積み重ねがあるからいろんなことができるようになるわけで

──音楽を作る側としては「1回やったことはもうやらなくてもいい」「どんどん新しいものを見つけていかないと」という考え方ってすごく大事だと思うんですが、リスナー側としては「あのときの、ああいう感じの曲が聴きたいのに」と過去のテイストを求める人もいますよね？

ああ、そうしたらリスナーが求める曲を作ればいい。今の強みっていうのは、一度経験したものならいつでもそういう曲が作れるってことなので。

──過去にやったことはもう二度とやらないということではないと？

そういうことではなくて、もし前進するんだったら新しいことをやったほうがリスナーにも驚きがあると思うし、アーティストとしてもそのほうが健全だと思ってるから。とはいえ過去の曲に関しても、俺はどうやって作ったかを覚えてるし、誰に助けてもらったかも覚えてるし、それをまた作るためにどうすればいいのかもわかってるので、以前よりも余裕を持ってやれると思う。要するに音楽を辞めないで、ずっとやり続けることが大事なんじゃないかなと。積み重ねがあるから、いろんなことができるようになるわけで、その中で自由に音楽ができればいいんじゃないかなと思うんです。

──なるほど。そういう話を聞くと、小林太郎というアーティストは将来どうなってるのか、すごく楽しみになります。

ですよね。俺も今すぐ見てみたいですよ。あはは（笑）。

──と同時に、この先どういう過程をたどっていくのかもすごく気になります。

いきなりクレープ屋とかやり始めるかもしれない（笑）。それは冗談としても、この5年間の音楽活動でいろんなことを勉強してきたから今があるわけで、これからもいろんなことを勉強していくんだと思います。そこに対してはなんの不安もないですね。

今度のツアーは演出に凝った内容にしたい

──11月15日からは全国ツアー「Tour 2013 "SOL Y SOMBRA"」もスタートします。どういう内容になりそうですか？

まだ具体的なリリース日は決まってないけど、これから出るであろう作品集がすごく意欲的で新しいものになりそうだからこそ、今度のツアーも今までのワンマンライブとは違って、何か演出に凝った内容にしたいと思っていて。東名阪以外の場所（仙台、福岡）でのワンマンはひさしぶりだし、初めてワンマンをしたときとは全然違った、ちょっと挑戦的な感じのライブにできたらいいなと思ってるんです。

──例えば新曲をいち早くやってしまうとか、そういうこともあるんでしょうか？

新曲に関しては「太陽」だけで、あとは先ほど話した洋楽カバー曲を各地で1曲ずつやろうかなと。あとは、いつもやらないような曲をやるのではなくて、いつもやってる曲でも今までとは違ったように観せたり聴かせたりする、一歩踏み込んだものにしたいと思ってます。