてさまざまな曲を依頼いただいたので、僕の中では“音楽大喜利”みたいな作業だと感じていました。シーンやキャラクターに合わせて、僕の持っている引き出しをフル活用して曲を作っていきました。

西岡 もともとkors kさんはどんなゲームをやられていたんですか?

「グラフィティスマッシュ」のプレイ画面。

kors k 音ゲーや格ゲーなど、インスタントなゲームはよくやっていたんですけど、実はしっかりストーリーが練られているRPGのようなゲームはあまりやってなくて。ただ少ない経験の中でも「ファイナルファンタジーV」をプレイしたときに耳にしたストリングスの使い方だったり、プログレッシブロックの要素だったりは、今回曲を作る上で意識したところではあります。

──RPGをあまりやっていなかったkors kさんですが、「グラスマ」はかなりやり込んでいるそうですね。

kors k 今までスマートフォンでゲームってそんなにやったことがなかったんですけど、初めてアプリのゲームにハマりました。今日も取材までの移動中、ランクマッチをして3連勝してきたんですよ。すごく気持ちよかったです(笑)。

西岡 kors kさんが好きなキャラクターは誰ですか?

左からリリン、アリス。

kors k 一番好きなのはリリンですね。強いしよく使ってます。あと最近はウサギの人形を抱えているアリスを育てています。僕、実はこれまでキャラクターを愛でるような気持ちってあんまり理解できていなかったんですけど、「グラスマ」でキャラを育てたり、ホーム画面にお気に入りのキャラが出てくるように設定したりしているうちに、2次元のキャラに愛着を持つ気持ちがわかってきた気がするんです。

予定調和的じゃない化学反応

──「グラスマ」の世界観はスチームパンクを軸にしながらも、ちょっと独特な空気感がありますよね。

「グラフィティスマッシュ」のイメージビジュアル。

西岡 スチームパンクを現代ふうにアレンジした形ですね。今の若い世代の方々の中には、スチームパンクと聞いてもイメージが沸かない人が多いかと思うんですけど、「こういう世界観が好きな人はどの世代にも絶対にいる」という確信があったんです。ただコアなファンだけを狙うわけにもいかないので、スチームパンクを知らない世代の方にも手に取ってもらいやすいようアレンジしています。

kors k 僕も最初スチームパンクのイメージがあまりつかめなくて、ゲームの説明を受けたときに「スチームパンクとは」というところから調べ始めたんです。普段自分のパソコンの壁紙とかってあまりいじらないんですけど「グラスマ」の曲を作るときは、制作中の曲に合わせて壁紙を変えたりして気分を盛り上げるようにしてたんですよね。イメージ検索とかもあまりしないタイプなんですけど、スチームパンクに関しては画像を何枚も集めてフォルダに入れて保存してます。

──作品の持つスチームパンクの要素に音楽も寄せていったんですか?

kors k 僕が普段作っている音楽よりも作品に寄せていかなきゃなって意識はあったんですけど、途中で自分に音楽の発注が来た意味みたいなところに立ち返る瞬間があって。テーマに縛られすぎて本来の自分から離れてしまうくらいなら、あえて自分らしいサウンドに落とし込んだほうがいいなと思って曲を書きました。それと僕は個人的に新しい挑戦をするときに生じる勘違いを大事にしているところがあるんです。

西岡 どういうことですか?

kors k

kors k 音ゲーのシーンでよくあるんですけど、サウンドやジャンルに対する先入観や勘違いが重なっていって、知らないうちにそれがシーンのスタンダードに変わっている瞬間っていうのがあるんです。音ゲー畑の僕に発注が来たからには、何か予定調和的じゃない化学反応があったほうが面白いだろうな、というのは感じていましたから。

西岡 先ほども話題に上がりましたが、僕ら制作陣が描こうとしてた世界観ってスチームパンクそのものではなくて、スチームパンクを現代風にアレンジしたものなんです。それこそkors kさんがスチームパンクにどっぷり浸かって曲を書くよりも、多少の勘違いが生じたまま曲を書いていただいてよかったと言うか。結果的に「グラスマ」の世界観をより魅力的に提示することができたのかもしれない、と今の話を聞いて思いました。

「グラフィティスマッシュ」
BANDAI NAMCO Online Inc.
「グラフィティスマッシュ」

キャラクターを引っ張るだけの簡単操作で、画面を彩りながら戦う“塗って戦う爽快アクションゲーム”。プレイヤーは「ハンター」と呼ばれる個性豊かなキャラクターを指揮する「ローダー」となり、指でハンターを弾いて画面を塗りながら戦略性のあるバトルを楽しむことができる。

kors k(コースケ)
kors k
音楽プロデューサー、アーティスト、DJ。10代の頃からシンセサイザーで楽曲制作を始め、2000年にコナミの音楽ゲーム「beatmania IIDX 4th Style」に提供した「Clione」でデビュー。「beatmania」シリーズの主力トラックメーカーとして楽曲を提供し続けながら、アニメ関連の楽曲やJ-POPのリミックスなどを手がけ、トータルで400曲以上におよぶ楽曲群を世に送り出している。teranoidやEagle、StripE、Ryu☆とのユニット・The 4thといった名義でも活動。現在はDJとしてクラブやイベントのステージでも活躍しており、国内のみならずアメリカやアジア各国でもライブを重ねている。2014年6月にアルバム「Let's Do It Now!!」を、2015年3月に前作のリミックス音源と新曲を収めた「Let's Do It Again!!」を発表した。同年7月にはピアニストのまらしぃとのコラボユニット・maras kとしてアルバム「Beat Piano Music」をリリース。2018年5月にはmaras kとして3作目のアルバム「Beat Piano Music3」を発表する。