シンセポップとメタルコア

──ではサウンド面のお話も。メタルへの愛情を感じる研ぎ澄まされたサウンドに加えて、ポップさもあって耳馴染みがよいなと思いました。1曲目「Animation With You」はリフもかなりキャッチーですよね。

みつる　メロディアスで歌えるリフはどの曲でも意識して作ってますね。「Animation With You」はバンドでオリジナルを作り出してから2～3曲目にできた初期の曲ですけど、今でもその意識はブレてないです。

──メタル以外の音楽では何に影響を受けたんですか？

ふとし　僕は80'sポップがすごい好きです。もうちょっと古いAbbaとかの影響もありますね。

──スウェディッシュポップですね。

ふとし　80'sポップとかシンセポップが好きなんですよね。自分が好きなジャンル同士なら掛けあわせても全然なじむかなあと思って、シンセポップとメタルコアを曲に取り入れたりもしてます。

みつる　In Flamesあたりのメロデス系はシャウトがメインになりますけど、シャウトが入ると全部同じに聞こえてしまう人もいると思うので、僕らはみんなが歌いやすいようなメロディだったりサビのキャッチーさを大事にしてます。

ふとし　日本は歌文化だと思うから、歌を単体で抜き出しても楽しめるような曲っていうのは意識してますね。

メタラーとして育ってきたカルマ

──最近、ラウド系アイドルのPasssCodeや、デジタルハードコア系アイドルのデスラビッツなど、音楽のジャンル的に親和性のあるアイドルが出てきてますけど、何か思うことってありますか？

ふとし　経済でいう最適化みたいなもので、世の中にはみんなが求めたものが出てくるんだなと思います。みんなが自由に愛を叫べる時代だし、どうぞ楽しんで！って感じですね。

みつる　いいものはいい、好きなものは好きってことに制限はないから。僕は今、そこのパソコンに貼られてるCarcassのステッカーを見て、Carcassいいなと思い返してたし（笑）。

──おお、そうですか。

みつる　僕は学生時代にCarcassのコピバンやってて。1stから5thアルバムまで全部やってました。

ふとし　みつるがほかの部員とコピバンやるっていうんで、全員並んで座布団敷いて三味線みたいにギター持って正座で演奏させたかったんですよね、“カーカス亭”みたいなの（笑）。そういうノリが今のバンドでやってることにつながってるかもしれないですね。好きなものプラスαみたいなところが。

みつる　ゆくゆくはルーツになる音楽ということでCarcassの影響も取り込めたらなとは思ってますけどね。

ふとし　というか自分らがメタラーとして育ってきたというカルマからは逃げられないと思う（笑）。

──確かに。激しめのドラムフィルを聴いて「Soilworkが好きそうだなあ」とか、いろいろバックグラウンドは感じました。

みつる　案外バレてるな（笑）。

ふとし　でもわかりやすくしちゃうときがたまにあって、「全部宇宙が悪い」のイントロは「Painkiller」（Judas Priest）のオマージュだし。

──「The Stay-Home Superstar」というタイトルはもしかして……。

ふとし　これはマリリン・マンソンの「Anti Christ Superstar」のもじりっすね（笑）。

──なるほど。けっこうオマージュたくさんありますよね。例えば「Animation with you」のAメロの歌詞はIron Maidenの……。

ふとし　そうです、Iron Maidenの「Iron Maiden」に出てくる「Won't you come into my room」って歌詞を和訳しただけだったり（笑）。よかった伝わってた！