盛り上がり方をCDで提示

──ライブで盛り上がりそうな曲がたっぷり詰まったアルバムになりましたね。

小野武正（G, Cho）　僕らのバンド活動の根本にライブがあるので、もちろんそういうものは意識して作ってます。今回はライブハウスから一歩先に進んだ、ホールやフェスのステージみたいな大きな会場でもたくさんの人に届く曲で構成したアルバムを作りたいというコンセプトを持って制作を進めていきました。

──多くの人に届く作品を作ろうという話はいつ頃から出てきたものなんでしょうか？

小野　具体的に話し始めたのはちょうど「MONSTER DANCE」をリリースしたあたり。10月の終わりから11月の頭くらいですね。

首藤義勝（Vo, B）　うん。「MONSTER DANCE」がきっかけにはなってるね。「MONSTER DANCE」はライブでやるとそれ以前の曲とは別次元の盛り上がりを生み出すことができた曲なんです。お客さんが盛り上がってる様子を目の当たりにしたときに「あ、こういうものは恥ずかしがらずにどんどん取り入れていくべきなんだ」と思ったんですよね。

──こういうものというのは合いの手や振り付けみたいなことですか？

首藤　そうですね。お客さん全員を巻き込むことが、キャパが大きくなればなるほど大事なことだと思っていて。「MONSTER DANCE」ができたときに、お客さんを巻き込むのに合いの手とか振り付けみたいなものがすごく便利なものだと気付いたんです。だから今回は「ここで『Hey!』って言ってください」とか「手を叩いてください」とかそういうものをわかりやすくCDの段階で提示しておこうというイメージで作っていきました。

寺中友将（Vo, G）　正直夏フェスや大きい会場でのイベントだと遠くて顔が見えないお客さんも出てくるんですよ。でも遠くにいる人たちにもライブの熱量を届けたい。そういうときにどうしたらいいかっていうのをみんなで話し合ってからアルバム制作に取りかかりました。

映画のように作ったアルバム

──「HOT!」のプロデューサーはメジャー2ndシングル「パラレル」（2014年3月発売）からの付き合いとなるNARASAKIさんです。今回アルバム1枚まるごとプロデュースしてもらってどうでした？

八木優樹（Dr）　僕らは今まで腰高な音作りをして、それをレコーディングしてたんですけど、NARASAKIさんがプロデュースしてくれたことでアルバム全体を通して低音に重きを置いた、ガッツのあるロックサウンドになりましたね。

──確かに迫力のあるサウンドですよね。

八木　あ、あとNARASAKIさんはレコーディング中の雰囲気作りも上手でした。

寺中　すごく和気あいあいとしてたね。

──NARASAKIさんと意見がぶつかることはありましたか？

首藤　いや、特にないです。NARASAKIさんと一緒にやるようになってもう1年くらい経つので、彼のプロデューサーとしてのスタイルがわかってきてすごくやりやすかったです。

──なるほど。レコーディングは順調に進みましたか？

首藤　そうですね。NARASAKIさんとエンジニアチームがいいところに持っていってくれたなって感じがします。映画で言う監督みたいなことをNARASAKIさんがやってくれて、原作がデモ、演者はプレイヤーの僕たちみたいな感じですごくバランスがよかったと思います。