FOMAREとKEYTALKのコラボ楽曲「Hello Blue Days」が11月25日に配信リリースされた。
「Hello Blue Days」はレッドブルによる企画「KEYTALK × FOMARE #歌詞に翼をさずける キャンペーン」をもとにして「青春」をテーマに制作された楽曲で、2組のファンから投稿されたツイートが歌詞の一部として採用されている。またこの曲の配信リリースと同時に、FOMAREは新作音源「Grey」でソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューを果たした。本作にはテレビアニメ「ゴールデンカムイ」第3期のオープニングテーマである表題曲をはじめ、「Hello Blue Days」も収録されている。
音楽ナタリーでは「Hello Blue Days」のリリースを記念して、FOMAREとKEYTALKの座談会を企画。7人にお互いのバンドの印象や「Hello Blue Days」の制作エピソード、メジャーデビューへの思いについて語ってもらった。
取材・文 / 酒匂里奈 撮影 / 後藤壮太郎
ずっと「どうも」以上しゃべりたかった
──まずは2組の出会いについて聞かせてください。
カマタリョウガ(FOMARE / G, Cho) 「THE KINGS PLACE」(FOMAREがレギュラー出演しているJ-WAVEの番組)に、「キングスミーティング」というアーティストと交流する回があって、そこで僕と八木(優樹 / KEYTALK)さんが初めて会いました。
小野武正(KEYTALK / G, Cho) フェスで会ったり、数年前に居酒屋でアマダくんと遭遇したりしたことはあったかな。
アマダシンスケ(FOMARE / B, Vo) あと何かの取材で一緒になったこともありましたよね。
小野 あっそうか。でもその頃はフェスで会っても「どうも」以上はしゃべらないような関係性で。
アマダ そうっすね。
八木優樹(KEYTALK / Dr, Cho) ほぼ他人やん(笑)。一時期ツーマンライブの話が出たこともあったけど、スケジュールの関係で実現しなかったしね。
小野 あとツアーも誘ってくれたけど、それもタイミング合わなくてね。
──その当時はお互いにどんな印象を抱いていましたか?
カマタ 僕はめちゃくちゃKEYTALKキッズだったので、ちゃんと関わる前はキッズ目線でした。ただ実際に会うとかなりディープだなと。
小野 かなりディープ(笑)。ディープとは?
カマタ バンドの表面だけじゃない部分というか。深い人たちだなと。
──それは音楽性の深さでしょうか?
カマタ 音楽性ではないんですけど、お酒を一緒に飲んでディープな一面を知りました。
小野 マイナスなディープってことですか?(笑)
カマタ いやいやもちろんプラスです!(笑)
八木 「キンプレ」で初めて共演した日に飲みに行ったもんね。
小野 焼肉屋ね。
八木 なんで知ってんだよ!
小野 インスタチェックしてるからさ。その何カ月後かに3人で飲んだときは、朝5時くらいまでしっぽり飲んだよね。でも帰ろうと思って駅に着いたら、カマちゃん(カマタリョウガ)が「もう1軒行きましょう!!」って。
八木 改札でね。
小野 僕は帰りました。
八木 僕も帰ろうと思って改札をくぐろうとしたら、カマタくんがガッて手をつかんできて。
カマタ 愛があふれちゃいました。
八木 かわいいヤツなんですよ(笑)。
──反対にKEYTALKの皆さんは、当初FOMAREにどんなイメージを抱いていましたか?
首藤義勝(KEYTALK / Vo, B) 若くて勢いがあるバンド、ですかね。
小野 ずっと「『どうも』以上しゃべりてー!」とは思っていました。
──深く関わるようになって印象は変わりましたか?
首藤 さっきカマタが言ってた言葉をそのまま返したいですね。ディープだなと(笑)。
カマタ (笑)。
このまま突っ走っていってほしい
──FOMAREは11月25日にメジャーデビューを控えていますが(取材は11月上旬に実施)、KEYTALKはメジャーデビューしたときのことは覚えていますか?
小野 昨日のことのように鮮明に思い出せます。
カマタ 本当ですか?(笑)
アマダ 今メジャーデビューして何年目ですか?
小野 7年目だっけ?
寺中友将(KEYTALK / Vo, G) 昨日じゃないの?
首藤 巨匠(寺中)、「昨日のことのように」とか嫌いなんですよ(笑)。
寺中 「今年は時間が経つのが早すぎて、マジで1週間くらいに感じたわ」みたいに言われても、「いや普通に1年あったけどな」と言いますね。
小野 僕らは大学の頃からの付き合いなんですけど、学生の頃からそういうツッコミをいっぱいされてきました。僕、朝まで飲んだときとか「楽しくて一瞬だったね」と言っちゃうんですよね。そうすると「いや普通に12時間飲んだけどね」と返されます(笑)。
──(笑)。メジャーデビュー7年目の先輩ということで、デビューを控えたFOMAREに何か伝えたいことがあれば教えてください。
小野 この状況でメジャーデビューしたのは、大変だなと思いますね。ライブもできないし。KEYTALKの場合はメジャーデビューしてから出演させてもらえるフェスも増えたので。でもFOMAREに出会ってまだ日は浅いですけど、話を聞いているとブレることなくここまで来ている感じがするんですよね。だからこのまま突っ走っていってほしいです。
──FOMAREはメジャーデビューを控えた今、どういう心境ですか?
アマダ メジャーデビューの発表は、本当はライブでする予定だったんですけど、ライブが延期になってしまったのでSNSで発表したんです。そのせいもあってかまだあまり実感はなくて。
──11月25日にリリースされるメジャーデビュー曲「Grey」は、テレビアニメ「ゴールデンカムイ」第3期のオープニングテーマですよね。例えば「ゴールデンカムイ」を観ることがそういう実感につながったりしますか?
アマダ 確かにそうですね。アニメのオープニングで自分たちの曲が流れているのを見たときはグッときました。初めてのタイアップだったので。
──デビュー後はタイアップの機会も増えそうですね。またKEYTALKさんはデビュー後、日本武道館やアリーナでのワンマン公演を経験されています。どこかのタイミングで、ライブハウスで響く曲から大きな会場で映える曲を作ろうとモードチェンジした瞬間があったんじゃないかなと思っていて。
寺中 あります。取材とかでもみんなそう答えていた時期がありましたね。
首藤 当時はライブありきの楽曲制作で、フェスで初見の人にどう響くかをけっこう考えましたね。僕と巨匠がそういう曲を作って、同時に武正と八木氏が狭いハコで熱くなれるような曲を作ってバランスをとっていました。でも今の世の中はライブありきじゃない感じになっていると思うから、時代的にはそういうのはあまり気にしなくてもいいんじゃないかなと思いますね。
──そういう目線で言うと、FOMAREさんは曲作りに対してはどういう意識で臨んでいますか?
アマダ BPMが速い曲はいつもライブを意識してメンバーと作っていて。バラードは、そこまで広い会場を意識しているわけじゃないんですけど、聴きやすく、どこで歌っても響くようにというのは意識してますね。エモさとか、グッとくる感じというか。
──広い会場で演奏したいという目標はありますか?
アマダ そうですね。ホール公演とかはやってみたいです。
小野 大きい会場でのライブは、すごく高揚感もあるし緊張感もあると思います。特に1曲目は大事だなと思っていて。ねえ八木さん?
八木 本当ですね。
小野 横浜アリーナ公演(参照:出会って10年目のKEYTALK、初の横浜アリーナで灼熱の“祭り”)の1曲目とか大事だよね?
八木 そうですね。1曲目がその日のライブを決めると言っても過言ではないので。
小野 で、横浜アリーナ公演の1曲目、八木くんミスりました。
全員 (笑)。
八木 まだ歌に入ってない。というか誰も入ってない。その中で俺だけがAメロを叩いていて、「あれ? 俺今どこやってんだ?」となって(笑)。3人がちゃんとしたところで入ってくれて「あっここなんだ」と安心したらつい演奏の手を止めちゃって。本当に1曲目は大事にしたほうがいいです。自分はその日の記憶がそこからないんで。
小野 気付いたら打ち上げ(笑)。
オグラユウタ(FOMARE / Dr, Cho) 打ち上げの記憶はあるんですね(笑)。
八木 酒を浴びてる記憶はある。
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ファンの表情を見ているだけでもうれしい
2020年12月5日更新