氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~|綾小路翔が語る、結成20周年の夏の奇跡

本当のロックスター、布袋寅泰

──1日目最後の布袋さんのステージも最高でした。YASSAI STAGEのほうで分厚くてヘヴィなサウンドのバンドが続いてきた流れのあと、「これぞビートロック」っていうタイトなサウンドのコントラストが際立っていて。

あの日は打ち上げも、バンドマンたちの間で布袋さんのステージの話で持ちきりでした。そうやってミュージシャンが音楽の話で盛り上がってくれるのがうれしいんですよね。

──実は自分も初めてライブを観たんですけど、ギターがすごいのは言うまでもないですが、歌もメチャクチャうまいし、そんなに詳しくないと思っていたのに、新曲の1曲以外は全曲知ってたし。

そういう曲を惜しげもなく披露するっていうところも含めて、本当のロックスターなんですよね。1曲目、「キル・ビル」のテーマを弾きながら出てこられたじゃないですか。あの曲を弾きながら、いつも当日のギターと会場の音のチェックをしてるんですって。それで完璧な状態にしてから、ライブ本編を始めるという。

左から綾小路翔、布袋寅泰。(撮影:釘野孝宏)

──へえ! でもロンドンに移られてからの布袋さんは、日本では考えられないですけど、海外ではライブハウスとかでもライブをやってますもんね。そして、最後のBOØWY「Dreamin'」では、信じられないような光景が。

すみません、歌わせてもらいました。

──あれは本当に感動的な光景でした。

本当に……それと、これは僕が勝手に思ってるだけなんですけど……なぜかリハーサルのときからずっと僕は下手側、布袋さんの右側だったんです。もちろん本番も下手側。布袋さんのトリビュート盤に参加させていただいたご縁もあって、以前一度ぶっつけ本番で「DIVING WITH MY CAR」をステージで一緒にやらせていただいたときも、僕は下手側。でも、布袋さんって、BOØWY時代は下手側のギタリストなんですよ。センターがヒムロック(氷室京介)で。「ああ、やっぱり布袋さんの左側で歌うのはヒムロックと吉川(晃司)さん以外はダメなのか!」って、いろいろ考えを巡らせてしまって。真相はわからないですけど、自分がご一緒するときは絶対にマイクが下手側に置かれているんです。そこに勝手に感動したり。

──ほう。

わからないですよ。わからないですけど、そうやって、すべてのことには意味があるんだって思わせてしまうのが、ロックスターだなって思うんですよ。

VAMPS(撮影:青木カズロー)

──1日目ではDragon AshのKjさん、VAMPSのHYDEさんもそうでした。雨の中、ステージ上の振る舞い、発言、すべてがフィクションの中の主人公のようにキマってた。

泣きそうになりましたよね。ただね、もうね、ああいうのを見ちゃうとね、自分がずっと夢見ていたようなものがすべて粉々に砕け散る。「俺はこういう男たちに、こんな本物のロックスターにはなれない」って(笑)。

山下達郎の言葉を巡るメンバー同士の醜い争い

──2日目、山下達郎さんの参加が実現するに至った裏話も聞いておかなくては。

山下達郎(撮影:菊地英二)

2年前くらいの達郎さんのファンクラブの会報に、氣志團の名前が載っていたんですよ。「見てみたいバンド」って項目のところに。最初にそれを見たときは、「誤植?」って(笑)。「これは一体どういうことなんだろう?」って半信半疑のまま、そのときに初めて図々しくもオファーをさせていただいんですよ。で、そこからちょっと時間はかかりましたが、それがこうして今年になってOKをいただいて。それでもまだ信じられなかったんですけど、ご自身のラジオ番組でも「氣志團万博に出る」って話をされていたから、「そうか。これはどうやら本当に出ていただけそうだ」って(笑)。

──(笑)。

本番の2日前にリハーサルのために現場にいらっしゃったんですけど、そこで「あの『幸せにしかしねーから』って曲、2016年一番よく聴いたシングルだったよ。本当に300回くらい聴いてる」って言葉を残して帰られて。

──当日のMCでもおっしゃってましたね。

その瞬間、メンバー全員、ポカーンとしちゃって。その後、スタッフみんなと「ウワーッ!」って舞い上がってたんですけど、達郎さんが帰られると、メンバーの間で醜い争いが始まって。作曲したトミー(西園寺瞳)が「俺の手柄だ」みたいな顔をしてるから、「もしかしたら詞なんじゃないか」って僕が言い出して、「いや、やっぱり曲でしょ」ってトミーが言い返してきて。結局、2人の間では「詞と曲、両方だ」ってところで納得し合ったんですけど。

──きっと、どっちも気に入ってなければ300回も聴かないですよ(笑)。

で、僕がほかのメンバーに向かって、「あ、作詞作曲に関係ない人はどいて」とかふざけて言い始めたら、トミーは「いやいや、彼らの演奏あってのことだから!」って(笑)。で、「そっかそっか、ヒカル(早乙女光)くんのコーラスもあってのことだな」って僕がフォローしたら、その場にいたディレクターが「いや、あのコーラスは翔やんが自分でやってた」って言うから、最後はみんなで「いや、あのレコーディングのときにヒカルくんが買ってきてくれたお菓子がよかったんだよ!」って(笑)。

──(笑)。

ちょっと真面目な話をすると、トミーって、すごく音楽を解析するタイプなんですよ。もともとあまり歌謡ロックみたいなものには興味はなくて、例えばブルースならブルースを解析したうえで、氣志團に合わせて曲を作ってきた。で、そんな彼が本来あまり興味はなかったメロディアスな曲を作るうえで、このところ研究していたのが賛美歌で。「幸せにしかしねーから」は、トミーがいろんな賛美歌を解析して、そこから生み出したコード進行で作った曲だったんですよ。彼の中ではそれまでの壁を越えることができた、相当思い入れのある曲で。だからあのとき、彼は人生の中で最大の達成感を覚えたと思います。2日間、ずっとテンションがおかしかったから(笑)。

氣志團万博2017~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~

氣志團の主催で9月16日、17日に千葉・袖ヶ浦海浜公園にて行われた野外フェスティバル。2003年と2006年に氣志團の大型野外ライブとして開催された「氣志團万博」が、2012年より会場を袖ヶ浦海浜公園に移し、フェス形式で行われるようになった。現在の形式で6回目の開催となった今回は2日間それぞれ17組ずつが出演し、約5万人が来場した。

出演者

9月16日
YASSAI STAGE

JAGUAR(OPENING CEREMONY ACT) / 氣志團 / 東京スカパラダイスオーケストラ / 10-FEET / ももいろクローバーZ / SiM / マキシマム ザ ホルモン / Dragon Ash / VAMPS / 布袋寅泰

MOSSAI STAGE

四星球 / coldrain / MUCC / LiSA / DJダイノジ / RIP SLYME / 私立恵比寿中学

9月17日
YASSAI STAGE

レイザーラモンRG(OPENING CEREMONY ACT) / ゴールデンボンバー / SCANDAL / KICK THE CAN CREW / WANIMA / 氣志團 / ユニコーン / 岡村靖幸 / 山下達郎 / 米米CLUB

MOSSAI STAGE

UNISON SQUARE GARDEN / BOYS AND MEN / 水曜日のカンパネラ / C&K / BLUE ENCOUNT / MIYAVI / 岡崎体育

番組情報

WOWOWにて放送決定!

本放送直前スペシャル
  • WOWOWプライム 2017年11月11日(土)ほか※無料放送
初日
  • 前編WOWOWプライム
    2017年11月18日(土)15:00~
  • 後編WOWOWライブ
    2017年11月18日(土)18:00~
2日目
  • 前編WOWOWライブ
    2017年11月19日(日)15:00~
  • 後編WOWOWライブ
    2017年11月19日(日)18:00~
氣志團結成20周年記念ツアー「リーゼント魂」
  • 2017年11月9日(木)千葉県 市川市文化会館 大ホール
  • 2017年11月12日(日)福岡県 福岡市民会館
  • 2017年11月18日(土)山梨県 コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
  • 2017年12月1日(金)北海道 札幌市教育文化会館
  • 2017年12月3日(日)東京都 オリンパスホール八王子
  • 2017年12月16日(土)静岡県 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
  • 2017年12月17日(日)京都府 八幡市文化センター 大ホール
  • 2018年1月7日(日)岡山県 倉敷市芸文館
  • 2018年1月8日(月・祝)香川県 サンポートホール高松
  • 2018年1月13日(土)栃木県 那須塩原市黒磯文化会館 大ホール
  • 2018年1月14日(日)茨城県 龍ケ崎市文化会館 大ホール
  • 2018年1月20日(土)岩手県 遠野市民センター
  • 2018年1月21日(日)宮城県 トークネットホール仙台
  • 2018年1月26日(金)大阪府 オリックス劇場
  • 2018年1月28日(日)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
氣志團(キシダン)
1997年に千葉県木更津で結成。メンバーは綾小路翔(Vo)、早乙女光(Dance & Scream)、西園寺瞳(G)、星グランマニエ(G)、白鳥松竹梅(B)、白鳥雪之丞(Dr / 2014年3月より活動休止中)の6名。“ヤンクロック”をキーワードに、学ランにリーゼントというスタイルでのパフォーマンスが話題を集め、2001年12月にVHSビデオで“メイジャーデビュー”を果たす。「One Night Carnival」「スウィンギン・ニッポン」などヒット曲を連発し、2004年には東京ドームでのワンマンライブも開催。2012年からは地元千葉県にて大規模な野外イベント「氣志團万博」を主催し、ほかのフェスとは一線を画するラインナップで多くの音楽ファンの支持を集めている。結成20周年を迎えた2017年8月にはTAKURO(GLAY)、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)、櫻井敦司&今井寿(BUCK-TICK)ら豪華アーティストの楽曲提供によるアルバム「万謡集」をリリース。12月に行われる「JALホノルルマラソン2017」では“公式應援團”に就任し、オフィシャル応援歌「RUNNING MAN」を提供している。