音楽ナタリー PowerPush - KEYTALK

みんなで楽しむ「HOT!」な新作

意味不明だけど、ちゃんと意味がある

──今回はメッセージ性の強い曲が多いですよね。小野さんの作った「Human Feedback」なんかはすごく哲学的な歌詞なのかなと思うんですが。

小野 タイトルの「Human Feedback」は自分がやってきたことは自分に返ってくるっていう意味を表していて。歌詞に出てくる「Upper Structure」というのは音楽用語の「Upper Structure Triad」から来ています。

──それはどういう意味なんでしょうか?

KEYTALK

小野 例えばコードのCとAmを同時に鳴らすと新しい和音が構築されるんですけど、そういったコード理論を意味する音楽用語なんです。“「Human Feedback」を受けて新しい自分が作られるんだ”っていうメッセージを込めています。

──なるほど。八木さんが作曲した「キュビズム」も小野さんの作詞ですね。

小野 これは美術用語の「キュビズム」から来ていて、「キュビズム」とは1つの絵にいろんな角度からの視点で捉えたものを落とし込むっていうやつなんです。世の中いろんな事柄があるけど、本質は同じなんだよっていう意味を込めています。

──小野さんの歌詞は全体的にすごくキャッチーで一見意味のない言葉の連続にも見えるんですが、そういったメッセージが込められていたんですね。

小野 意味不明な感じの歌詞が好きなんですよ。でもそこにちゃんと意味を込めてるという。

──あとこの曲はレゲエ調のパートが入っていて、KEYTALKの新境地だなと感じました。

八木 もともとは、今レゲエ調のパートになった部分もリズムだけ変えてメロディは同じでいくつもりだったんです。でも武正が仮歌を入れてくれたときにラップが入っていたので、そこを生かすためにメロディも変えました。そのあとのアレンジの段階でブラッシュアップして、現在の形になりましたね。

求められている音楽とやりたい音楽

──寺中さん作詞曲の「グローブ」は今までの曲より歌がパワフルになった印象を持ちました。

寺中 この曲はツインボーカルということを生かして、僕と義勝のそれぞれが違う人物の気持ちを歌ってるんですよ。いつも通り先に楽曲ができて、あとから詞を付けるスタイルだったんですけど、歌詞だけ独立してるイメージでした。

寺中友将(Vo, G)

──それはなぜ?

寺中 プロデューサーのNARASAKIさんがすごく歌詞を大切にする人で、歌詞に合った歌い方をいろいろ提案してくれるんです。NARASAKIさんと関わっていく中で、楽曲に対する歌詞のウエイトは大きいんだなって思うようになりました。だから「グローブ」をはじめとする今回のアルバムの曲は歌詞にかなり力が入っています。

──それで言うと「センチメンタル」も聴いたときにまず歌が入ってくる気がします。

寺中 そうですね。「センチメンタル」も歌が強い曲になりました。あと最近「この曲を聴いてつらい時期を乗り越えられました」みたいな言葉をお客さんからもらうことが多くなって。今までは誰かを救いたいと思って曲を作ることはなかったんですけど、聴いた人の背中を押せたらっていう気持ちがだんだん出てきたんですよね。「センチメンタル」はそういう曲になったかなと思っています。

──首藤さん作詞曲の「バイバイアイミスユー」は、このアルバムの中だとわりと異質な感じがします。一言で言うとロマンチックな曲ですよね。

首藤 こういう恋愛系の曲を最初に書いたのは「OVERTONE」収録の「プルオーバー」で、そのとき自分的には「クサい歌詞だな」と思ってたんですけど、いざリリースしてみたらすごく評判がよくて。そのときに「こういうのもありなんだ」と思ったんです。結局初めて聴いた人に刺さる歌詞っていうのはシンプルなものなんですよね。だから一聴して歌詞が引っかかる曲になればいいなという思いで書きました。

──皆さん、バンドの規模感が大きくなるにつれてお客さんありきの曲を作るようになっていったということですね。

寺中 たくさんのお客さんに届けたいという思いが強まることで、みんなで楽しめる曲を作りたいというふうに変わっていきました。

──お客さんが求めるものだけを作り続けることに不満はないんでしょうか?

首藤 うーん、確かにお客さんにどうウケるかを考えて曲を作ってはいるんですけど、そうやってできた曲をライブで披露したときにお客さんの心をつかめた実感があればフラストレーションはたまらないという感じです。特にシングルカットされる曲っていうのはひとまず僕らの音楽を聴くきっかけになればいいなっていうのを念頭に置いて作っていて、そこから掘り下げてもらっていろんなKEYTALKの曲を聴いてもらえればと思っています。

2015年に日本武道館に立ててうれしい

──「HOT!」発売日の3日後にワンマンツアー「KEYTALKのHOTをMOTTOワンマンツアー」が始まりますね。

小野武正(G, Cho)

小野 アルバムが完成すると早くライブで演奏したいっていう気持ちになるので「やっと来た!」って感じですね。初のZepp Tokyoワンマンもあるので楽しみです。すぐにでも皆さんにライブでこのアルバムを届けたい。

──お客さんの反応が楽しみですね。ツアーを終えると、夏フェス出演があり、そして10月には東京・日本武道館でのワンマンライブも控えています(参照:KEYTALK、初武道館ワンマン10月に実施)。以前のインタビューで武道館に立ちたいとおっしゃってましたね(参照:KEYTALK「コースター」インタビュー)。

小野 昔から武道館でやりたいという気持ちがあったのでやってやるぞという気持ちです。インディーズ時代はまだ夢のまた夢で全然現実的じゃなかったんですけど、去年末ぐらいにその話が出たときは本当にうれしかったです。

──日本武道館公演が決まったとき、首藤さんはどんな気持ちでした?

首藤 バンドやっててよかったなって思いました。2015年って僕が大好きなポール・マッカートニーとサザンオールスターズも武道館公演をやるので、彼らと同じ年に同じ会場でライブができるのがうれしいです。

──寺中さんはどうですか?

寺中 ロックの神様にあやかって、武道館公演でさらに力をつけていきたいです。

──おお、パワーを得て次のステップへ進むということですね。現時点で何か日本武道館ライブの構想はありますか?

KEYTALK

寺中 具体的にはまだなんですけど、どんな特効を用意するのかとかは考え始めてます(笑)。あと出し物も何かできたらと思ってますね。せっかくの日本武道館なので、みんなで楽しむための策を練っているところです。

──楽しみですね。では最後に八木さん、日本武道館公演への意気込みをお願いします。

八木 がんばります!!

──具体的には?

八木 大きいワンマンのときに泣いちゃうことが多いので、泣かないようにがんばります!!

ニューアルバム「HOT!」 / 2015年5月20日発売 / Getting Better
初回限定盤 [CD+DVD] 3564円 / VIZL-839
初回限定盤 [CD+DVD] 3564円 / VIZL-839
スペシャルプライス盤 [CD] 2484円 / VICL-64354
スペシャルプライス盤 [CD] 2484円 / VICL-64354
通常盤 [CD] 3024円 / VICL-64355
CD収録曲
  1. YURAMEKI SUMMER
  2. グローブ
  3. MONSTER DANCE
  4. 桜花爛漫
  5. マスターゴッド
  6. Human Feedback
  7. キュビズム
  8. FLAVOR FLAVOR 
  9. センチメンタル
  10. エンドロール
  11. バイバイアイミスユー
  12. Monday Traveller
初回限定盤DVD収録内容

SUPER EXPRESS TOUR 2014 at EX THEATER ROPPONGI

KEYTALKのHOTをMOTTOワンマンツアー
  • 2015年5月23日(土)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2015年5月24日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2015年5月30日(土)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2015年6月5日(金)大阪府 なんばHatch
  • 2015年6月13日(土)香川県 DIME
  • 2015年6月14日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2015年6月20日(土)新潟県 新潟LOTS
  • 2015年6月21日(日)宮城県 Rensa
  • 2015年6月27日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
  • 2015年6月28日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2015年7月4日(土)東京都 Zepp Tokyo
KEYTALK台湾ライブ「みんなでダージャーハオ」

2015年7月11日(土)台湾 台北 THE WALL TAIPEI
<出演者>
KEYTALK / MIX MARKET

KEYTALK 日本武道館公演

2015年10月28日(水)東京都 日本武道館
OPEN 17:30 / START 18:30

KEYTALK(キートーク)
KEYTALK

2009年7月結成。首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G, Cho)、八木優樹(Dr, Cho)で構成される。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterからシングル「コースター」でメジャーデビュー。2014年5月にリリースしたアルバム「OVERTONE」のレコ発ツアーは全カ所ソールドアウトを記録し、ファイナルの東京・赤坂BLITZ公演を大成功に収める。2015年5月にメジャー2ndフルアルバム「HOT!」をリリース。10月にバンドにとって初の東京・日本武道館公演を行う。